11月30日(1) Amazon労組再投票命令
Source :Amazon warehouse workers get to re-do their union vote in Alabama (NPR)
11月29日、NLRBの支部長は、Alabama州におけるAmazon集配所で労組を結成するかどうかの投票をやり直すよう命じた(「Topics2021年8月4日 Amazon労組再投票か?」参照)。Amazonが従業員に対して不適切な圧力をかけたと認めたからだ。

Amazonは控訴するものと見られている。決着はまだ先だ。

※ 参考テーマ「労働組合

11月30日(2) 連邦政府職員罰則延期
Source :Biden Administration Delays Vaccine Mandate Penalties Until 2022 (Government Executive)
連邦政府職員は、11月22日までにワクチン接種を完了させるよう求められていた。期限までに完了しなかった政府職員については、
  1. 第1段階:停職14日以内

  2. 第2段階:解職提案
といったペナルティが用意されていた。

しかし、11月29日、連邦政府は、これらのペナルティを執行するのを2022年1月まで延期するとともに、解職提案に入る前の第2段階として「停職15日以上」のペナルティを課すこととした。「解職」をちらつかせることは当面止めようということのようだ。

先に、連邦政府は、『90%超の連邦政府職員がワクチンを接種した』と公表した(「Topics2021年11月23日(3) 連邦政府職員は90%超?」参照)。しかし、これは「少なくとも1回以上接種した」割合であり、当初の政府命令通りに接種を完了した割合は不明だ。少なくとも1割以上が命令違反の状況にある。

こんな状況で停職処分を執行すれば、連邦政府が機能しなくなるのは明白である。バイデン大統領のガバナンス力が問われている。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」、「人口/結婚/家庭/生活

11月25日 MD州立プラン来夏始動
Source :MarylandSaves State-Run Retirement Program to Launch Next Summer (PLANSPONSOR)
Maryland州立退職貯蓄プラン(MarylandSaves)が、来夏、始動する(Press Release)。法案の成立、施行から約6年を経て動き出すことになる(「Topics2016年4月16日 MD州:退職貯蓄プラン法案可決」「Topics2016年6月30日 MD州:退職貯蓄プラン法施行」参照)。

制度の概要は次の通り。
  1. 制度の正式名称は、"Maryland Small Business Retirement Savings Program"。

  2. 運営管理は、Maryland Small Business Retirement Savings Trust Boardが行なう。

  3. MD州の企業は、自ら退職年金プランを提供するか、MarylandSavesに参加しなければならない。

  4. MarylandSavesに参加した企業に、拠出義務、報告義務、管理費用負担等は一切ない。

  5. 参加企業の従業員は、当初は自動的にプラン加入となるが、その後の脱退、資金引き出し、投資先の変更、拠出額等は任意である。また、企業を退職した場合には、プラン口座は据え置かれる。

  6. 従業員拠出金は、先ず、"emergency savings"に積み立てられる。"Emergency savings"は1.4%の保証利率で運用され、特別な運用コストはかからない。

  7. "Emergency savings"の積み立てが終了すると、その後の拠出金は"Target Date Fund (TDF)"に積み立てられる。

  8. 加入者が退職した際、加入者本人が別の選択をしない限り、毎月払いの年金を受け取ることになる。

  9. 公的年金(Social Security)の受給を遅らせ、その代わりにMarylandSavesからの受給を先に始めることができる。公的年金の受給を遅らせることで、公的年金受給額を増額することができる。
最後の公的年金との受給調整が可能となる所は、ユニークな制度だと思う。

※ 参考テーマ「地方政府年金

11月24日 BBB:薬価抑制策
Source :Explaining the Prescription Drug Provisions in the Build Back Better Act (KFF)
下院で可決されたBBB法案には、処方薬価格の抑制策が盛り込まれている(「Topics2021年11月21日 下院BBB法案可決」参照)。現在、医療保険の世界で最も関心が高い分野である。上記sourceでは、法案に盛り込まれている主な施策について解説している。
  1. 連邦政府が製薬会社と直接価格交渉を行なえるようにする。

