Source : | Trump Taps Brett Kavanaugh As His Second Supreme Court Pick (NPR) |
7月9日、トランプ大統領は、連邦最高裁判事候補として、Brett Kavanaugh判事を指名した。その人となりについては、NPRの記事に詳しい。彼の司法判断に対する評価は、一言でいえば、"pragmatic but conservative"だそうだ。バリバリの保守派からすると物足りないとのこと。Ted Cruz上院議員(R-TX)は、人口中絶やPPACAに関する彼の意見には納得していない。しかし、そのくらいでちょうどよいのではないだろうか。
トランプ大統領、連邦議会共和党は、一日でも早く指名を承認して、11月の中間選挙の影響を受けないようにしたいとの腹積もりだ。現在、連邦議会上院は、共和党と民主党が51vs49となっている。マケイン上院議員は病気療養中なので、実質的には50vs49だ。
こうして逼迫した状況の中で、注目されている上院議員は、次の5人だ。共和党の2人は、オバマケア廃止法案の時にも最後まで抵抗したし、人工中絶についても親和的だ。トランプ大統領もそこはよく考慮していて、最終候補として残った4人の判事全員について、両議員は過去に承認票を投じている(CNN)。今回に限って反対票を入れるのは、筋が通らないのだ。
- 共和党:Susan Collins (Maine), Lisa Murkowski (Alaska)
- 民主党:Joe Manchin (West Virginia), Joe Donnelly (Indiana), Heidi Heitkamp (North Dakota)
一方、民主党の3人は、先のGorsuch判事の承認に賛成票を投じている。そして、いずれもトランプ大統領が勝利している州で秋の中間選挙を戦うことになっている。
仮に共和党から2人が離脱しても、民主党から3人の賛成票が入れば、51票は確保できる。トランプ大統領得意のディールが駆使されることは間違いないだろう。
ところで、Kavanaugh判事が指名されたとして、9人の判事の構成はどうなるか。まず、保守色がよりはっきりしてくる。そして、若い。1960年以降生まれが3人になり、そのうち2人は保守派だ。1950年以降生まれだけを見れば、保守4、リベラル2となり、保守派の優勢が明らかになる。保守派が優勢の時期が長く続くことが見込まれる。Current Justices of the US Supreme Court (as of July 9, 2018)
Name Born Appt. by First day University John G. Roberts
(Chief Justice)January 27, 1955 George W. Bush September 29, 2005 Harvard Clarence Thomas June 23, 1948 George H. W. Bush October 23, 1991 Yale Ruth Bader Ginsburg March 15, 1933 Bill Clinton August 10, 1993 Harvard Stephen Breyer August 15, 1938 Bill Clinton August 3, 1994 Harvard Samuel Alito April 1, 1950 George W. Bush January 31, 2006 Yale Sonia Sotomayor June 25, 1954 Barack Obama August 8, 2009 Yale Elena Kagan April 28, 1960 Barack Obama August 7, 2010 Harvard Neil McGill Gorsuch August 29, 1967 Donald Trump April 10, 2017 Harvard (Brett Kavanaugh) February 12, 1965 Donald Trump -, 2018 Yale
そして、今回の表で追加したのだが、出身大学のバランスが拮抗する。ま、これは関係ないか。
関係ないついでに記しておくと、Kavanaugh判事はBethesda(MD)育ちだそうだ。
※ 参考テーマ「司 法」
Source : | Isolated at Work: Despite Many Ways to 'Connect,' Employees Can Feel Lonesome (SHRM) |
従業員の孤独感の高まりが経営課題となりつつあるそうだ。上記sourceのポイントは次の通り。特に、欧米のように、cubicle型のオフィスでは、空間が仕切られているために、誰とも会話せずに一日が終わるとしても不思議ではない(「Topics2013年10月18日 Open-Plan vs Cubicle」参照)。
- E-mailや電話会議、ショートメールの技術が発達する一方で、同僚と一度も会わずに一日を過ごしてしまいがちになっている。
- 同僚とランチをしたり、井戸端会議をすることがだんだん難しくなっている。
- Fortune 500の企業の間で、従業員の孤独感に対処することが重要になりつつある。
