10月31日 IA州:接種拒否者に失業給付
Source :Iowa approves jobless benefits for people who were fired for being unvaccinated (NPR)
10月28日、Iowa州議会は、ワクチン接種に関連する法案(HF902)を可決した。ポイントは次の通り。
  1. 企業の従業員がワクチン接種義務化のもとで健康上、宗教上の免除を求めることができる。

  2. ワクチン接種を拒否して解雇された者に対して失業保険を給付する(「Topics2021年9月1日(1) ワクチン拒否と失業給付」参照)。
Iowa州知事は、翌29日署名した

Iowa州の経済界は、連邦政府の方針と対立する同州の方針決定に戸惑いを隠さない。併せて、失業保険料負担の増大も懸念している。

一方、同知事は、同じ29日、他の9州とともに、連邦政府契約企業の従業員にワクチン接種を義務付ける大統領令に対して訴訟を起こすことも決定した(「Topics2021年9月11日 民間企業接種義務化大統領案」参照)。連邦政府への対立構図をますます深めている。

Iowa州は、州知事、州議会上下両院とも、共和党が握っている。

※ 参考テーマ「解雇事情/失業対策」、「人事政策/労働法制」、「人口/結婚/家庭/生活

10月30日(1) 小売り飲食が賃上げ
Source :Starbucks and Costco raise wages in the nationwide competition for workers (NPR)
小売り、飲食チェーンの最低賃金引き上げの動きが活発になっている。背景には、労働需給の逼迫と労組結成の動きがある。

※ 参考テーマ「最低賃金」、「人事政策/労働法制」、「労働組合」、「労働市場

10月30日(2) ワクチン接種動向(10月)
Source :KFF COVID-19 Vaccine Monitor: October 2021 (Kaiser Family Foundation)
毎月、ワクチン接種動向を調査しているKFFが、10月調査結果を公表した(「Topics2021年9月29日(1) ワクチン接種動向(9月)」参照)。
  1. 少なくとも1回接種した人の割合は、72%で止まってしまった。"As soon as possible"が2%、"wait and see"が5%、"Only if required"が4%である。絶対に打たない割合が16%と、これまでで最大となった。打ちたくないとの意思が高まっている。
  2. ちなみに、2回接種を完了した人の割合は56.79%と、9月から2%ポイントしか上昇していない。
  3. ワクチン接種に積極的な属性と消極的な属性は相変わらず。
  4. 勤務先の企業がワクチン接種を義務化しているとの割合は25%しかない。勤務先からのワクチン接種義務付けに対しては、51%が望んでいない。
  5. 勤務先がワクチン接種または毎週検査を求めた場合、ワクチンを接種する人はわずか11%。検査を選択する人が46%、離職を選択する人がなんと37%に達する。この設問は、バイデン大統領の民間企業ワクチン接種義務付け方針に該当する(「Topics2021年9月11日 民間企業接種義務化大統領案」参照)。

    他方、毎週検査という選択肢をなくした場合、ワクチンを接種する人は17%にしかならない。そして、離職を選択する人が72%に倍増する。この設問は、連邦政府契約企業の接種を義務付けた大統領令に該当する(「Topics2021年10月3日(1) 航空会社への接種義務化圧力」参照)。
  6. 実際に、勤務先がワクチン接種を義務付けたことを理由に離職した人を知っている割合が24%にもなっている。
バイデン大統領の民間企業ワクチン接種義務化政策は、接種増加の効果が小さいばかりか、逼迫している労働市場をさらに供給不足に追い込むことになりそうである(「Topics2021年10月13日(1) 自発的離職が急増」参照)。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」、「人口/結婚/家庭/生活」、「労働市場

10月29日 労働力と労働者
Source :How employers can win workers back (and keep them) after the 'Great Resignation' (NPR)
上記sourceは、最近離職した2人の女性を紹介している。 離職したアメリカ人女性の代表的な感覚だという(「Topics2020年11月1日(4) 疲れから怒りへ」参照)。

