10月18日、2回目の下院議長選挙が行なわれたが、Jim Jordan(R-OH)議員は必要な賛成票数を獲得できなかった（Roll Call 523）。それどころか、第1回目よりも1票減らし、共和党議員の反対票は20票から22票に増えてしまった（「Topics2023年10月18日(1)　下院議長選挙1回目失敗」参照）。強引な説得と威圧が原因とされている。

1回目	2回目

共和党内では、このまま議長不在が続くことを懸念して、暫定議長を正式議長する案が模索されているらしいが、暫定議長は固辞しているそうだ（「Topics2023年10月4日(1)　史上最低の下院議長」参照）。

※　参考テーマ「政治/外交」

Kaiser Family Foundationから、2023年の企業提供医療保険プランの概要が公表された。ポイントは次の通り。

1. この10年間で保険料は大きく伸びている。企業負担、従業員負担ともほぼパラレルに伸びている。

   

2. 保険タイプ別では、PPOの保険料が最大となっている。

   

3. 従業員負担割合について、単身プランでは25％以下、家族プランでは50％以下の場合が多い。

   

4. 単身プランの年間免責額が$2,000を超えている割合は、中小企業では50％弱に達する。

   

※　参考テーマ「医療保険プラン」

10月17日、連邦議会下院で議長選出選挙が行なわれ、共和党の議長候補Jim Jordan(R-OH)議員は必要な賛成票数を獲得できなかった。Jordan議員への投票は、200票止まりであった（Roll Call 521）。

民主党が全面的に反対に回っているところから、Jordan議員から民主党に対して協力要請はなかったものとみられる（「Topics2023年10月14日(1)　下院議長候補再選出」参照）。

共和党から20票の反対票が投じられた。McCarthy前議長の解任に対する憤り、今後の予算措置やウクライナ支援に対する疑念などが、主な反対理由となっている（「Topics2023年10月4日(1)　史上最低の下院議長」参照）。

さらに説得が行なわれたうえで、第2回目の投票が行われる予定だ（「Topics2023年1月6日(3)　下院議長が決まらない」参照）。

※　参考テーマ「政治/外交」

10月13日、CA州知事は、医療関係従事者の最低賃金を引き上げる法案（SB 525）に署名した。成立した法案の主な内容は次の通り。

1. 医療関係従事者の最低賃金を、現行$15.50/hから$25/hに引き上げる（「Topics2023年8月18日(1)　CA州最低賃金引上げへ」参照）。
   
   
2. 従業員10,000人以上の大規模医療機関と透析クリニックは、2026年までに引き上げる。
   
   
3. 郊外の独立した医療機関やMedicaid、Medicare加入者の患者が多い医療機関は、2033年までに引き上げる。
   
   
4. 財政事情の厳しい医療機関については、免除申請が可能。
   
   
5. 原住民を対象とした医療機関については、完全に適用除外とする。

当初の法案では、一律2025年6月までに引き上げることが提案されていたが、CA州病院協会（California Hospital Association）の反対で、段階的導入となった。同協会は、これを受けて、最終的に法案賛成に回った。

これにより、約46.9万人の従業員に影響が及ぶ。

この法案署名と同日、Kaiser Permanenteの労使が暫定合意に至った。そこで定められCA州内従業員の最低賃金は$25/hと平仄が合っている。それもそのはずで、州法案の最大スポンサーもKaiser Permanenteのストをリードしたのも、SEIU Californiaである。SEIU Californiaは勝利宣言をするとともに、法案が示す引き上げプロセスを詳説している。

※　参考テーマ「最低賃金」、「労働組合」

10月13日、下院共和党は、Jim Jordan(R-OH)議員を議長候補に選出した（「Topics2023年10月13日(1)　下院議長候補決まらず」参照）。選出のための投票結果は公表されていない。

来週以降、下院における議長選出プロセスが開始される。これを前にして、下院民主党は議長選出に協力すると表明している。その条件は、

• 議長退任要求のルールを厳格化する
• 主要委員会で民主党の委員長を増やす
• ウクライナ支援、連邦政府閉鎖回避などについて、超党派で協力する

とされている。結構、高いハードルのように思える。

※　参考テーマ「政治/外交」

先週ストライキを実施したKaiser Permanente従業員組合は、経営側との間で暫定合意に至った（「Topics2023年10月9日(2)　Kaiserスト終了」参照）。

1. 今後4年間で21％の賃金引き上げ
   
   
2. CA州の最低賃金を$25/h、その他州は$23/hに引き上げ
   
   
3. これらを通じて人員確保を進める

経営側がかなり譲歩した内容となっている（「Topics2023年10月5日　医療機関で最大スト」参照）。それでも人員不足を解消するだけの採用は難しかろう。 組合員の承認投票は来週に予定されている。

