Source : | Employers fear they're not meeting working parents' needs, survey shows (HR Dive) |
9月17日にWillis Towers Watsonが公表した調査によると、企業は、働く親たちへの支援が最重要課題として認識しているものの、講じている施策が必ずしも有効だとは考えていない。
Flex workingはほとんどの企業が提供しているものの、それだけでは親の役割を持つ従業員を支え切れていないと考え、保育サービスの紹介や資金援助が重視され始めている。
企業側としては、有能な従業員が子供のケアのために職場を離れつつあるという危機感を抱いている。特に、COVID-19の拡大により、その傾向が強まっている。
※ 参考テーマ「ベネフィット」
Source : | Senate confirms 3 commissioners, maintaining EEOC's right-leaning quorum (HR Dive) |
9月下旬、連邦議会上院は、EEOCの委員として、次の3氏を承認した。 また、Victoria A. Lipnicは、任期満了に伴い退任となった。
これにより、現在のEEOCの委員構成は次の通りとなる。【2020年9月29日時点】EEOC委員は、大統領の党派から3人、野党派から2人と決まっている。これでようやく定数が満たされたことになる(「Topics2019年8月6日 EEOCの委員構成」参照)。
役 職 氏 名 政 党 指名者 任 期 Chairman Janet Dhillon R President Trump 2019.5.15~2022.7.1 Member Charlotte A. Burrows D President Obama ①2014.9.12~2019.7.1
②~2023.7.1Member Keith E. Sonderling R President Trump ~2024.7.1 Member Andrea R. Lucas R President Trump ~2025.7.1 Member Jocelyn Samuels D President Trump ~2021.7.1 事務局長 Sharon Fast Gustafson President Trump ~2023.7
※ 参考テーマ「雇用政策/労働法制」
Source : | What To Know About Those $200 Drug Cards President Trump Promised (NPR) |
9月24日、トランプ大統領は、"An America-First Healthcare Plan"に関する大統領令に署名、公表した。
これまでの実績と今後の追加プランがごちゃまぜになっていて、とても読みにくい大統領令となっている。
その中で、ある提案が物議を醸している。『近日中に、Medicare加入者に対して、処方薬購入割引カード($200相当)を郵送する』というものである。これも大統領スピーチを読まないと金額がわからない。Fact Sheetsには記載がないのだ。逆に言えば、それだけ中身が詰まっていないということだ。
本当に$200相当の割引カードをMedicare加入者3,300万人に配るとすると、$6.6Bの支出となる。
通常であれば、財務省支出となり、連邦議会の承認が必要となる。しかし、トランプ大統領はこのルートの利用を考えていない。
代わりに、Medicareを管轄する"Social Security Act"にある、"demonstration"(試験的施策)の利用を考えているという。この手法を利用するには、必要がある。
- コスト節約になるかどうかを試してみるという目的がある
- コスト・ニュートラルを守る
しかし、(i)何を試し、研究するのか、はまったくわからない。
(ii)コスト・ニュートラルについては、まだ仕組み作りを命じただけの「Medicare処方薬買取価格を先進国で最も低くする」大統領令で浮くはずの財源との間で相殺できる、と説明している(「Topics2020年9月15日 Medicare処方薬大統領令」参照)。
まさに、捕らぬ狸の皮算用である。
※ 参考テーマ「医薬品」、「Medicare」
9月26日、トランプ大統領は、連邦最高裁判事候補者として、Amy Coney Barrett氏を指名した。彼女を表現すると、"originalist"または""textualist"ということになるそうだ。憲法の文面に忠実、法律制定の意図を重視するという。
彼女のプロフィールは、正統な保守派を表している。もしもこのまま上院で承認され、連邦最高裁判事に就任すれば、最も若い判事となる。
- カトリック教徒
- 夫と子供7人(うち2人はハイチからの養子縁組)
- 実の両親とともに"People of Praise"のメンバー。上記sourceによれば、同団体は保守強硬派のキリスト教信者団体で、家父長制を主張している。
- Notre Dame Law School卒業(現在の最高裁判事は、HarvardかYale)
