5月29日 PBGCの恩恵を受ける企業 Source : PBGC Pension Insurance Data Book (PBGC)

PBGCから、これまでの活動の総括レポートが公表された。過去のデータブックは、ここのページに掲載されている。

このレポートで特徴的な図表を2つだけ掲載しておく。
PBGC01

PBGC02
特定の産業で、積立不足の大きな企業が、結局はPBGCに引き取られているわけだが、これは当然の帰結であろう。むしろ、そうした役割がPBGCの本来の業務である。こうした制度を導入すべきかどうかは、こうした結果をみれば明らかである。

5月28日 AFL-CIOからの離脱選挙 Source : AFL-CIO President Is Poised for Fifth Term (Washington Post)

AFL-CIOJohn J. Sweeney会長の続投が確実になってきたようだ。かつて、続投に反対の意向を示していた、UAWが、続投支持を表明したためである(「Topics2005年3月4日(2) AFL-CIO執行部が突っぱねる」参照)。

このため、路線対立から反発を強めていた有力労働組合は、AFL-CIOからの離脱選挙を模索し始めたという。今のところの状況は、次の通り。

労働組合名
拠出金の半減会長の交代AFL-CIOからの離脱、別センターの結成を模索
Teamsters
Service Employees International Union
Unite Here
United Food and Commercial Workers
 
Laborers' International Union
 
United Auto Workers
 

5月26日 ベネフィット関連法案の動向

Towers Perrinがまとめた、ベネフィット関連法案の動向に関する資料を掲載しておく。

5月23日 US Airwaysが合併 Source : AMERICA WEST HOLDINGS CORPORATION AND US AIRWAYS GROUP, INC. TO MERGE

19日、2度目のChapter 11からの復活を狙うUS Airwaysが、America Westとの合併を発表した。新しい会社の概要は次の通り。

  1. 社名は、US Airwaysに統一する。
  2. 新CEO、取締役会議長は、America West Holdings Corporation Chairman, President and CEO Doug Parker。副議長は、US Airways President and CEO Bruce Lakefield。
  3. 本社機能は、Tempe (Arizona)(現America West’s headquarters)に集中させる。
  4. 新取締役会(全13名)の構成は、3新規投資機関(ACE Aviation Holdings Inc、PAR Investment Partners, L.P、Peninsula Investment Partners, L.P)から各1名、現America West取締役会から6名、現US Airways取締役会から4名。
  5. 従業員数は、US Airways30,100人、America West14,000人だが、当面2〜3年は、航空機運用も含めて、別々の系統で管理する。
  6. 顧客に対しては、統一ブランドでサービスを行い、マイレージも相互に利用できる。
実質的には、America Westによる買収といってよいだろう。この買収が成立する背景には、
  1. 両社のベースが、西海岸と東海岸に分かれており、重複がほとんどないため、合併の効果が得やすい
  2. US AirwaysのDB年金プランがなくなり、賃金体系も切り下げられている
といった要素があると見られる。

この買収案は、独禁法の観点から司法省、Chapter 11の観点から破産裁判所の認可が必要になるが、両者ともクリアするのではないかとみられている。

当websiteとして注目してきたアラバマ州職員退職基金(RSA)は、当然、"新規"投資家として投資することは可能だが、今のところ、そのような意思表明はしていない(Washington Post)。従って、新US Airways取締役会のメンバーにも入っていない。Bronner理事長は、今、Mitchell教授の言葉(「Topics2004年9月13日 2度目のChapter 11」参照)を噛み締めていることだろう。

≪US Airwaysに関するarchives≫

2005年1月7日 航空会社スト回避
2004年12月22日 UAL年金廃止で労使合意
11月22日 US Airways年金はPBGCへ
9月27日 US Airways清算の可能性
9月22日(1) US Airwaysの債権者委員会
9月15日(1) US Airways清算で得する人は?
9月14日(1) 早速年金拠出をストップ?
9月13日 2度目のChapter 11
9月1日 US Airways取締役交代
8月18日(1) RSAも諦観か
8月17日(1) US Airwaysも年金拠出を延期
8月14日 UALとUS Airways
8月6日(1) 航空会社の年金積立不足
8月3日 Deltaに飛び火
4月7日 年金救済法案は最後の山場
1月2日 PBGCに軍配
2003年12月4日(2) アラバマ州年金基金は言い過ぎ
4月9日(1) US Airwaysの取締役会議長
3月29日(1) US Airwaysパイロット年金が決着
3月19日(3) US Airwaysの復活
3月4日(1) US Airwaysパイロットの企業年金は終了
1月15日(2) US Airwaysの年金カット
2002年9月30日(1) Labor Friendly Investor 
9月23日(2) US Airwaysと労組の合意
9月4日(2) United Airlinesの最後の頑張り
8月27日 Chapter 11と労働協約
8月24日 ESOPと企業倒産