- 職場での孤独感を一掃するには、面と向かっての対話が最良策であることは間違いないが、実際には簡単ではない。
- 技術革新により、従業員のより多くの時間とエネルギーが求められるため、他人との対話時間に関してだんだん自己中心的になってきている。
- 仕事のうえで充分な連携を図るために必要な時間を割かなければいけないのに、徐々に寛容ではなくなっている。
- 面と向かっての直接対話は、感情面や肉体面での努力が必要だ。発言者の真意を汲み取るには、直接対話のうちの70%は、言葉に出てこないシグナルを読み取ることに割かなければならない。
- 人の顔を見て声を聴いていれば、感情的なシグナルがたくさん読み取れる。
- 人はe-mailから感情をうまく読み取れると思っているが、全くできていない。
最後の9.は全く同感。E-mailの行間を読めとかよく言われるけれど、先ず書き手の方がどこまで推敲して気持ちを込めているのか疑問だ。手書きの手紙とe-mailにかける時間を考えれば一目瞭然だ。さらに、読む方もビジネスライクな連絡のような気持ちで斜め読みすることが多く、文字に書いてあることすら見逃している場合が多い。
面会の日時や正式名称の連絡などにはとても有効なe-mailだが、伝えられる情報は限られている。直接対話は、かかる時間で測ればe-mailの何十倍の情報が往復する。もっと職場でおしゃべりしよう。
※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」
Source : | About 1.1 million people dropped 2018 Obamacare coverage (Modern Healthcare) |
2018年1月のExchange保険料に関する統計が公表された。2017年1月との比較を要約すると、次のようになる。昨年よりも加入者数は少ないのに、1月の保険料支払い者数は増えている。また、tax creditの受取割合が高まっていることを合わせ考えると、Exchangeでは、より所得の低い層の占める割合が高まっているのではないかと思われる。
2017年 2018年 増 減 Exchange加入者数 1,220万人 ⇒ 1,180万人 ▲40万人 1月の保険料支払い者数 1,030万人 ⇒ 1,060万人 30万人 年末加入者数 890万人 ⇒ ? - 2月平均保険料(tax credit前) - ⇒ $597 27%増 2月平均tax credit - ⇒ $520 39%増 Tax credit受取割合 84% ⇒ 87% 3ppt↑
一方、保険料の増加率も半端ではない。2016→2017年では月額平均保険料が21%上昇して、tax creditを受け取っていない加入者のうち130万人、約20%が保険から脱退していった。今年の保険料の上昇率が27%と昨年を超えていることに加え、ペナルティ課税がゼロになったことから、今年の脱退率は、昨年を上回ることが予想される。
Exchangeは存亡の危機に立たされているのかもしれない。
※ 参考テーマ「無保険者対策/州レベル全般」、「無保険者対策/連邦レベル」、「医療保険プラン」
Source : | Labor Clout Takes A Hit In Supreme Court Ruling On Dues (NPR) |
連邦最高裁が州職員に"right to work"を認めた判決は、労働界に大きな衝撃をもたらしている。カリフォルニア大学の教授は、「間違いなく労働組合を弱体化させる」と予言している。
しかし、上記sourceでは、労働組合側が逆に運動強化の好機ととらえ、反転攻勢の試みを伝えている。
公的部門の最大の労組である"American Federation of State, County and Municipal Employees (AFSCME)"の会長は次のように発言している。つまり、労働組合の原点に回帰せよ、ということである。
- 労働組合は新しい現実に適応しなければならない。そのために、労組は労働者のために取り組まなければならない。個人的な関係、コミュニケーションをもっと重視していくべきだ。
- Nevada州では、既に民間部門の"right to work"が認められている(「Topics2017年1月13日 KY州:27番目のRight to Work州に」参照)。ラスベガスの料理人組合は、州最大の労働組合で、組合員数は5.7万人。そのうち95%が組合費を負担している。それは、組合員の日々の生活に労組が役立っているからだ。
※ 参考テーマ「労働組合」
Source : | Judge blocks Kentucky's Medicaid work requirement (Modern Healthcare) |
6月30日、D.C.連邦地方裁判所は、CMSがKY州に対してMedicaid受給要件として就労を認めたことについて、『裁量的に過ぎ、Medicaid本来の目的を充分に勘案していない』として、認可を無効とする判決を下した。
Medicaid受給要件に就労を加えることは、既に4州が認められている。また、申請中の州も7州ある(「Topics2018年6月14日 就労義務規定の効果」参照)。
Medicaidの就労義務規定は、出だしから躓いてしまった。
※ 参考テーマ「無保険者対策/KY州」、「無保険者対策/州レベル全般」