- 元連邦最高裁判事、超保守派Antonin Scaliaの司法書記(「Topics2016年2月16日 連邦最高裁判事の指名問題」参照)
- Notre Dame Law Schoolで15年間教鞭
- 第7控訴裁判所判事
トランプ大統領にとっては、最も信頼できる判事候補である。第7控訴裁判所判事に就任する際には、トランプ大統領が候補者として指名している。また、2018年にKennedy判事が退任した際、候補者としてBarrett氏の名前も挙がったが、トランプ大統領はGinsburg判事の後任候補に取っておくとして、結局、Kavanaugh判事を指名した。(「Topics2018年6月28日 Kennedy判事退任」、「Topics2020年7月10日 Kavanaugh判事を指名」参照)
そして、何よりもトランプ大統領にとって心強いのは、PPACA合憲判決(2012年)でのRoberts長官の意見を真っ向から批判しているのである(「Topics2020年9月22日 PPACA存続の危機」参照)。
連邦最高裁はアメリカ社会の最終判断を下す機関である。そこが分断の色合いを強めることになれば、社会の融和は望むべくもないだろう。
※ 参考テーマ「司 法」
Source : | Weekly jobless claims rise unexpectedly as stimulus boost fades (CNBC) |
9月24日、労働省は新規失業保険申請数を公表した。今週は87.0万人と、前週から0.4万人の微増となった(「Topics2020年9月18日 新規失業は減少傾向」参照)。27週間で累計6,200万人近くとなった(新規失業保険申請件数data)。
雇用保険被保険者の中の失業者数は1,258万人と、16.7万人の減少となった。 また、COVID-19対策で導入された追加失業給付(「Topics2020年3月30日 2兆ドル対策(COVID-19)」参照)の新規申請数は、
5/30: 79.9万人
6/ 6: 70.0万人
6/13: 77.4万人
6/20: 88.1万人
6/27: 99.7万人
7/ 4:104.6万人
7/11: 95.5万人
7/18: 96.0万人
7/25: 90.9万人
8/ 1: 65.6万人
8/ 8: 49.0万人
8/15: 52.5万人
8/22: 60.8万人
8/29: 75.1万人
9/ 5: 86.8万人
9/12: 67.5万人
9/19: 63.0万人
と、減少が続いている。
※ 参考テーマ「労働市場」
Source : | What We Do and Don’t Know About Recent Trends in Health Insurance Coverage in the US (Kaiser Family Foundation) |
9月15日、Census Bureauは、2019年の医療保険加入状況調査を公表した。
結果は下図の通りで、見事にトランプ政権になって以降、無保険者、無保険者割合とも徐々に高まっている。ただし、これは所詮、2019年のこと。今、足許ではコロナ感染拡大に伴う失業が増え、無保険者がどうなっているか、その動きが気になるところである(「Topics2020年5月14日 失業者の医療保険の行方」参照)。
Figure 1: Number of Uninsured and Uninsured Rate among the Nonelderly Population, 2010-2019
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」
Source : | DOL Clarifies Who Is an Independent Contractor in Proposed Rule (SHRM) |
9月22日、労働省(DOL)は、独立契約者の定義に関する規則案を公表した。官報掲載後30日間、パブリックコメントを受け付ける。
独立契約者かどうかの判断として、2つの重要要素とその他3つの要素を挙げている。DOLは、2019年5月に、独立契約者に関する意見書簡を公表した(「Topics2019年5月3日 Gig workersは独立請負業者」参照)。その時には、判断基準として6つの要素を公表していた。
- 重要要素
- The nature and degree of the worker's control over the work.
- The worker's opportunity for profit or loss based on initiative or investment.
- その他要素
- The amount of skill required for the work.
- The degree of permanence of the working relationship between the worker and the potential employer.
- Whether the work is part of an integrated unit of production.
