11月25日 公的年金の真の脅威は非合法移民 Source : Illegal Immigrants from Mexico Pose Real Threat to Social Security (HUMAN EVENTS)

Bush大統領が、2期目の最優先国内課題として、公的年金改革(個人勘定の創設)を掲げた(「Topics2004年11月5日(2) 再び年金改革を議論」参照)ことから、国内の各種団体は色めき立ち、早くも様々なアピールが公表されている。

例えば、推進派の代表格であるCATOのDirector、Michael Tanner氏は、「3度目の正直だ」と気勢をあげている(New York Times, Nov. 6, 2004)。他方、反対派のAARPは、Bush大統領の改革案に改めて強く反対を表明している(New York Times, Nov. 12, 2004)。

そのような政策論議の盛り上がりが見られつつある中、上記sourceは、「公的年金の差し迫った危機は、非合法移民によってもたらされつつある」と主張している。メキシコからの非合法入国者は、300万人にものぼると言われているが、Bush大統領とFox大統領の間では、彼らのアメリカ国内における地位確認というのが、最大の外交課題となっている。

  ○ Topics 2004年1月7〜11日 非合法入国者の地位確認 (1) (2) (3)

上記sourceによれば、その両政権の社会保障担当は、今年6月、社会保障協定に合意しているそうだ。しかし、その内容は明らかにされていない。もし、社会保障協定の対象者に非合法入国者が含まれているとしたら、どうなるか。アメリカの年金は、メキシコのそれに比べて、加入要件も給付水準も甘い。現在の非合法入国者達が将来の給付を受けるようになるだけでなく、メキシコ国内の潜在的な非合法入国希望者達を、さらに惹きつけることになろう。

確かに、30年先の危機よりは、確実に早くやってくる課題である。

11月22日 US Airways年金はPBGCへ Source : US Airways Seeks Benefit Cuts and Contract Repeals (Washington Post)

しばらく更新ができなかったので、少し古い話になってしまったが、今月12日、US Airwaysは、破産裁判所に対して、 を求める文書を提出した。詳細は、ここに掲載されている。

この要求が認められれば、US Airwaysに残る確定給付プランは、すべてPBGCに移管されることになる。そのPBGCだが、15日、財務報告書が公表され、その状況は、さらに悪化していることが判明した。債務超過が、$23.3Bとなり、一年前の$11.2Bの倍にものぼっているのである。こうして財務状況が悪化していることに加えて、US AirwaysやUALの年金が移管されてくれば、PBGCは大きな打撃を被ることになる。

PBGCにとっても、組織の存亡のかかる、大事な時期を迎えることになろう。