パンデミック発生以来、労働市場から退出した女性の割合は、男性の2倍になっている。専門家は、『女性たちが家庭生活と職場のバランスを取るのに必要なサポートが得られなかったと感じている』と指摘する。そのうえで、幼稚園前の保育、有給休暇制度、高齢者介護などの社会的制度を改善しなければならないと訴えている(「Topics2021年5月29日 働く母親への支援」参照)。

また、別の専門家は、アメリカ社会では、労働者を代替可能なものとして考えていることがこうした問題を引き起こしていると指摘する。

労働市場の粘性を回復する必要があるということだろう。

※ 参考テーマ「労働市場」、「人事政策/労働法制」、「人口/結婚/家庭/生活

10月28日 接種義務化への理解低調
Source :SHRM Surveys Reveal Employers’ Anxiety Over Vaccine Mandate (SHRM)
民間企業のワクチン接種義務化に関するアンケート調査が公表された(「Topics2021年9月15日 OSHAの責務」参照)。ポイントは次の通り。
  1. 従業員へのワクチン接種/定期検査義務化を実施するのは困難が伴う : 90%

  2. 従業員のワクチン接種の有無、検査結果の確認に大変な時間がかかる : 80%

  3. 接種義務化に伴い、優秀な人材の確保が大きな課題となる : 38%

  4. ワクチン接種義務化に伴い、退職者が出てくる : 89%

  5. ワクチン未接種の従業員の検査費用は負担できない : 65%

  6. ワクチン接種義務化により、従業員のモラル、エンゲージメントを維持することが難しくなる : 82%

  7. ワクチン接種義務化は、通常業務の支障になる : 72%

  8. ワクチン接種義務化に関する大統領発言前に接種義務化を実施しておらず、従業員100人未満の企業のために義務化対象にならない企業で、大統領令施行後も義務化しない : 86%

  9. ワクチン接種義務化を支持する従業員 : 60%

  10. ワクチン接種義務化を支持しない従業員 : 40%

  11. 2回接種を終えていない従業員で、義務化となった後も接種しない : 59%

この調査結果を見る限り、企業、従業員とも接種義務化への理解、支持は低調である。ワクチン接種に対する強い忌避感が残っている間は、義務化の効果は限定的にならざるを得ないのではないだろうか。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」、「人口/結婚/家庭/生活

10月27日 州の薬価抑制策(MD, CO, NY, MA)
Source :NASHP’s Annual Conference Highlights States Taking Bold Action on Drug Prices (NASHP)
上記sourceでは、州による薬価抑制策が紹介されている。 トランプ政権末期に、いくつかの医薬品価格抑制策が打ち出されたが、実行には至っていない(「Topics2020年7月27日 医薬品価格抑制大統領令」参照)。バイデン政権もコロナ対策を優先していて、そこまで手が回っていない。連邦政府の動きが鈍く、州政府が次々と対策を打ち出している。各州の処方薬価格抑制策は、ここにまとめられている。

※ 参考テーマ「医薬品」、「無保険者対策/MD州」、「無保険者対策/CO州」、「無保険者対策/NY州」、「無保険者対策/MA州」、「無保険者対策/州レベル全般

10月25日 ワクチン接種拒否後
Source :Thousands of workers across the U.S. would rather lose their jobs than be vaccinated (NPR)
ワクチン接種義務が課された職場から退職した人、解雇された人の人数である。上記sourceで紹介されいている事例は、医療機関が多い。ワクチン接種の義務付けが早期に始まったからだ。

離職した人たちがすぐに職につけるかどうかは区々のようだ。紹介されている人の一人は、公的資金のまったく入らない医療機関で就職することができたという。

一方、別の人は、失業保険給付が認められず、医療機関以外での職を探しているという(「Topics2021年9月1日(1) ワクチン拒否と失業給付」参照)。この人は、当初、ワクチン接種を拒否していなかった、1月初めに1回目接種の予約をしていたが、2回にわたって予約が延期されて、そのうち神が夢に現れて、『接種するな』と告げられたそうだ。