CA州は、既に州法として独立契約者に関する定義を定めているが、今回の労働省規則案がそのまま施行されたとしても影響を受けない(「Topics2019年9月19日 CA州"AB5"成立」参照)。企業としては、連邦規則と州法が食い違う場面が出てくる。
※ 参考テーマ「雇用政策/労働法制」
Source : | The Future Of The Affordable Care Act In A Supreme Court Without Ginsburg (NPR) |
Ginsburg判事の逝去に伴い、PPACA(オバマケア)が存続の危機に晒されている。上記sourceでの紹介を時系列に直してみよう。PPACAを守りたい民主党としては、大統領、連邦議会多数派を獲得し、Penalty課税を再び有効にする法的措置を取るという手段も残されている。
- 2012年6月
連邦最高裁で、PPACAは合憲との判決が下る。その際、『個人加入義務付けの実効性担保のために規定されているペナルティは課税規定とみなせる。政策目的の課税は連邦議会の権限であり、違憲とはならない。』との主流派意見に、Roberts最高裁長官が賛成していた(「Topics2012年6月30日 医療保険改革法に合憲判決」参照)。
- 2018年2月
共和党主導州の司法長官が連名で、訴訟を起こす。「2017年12月に成立した減税法で無保険ペナルティが0%に引き下げられた(「Topics2017年12月21日 ペナルティ課税ゼロ」参照)ことにより、PPACAは違憲状態となった」と主張(「Topics2020年6月28日 PPACAと大統領選」参照)。
- 2018年12月
連邦地裁(Texas)は、司法長官達の訴えを認め、違憲判決を下す。
- 2019年12月
第5控訴裁判所の3人判事法廷は、ペナルティがなければ保険加入義務規定は違憲であるとの判決を下す。ただし、PPACA全体が無効との判断には至らないとして、地裁に差し戻した。
- 2020年1月3日
民主党主導の司法長官が連名で、連邦最高裁に対して、2019年12月の第5控訴裁判所の判決に対する判断を下すよう求める(Modern Healthcare)。
- 2020年11月
大統領選後に、連邦最高裁において意見陳述を行う。その後、判決を下すことになるが、その場合の予測は4通りが考えられる。
- Ginsburg判事の後任が決定されていない場合
- Roberts長官とリベラル派3人がPPACA合憲との意見を形成し、4対4となる。その場合、第5控訴裁判所管轄内では、保険加入義務規定は違憲、PPACA全体は有効、との効力が発生する。
- Roberts長官、Kavanaugh判事とリベラル派3人が合憲との意見を形成し、合憲判決が下る。
- Ginsburg判事の後任が決定されている場合
- トランプ大統領の意向通り、保守派の判事が任命された場合、4対5となり、違憲判決が下る。
- 何らかのトラブルが生じ、リベラル派の判事が任命された場合、5対4の合憲判決が下る。
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「司 法」、「大統領選(2020年)」
9月19日、トランプ大統領は、Ginsburg判事の後任を、『来週(月曜日か火曜日と言われている)』、『おそらく女性』を指名すると公言した。大統領選に向けて女性の支持を高めたいとの意向もあるそうだ。
上記sourcesで紹介されている候補者名は、次の通り。3.のThapar以外は全員女性、しかも若い。最近の連邦最高裁判事の任命には、この若さが重要になっている。
- Amy Coney Barrett:48歳(January 28, 1972)、第7控訴裁判所判事
- Barbara Lagoa:52歳(November 2, 1967)、第11控訴裁判所判事
- Amul Thapar:51歳(April 29, 1969)、第6控訴裁判所判事
- Kate Comerford Todd:45歳(?)、Deputy Assistant to the President and Deputy Counsel to the President
共和党が後継指名、承認を急ぐ中、共和党上院議員の中で、2人の女性上院議員が大統領選前の指名、承認に反対意見を表明した。 2人は、2017年、トランプ大統領が推進していたObamaCare廃止法案に悉く反対票を投じ、止めを刺した(「Topics2017年7月28日 上院共和党の試行錯誤」参照)。また、Murkowski議員は、2018年、Kavanaugh判事への承認投票で反対を表明し、トランプ大統領から激怒を買った経験もある(「Topics2018年10月7日 Kavanaugh判事就任」参照)。言わば確信犯だ。Current Justices of the US Supreme Court (as of September 19, 2020)
Name Born Appt. by First day University John G. Roberts
(Chief Justice)January 27, 1955 George W. Bush September 29, 2005 Harvard Clarence Thomas June 23, 1948 George H. W. Bush October 23, 1991 Yale (Ruth Bader Ginsburg) March 15, 1933 Bill Clinton August 10, 1993 Harvard Stephen Breyer August 15, 1938 Bill Clinton August 3, 1994 Harvard Samuel Alito April 1, 1950 George W. Bush January 31, 2006 Yale Sonia Sotomayor June 25, 1954 Barack Obama August 8, 2009 Yale Elena Kagan April 28, 1960 Barack Obama August 7, 2010 Harvard Neil McGill Gorsuch August 29, 1967 Donald Trump April 10, 2017 Harvard Brett Kavanaugh February 12, 1965 Donald Trump October 6, 2018 Yale
Collins議員は今年改選期に当たり、仮に上院で承認投票が行われた場合に反対票を投じるかどうかは明確にしていない。また、Murkowski議員は何度も反対の意向を表明しているが、その表現振りは『支持しない』(I would not support)だ。
仮に2人が反対票を投じたとしても承認阻止には届かない。現在、上院は共和党が53人となっており、あと一人反対が出たとしても同数ではペンス副大統領の決裁となる。
※ 参考テーマ「司 法」、「大統領選(2020年)」