※　参考テーマ「労働組合」

10月13日、UAWは、

• 当面はストライキ規模を拡大しないが、
  
  
• いつでも規模拡大を実施する用意がある

と表明した（「Topics2023年10月13日(2)　UAW突如スト拡大」参照）。

※　参考テーマ「労働組合」

10月12日、CMSは、2024年のMedicare保険料、免責額等を公表した。

1. Part B
   • 標準保険料：$164.90/M(2023)⇒$174.70/M(2024)
     実際には、所得に応じて保険料は上積みされる。
     
   • 年間免責額：$226(2023)⇒$240(2024)
   
   
2. Part A
   年間入院免責額：$1,600(2023)⇒$1,632
   
   

※　参考テーマ「Medicare」

10月12日、連邦議会下院共和党は、下院議長候補として、Steve Scalise (R-La)下院議員を選出した（「Topics2023年10月4日(1)　史上最低の下院議長」参照）。しかし、その得票数は113票しかなかった。下院議長に選出されるためには、217票近くが必要である。当然、共和党議員に投票を依頼することになるのだが、どこまで共和党議員がついてくるのか、検討もつかない状況のようだ。加えて、健康不安説も根強い。

票読みをいつまで続けていても埒が明かないので、投票を決行し、成り行き任せで対応するしかないような雰囲気である。

と、ここまで書いたところで、Scalise議員が下院議長就任を断念したとの速報が入ってきた（NPR）。今後の見通しはまったく立っていない。

※　参考テーマ「政治/外交」

10月11日夕刻、UAWは、Kentucky州のFord工場で8,700人規模のストライキを突如開始した（「Topics2023年10月9日(1)　UAWスト拡大せず」参照）。この工場は最も利益を生んでいる工場で、その打撃は大きい。

これでUAW組合員14.6万人のうち、33,700人がストライキに参加していることになる。割合にすれば23％に達する。

※　参考テーマ「労働組合」

10月12日、BLSは9月の消費者物価指数（CPI-U）を公表した（News Release）。前年同月比3.7％の上昇と、上昇率は横ばいとなった（「Topics2023年9月14日(2)　しつこい物価上昇」参照）。コアの伸び率は4.1％と低下、足許については前月比で+0.4％と低下した。

エネルギー全体の価格指数は、前年同月比で伸び率はマイナス0.5％となり、低下幅は大幅に縮小した。足許では、前月比1.5％増となった。

食料品価格の伸び率は前年同月比3.7％増と低下しており、だいぶ落ち着いてきた感じである。

エネルギー、食料品を除くCPI上昇率は前年同月比4.1％と低下が続いている。

住居費は前年同月比7.2％増と、わずかに下がったものの、高水準が続いている。足許では、前月比0.6％増と増勢が強まっている。

サービス業の価格上昇率は5.7％と僅かに低下したものの、高い水準を続けている。労働需要の高いことを反映している（「Topics2023年10月9日(3)　労働需要は依然強い」参照）。

9月の実質時給は、前月比-0.2％、前年同月比で+0.5％となった（Real Earnings News Release）。

※　参考テーマ「労働市場」

9月の物価指数発表を受けて、10月12日、SSAは、2024年の公的年金COLAは3.2％になることを発表した（News Release）。

• 公的年金COLA：3.2％
  
  
• 課税対象所得上限額：$160,200 ⇒ $168,600

予測よりは低いものとなった（「Topics2023年6月15日(2)　2024年COLA予測」、「Topics2023年7月27日(2)　2024年COLA予測(2)」参照）。

昨年に較べれば大きく下がったものの、それでも年金給付額が3％以上伸びるのだから、かなり安心感はある（「Topics2022年10月14日(2)　年金COLA8.7％」参照）。

※　参考テーマ「公的年金改革」

WA州San Juan Countyでは、2023年10月から、約70％の労働者が週32時間勤務に移行した。給与はほぼ変化なしで。その最大の理由は、人手不足とのことだ。

• Countyの予算が厳しい。
  
  
• 職員の1/6が空席。
  
  
• 労組が大幅賃上げを要求。
  
  
• ワーク・ライフ・バランス

上記sourceで紹介されている人物は、

1. Countyのメンテナンス業務
2. YMCA
3. スクールバス・ドライバー（検定中）

と3つの職を掛け持ちしようとしている。

County全体としてうまく運用されるのかどうかは、これから見極めなければならないが、こういう週32時間制もあるのか、とちょっと驚いた。

※　参考テーマ「人事政策/労働法制」