しかし、バイデン政権が民間企業(従業員100人以上)の企業にワクチン接種義務化を課した場合、この人達の職はどうなっていくのだろう(「Topics2021年9月15日 OSHAの責務」参照)。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」、「人口/結婚/家庭/生活

10月22日 Amazon:NYで労組結成要求
Source :Amazon warehouse workers on Staten Island push for union vote (NPR)
NY市Staten Islandには、Amazonの施設が4つある。それらの施設で働く従業員は7,000人超に達するが、そのうちの約2,000人が労働組合結成に賛成した。10月25日午後、NLRBに対して労組結成投票実施の承認申請を行なう予定としている。NLRBが投票を承認するためには、従業員の30%の署名が必要とされている。

Amazonでの労組結成の動きは、2例目である(「Topics2021年8月4日 Amazon労組再投票か?」参照)。

今回の労組結成を主導しているのは、独立した従業員グループ(Amazon Labor Union)である(「Topics2020年12月23日 Amazon労組結成の行方」参照)。 Amazonにおける労組結成の動きが全米に広がっていくのかどうか、注目されるところである。

※ 参考テーマ「労働組合

10月21日(1) 航空会社対応の変化
Source :Southwest Airlines will keep workers on the jobs who apply for vaccination exemptions (Associated Press)
ワクチン接種義務の期限が迫り、航空各社に対応の変化が出ている(「Topics2021年9月11日 民間企業接種義務化大統領案」参照)。 UAを除き、毎週検査という選択肢のない連邦政府契約企業であるにもかかわらず、ワクチン接種をしていない従業員の勤務を継続させようと試みている。連邦政府の意向に沿いつつも、何とか無給自宅待機を回避する方策を探っているということなのだろう(「Topics2021年10月3日(1) 航空会社への接種義務化圧力」参照)。 SouthwestとAmericanは、TX州をベースとしており、法的には大統領令が優位と判断しているものの、TX州知事令にも配慮しているスタンスが伺える(「Topics2021年10月13日(2) TX州:接種義務化禁止令」参照)。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」、「人口/結婚/家庭/生活

10月21日(2) Community Collage無料化断念
Source :White House drops free community college from its spending bill (NPR)
バイデン政権は、オムニバス法案に含まれていた『Community Collageの2年間無料化』を降ろすことに同意した。歳出規模が最大のネックとなったのであろう。Community Collageの無料化は、バイデン大統領にとって優先度の高い政策であっただけに、失望が広がっている(「Topics2020年11月20日 新政権:学生ローン免除へ」参照)。

まず、民主党連邦議会議員左派である。"Human"インフラストラクチャーへの投資の重要な柱の一つとして、community collegeの無料化を掲げていただけに、2年間の無料化もできないことになる(「Topics2021年4月22日 大学授業料無償化法案」参照)。

次に、若者の失望を買うことになろう。これから大学で学ぼうとしている人達はもちろんだが、リスキリングにより労働市場への復帰を考えていた人達にはネガティブな効果をもたらす。

そして、現役世代の失望であろう。バイデン政権は、連邦学生ローン債務の返済・利払いを再開しようとしている(「Topics2021年10月19日 女性の学生ローン債務」参照)。Community collageの無料化もできないのであれば、大統領の公約であった債務免除もできないのではないか、と思うのも当然だろう。

最後に、大統領夫人である。彼女こそが、community collage無料化を強く主張していたのである(「Topics2020年11月20日 新政権:学生ローン免除へ」参照)。

バイデン大統領、民主党は、その支持基盤に失望を与え、難しい状況に陥りつつある。

※ 参考テーマ「教 育」、「中間選挙(2022年)