10月18日 2023年PBGC保険料
Source :Premium Rates (PBGC)
10月14日、2023年PBGC保険料が公表された。

Premium Rates

Last Updated: October 14, 2022

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Rate per $1,000 UVBs

Per Participant Cap

2023 $96 $52 $652 $35
2022 $88 $48 $598 $32
2021 $86 $46 $582 $31
2020 $83 $45 $561 $30
2019 $80 $43 $541 $29
2018 $74 $38 $523 $28
2017 $69 $34 $517 $28
2016 $64 $30 $500 $27
2015 $57 $24 $418 $26
2014 $49 $14 $412 $12
2013 $42 $9 $400 $12
2012 $35 $9 N/A $9
2011 $35 $9 N/A $9
2010 $35 $9 N/A $9
2009 $34 $9 N/A $9
2008 $33 $9 N/A $9
2007 $31 $9 N/A $8
※ 参考テーマ「PBGC/Chapter 11
10月17日 年金COLA計算法
Source :Social Security: Cost-of-Living Adjustments (CRS)
上記sourceは、公的年金のCOLAの計算方法についてまとめている。

ポイントは次の3点。
  1. 毎年、7~9月のCPI-W平均値を算出する(「Topics2021年8月14日(1) 公的年金物価スライド率」参照)。

  2. 過去最高のCPI-W平均値(7~9月)と比較する。

  3. 伸び率がプラスの場合は、そのプラス値をCOLAに適用。
    ゼロまたはマイナスの場合は、COLAの適用なし。本年と同額を翌年も支給。
このポイントを、上記sourceで紹介されている実例に基づいて確認する。
  1. 2022年7~9月のCPI-W平均値は、"291.901"。過去最高は2021年7~9月の268.421。その伸び率は8.7%。従って、2023年のCOLAは8.7%(「Topics2022年10月14日(2) 年金COLA8.7%」参照)。
  2. 2009年7~9月のCPI-W平均値は、"211.001"。当時の過去最高は2008年7~9月のCPI-W平均値で"215.495"。従って、2010年のCOLAはなし。2010年の支給額は2009年と同じ。
    翌2010年7~9月のCPI-W平均値は、"214.136"。当時の過去最高は2008年7~9月のCPI-W平均値で"215.495"。これも最高値を下回っているので、2011年のCOLAはなし。支給額は3年連続同額(2009~2011年)。
    翌2011年7~9月のCPI-W平均値は、"223.233"。当時の過去最高は2008年7~9月のCPI-W平均値で"215.495"で、これを上回ったので、2012年のCOLAは"223.233/215.495"で、3.6%。
  3. 自動COLAが定められた1975年以降のCOLAは、次の通り。
  4. それ以前のCOLAは次の通り。
※ 参考テーマ「公的年金改革

10月14日(1) CPI加速が止まらない
Source :High inflation leads to the biggest raise in Social Security in more than 40 years (NPR)
10月13日、BLSは今年9月の消費者物価指数(CPI-U)を公表した(News Release)。前年同月比8.2%の上昇と、8月の8.3%からわずかに低下した。前月比では0.4%増と、足許は再加速している(「Topics2022年9月14日 CPI足許加速」参照)。
エネルギー全体の価格上昇率は前年同月比19.8%と、3ヵ月連続の低下となった。
一方、食料品の価格は、前年同月比11.2%増と8月の11.4%増からわずかに低下したが、加速は続いている。
エネルギー、食料品を除くCPI上昇率は前年同月比6.6%と、上昇率の高まりが続いてる。
住居費も前年比6.6%増と、上昇率の高まりが止まらない。
9月の実質時給は、前月比0.1%減、前年同月比で3.0%減となった(Real Earnings News Release)。
FRBによる大幅利上げは確実なものとなった。

※ 参考テーマ「労働市場

10月14日(2) 年金COLA8.7%
Source :Social Security Announces 8.7 Percent Benefit Increase for 2023 (SSA)
上記のCPIの発表を受けて、同13日、SSAは、2023年の公的年金COLAを公表した。2023年のCOLAは8.7%となり、近年では突出した値となった(SSA COLA)。(「Topics2021年10月15日(1) 2022年年金COLA」「Topics2022年9月15日(3) 年金COLAも上昇か」参照)

また、公的年金保険料(Social Security Tax)の対象所得上限額は$160,200となり、約9.0%の引上げとなった。
公的年金給付が額面が上がり、Medicare処方薬の自己負担上限額は引き下げられる(「Topics2022年10月11日 インフレ抑制法の副作用」参照)。高齢者にとってはちょっと嬉しいかも。 ※ 参考テーマ「公的年金改革

10月14日(3) 労組と生涯所得
Source :Men in unions may make $1.3 million more in lifetime than men not in one, study says (NPR)
上記sourceは、Cornell大学が行なったパネル調査の結果を紹介している。男性の生涯所得について、労働組合に所属していたか、まったく所属していなかったかで分けて分析したものだ。結果のポイントは次の通り。
  労働組合に所属(20~64歳)労働組合不加入差  額
全 体$3.4M$2.1M$1.3M
大 卒$2.16M
(就労期間の半分以上労組に所属)
$2.67M△$0.51M
大卒未満$1.96M
(就労期間の半分以上労組に所属)
$1.5M
(就労期間の半分以下労組に所属)
$0.46M
大卒の場合には、労組不加入の方が生涯所得は高い。というよりも、大卒が望んで就職するような企業は、高賃金で労組なしが多い、ということだろう。

※ 参考テーマ「労働組合」、「人口/結婚/家庭/生活

10月12日 独立契約者定義漸く提案
Source :Labor Department proposal could change gig worker and company rules (NPR)
10月11日、労働省(DOL)は、独立契約者に関する定義について、新提案を公表した(News Release)。バイデン政権になって、独立契約者に関する定義変更は迷走していたが、ようやく提案公表に至った(「Topics2022年3月24日(2) 独立契約者定義迷走」参照)。

パブリックコメントは、10月13日から11月28日の期間で受け付ける。

※ 参考テーマ「雇用政策/労働法制

10月11日 インフレ抑制法の副作用
Source :The New Medicare Part D Out-Of-Pocket Cap Will Have Unintended Consequences. Here’s How To Address Them (Health Affairs)
8月に成立したインフレ抑制法(「Topics2022年8月17日(1) インフレ抑制法成立」参照)では、Medicare処方薬価格の抑制策として、「2025年以降、Medicare加入者の自己負担額は、年間上限額$2,000とする」と定められた(「Topics2022年8月8日 インフレ抑制法案:上院可決」参照)。

現在の仕組みでは、自己負担額が$7,050を超えると、加入者はその後に要する処方薬について、5%を自己負担することになっている(「Topics2021年11月24日 BBB:薬価抑制策」参照)。これが、今回のインフレ抑制法により、自己負担は一律$2,000で頭打ちとなる。

これにより、加入者がより安い価格のジェネリックを利用するといった支出抑制インセンティブがまったくなくなる。Urban Instituteが、一律キャップが$5,000に設定された場合のMedicare Part Dの総支出を試算したところによると、Part D総支出は現行法下に較べて22.3%増加するとなっている。キャップが$2,000ならば、もっと大きな増加幅となろう。
さらに、こうした加入者の行動変化に対応して、製薬会社の最初の値付けが高めに設定される可能性が高まる。

※ 参考テーマ「Medicare」、「医薬品