    1. 交渉対象は、Medicare Part B, Dの処方薬で、高価格のもの。50品目以内。ただし、FDA承認後9年以内(biologicalは13年以内)は除く。

    2. Part Dは2025年~、Part Bは2027年~。Part Dの具体的なスケジュールは下図の通り。

      Figure 1: Timeline for Medicare Drug Price Negotiation, Based on the First Year of Negotiated Price Availability (2025)
    3. 2025年は10品目以内、2026~7年は15品目以内、2028年以降は20品目以内。

    4. 2022~2031年の10年間で、Medicare支出は$78.8B削減できる(CBO推計)。

  2. インフレ率以上の価格上昇分を払い戻す。

    1. Medicare Part B, Dの処方薬で、価格上昇率が物価(CPI-U)上昇率を上回った場合、[Medicaid以外で利用された処方薬単位数]×[上回った価格差]を製薬会社がMedicare基金に払い込む。

    2. Medicaidには、インフレ率以上の価格上昇分を払い戻す制度が既に導入されている。

    3. 2023年から施行。

    4. 2022~2031年の10年間で、財政赤字を$83.6B削減できる(CBO推計)。

    5. 民間保険プランは払い戻しを受けることはできないものの、価格設定が抑制されることでメリットを受けることになる。

  3. Medicare Part Dの自己負担について、上限額を設定する。

    2024年に上限額を$2,000とする。

    Figure 2: Changes to the Medicare Part D Benefit Under the Build Back Better Act
薬価抑制の具体策は実現するのだろうか?

※ 参考テーマ「医薬品」、「Medicare

11月23日(1) 州免除規定が飲み込む
Source :Republicans are changing state laws to try and get out of federal vaccine mandates (NPR)
Kansas州議会では、Iowa州で成立したワクチン接種義務化に関する州法と同様の法案を審議している(「Topics2021年10月31日 IA州:接種拒否者に失業給付」参照)。共和党が主導権を握る州で進められている法案審議の特徴は、『企業の従業員に健康上、宗教上その他の理由で接種免除を求める権利』を強調していることである。

実際、接種免除規定を設けるように要求している州法が増えている。
11月2日時点11月19日時点

Source:State Efforts to Ban or Enforce COVID-19 Vaccine Mandates and Passports (National Academy for State Health Policy)
免除規定が義務化を飲み込もうとしている。企業としてはどんどん困った立場に追い込まれていく。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」、「人口/結婚/家庭/生活」、「政治/外交

11月23日(2) ワクチン接種:民間企業の工夫
Source :Companies are telling unvaccinated workers to pay more for health insurance (NPR)
Delta航空は、ワクチン未接種の従業員に対して、11月から$200の保険料上乗せ負担を求めている。こうした手法は、UT州のスーパーHarmonsJP Morgan Chaseでも採用されている。多少面倒でも効果は上がっているようだ。

一方、非営利の医療サービス提供会社Mercy Healthは、10月半ばから"risk pool fee"を設けた。ワクチン非接種の従業員について、毎月の給与から$60を徴収し、この基金に積み立てることとしている。非接種従業員がコロナに感染した場合の治療費や疾病保証に充てられるのだが、$60に実質的な意味はなく、象徴的なものとしている。それでも接種割合は70%程度から91%に上昇した。この方針によって、数人は退職したものの、従業員の約9%がこの$60を負担しているという。例外的に健康上の理由で接種免除を認めているが、宗教上の理由は認めていないそうだ。

民間企業がこうした自主的な取り組みができるのは、企業独自の健康管理策(wellness programs)が認められているからだ(「Topics2016年5月19日 健康管理策ルール決定」参照)。民間企業の場合は、独自の工夫をしながらも、常に従業員に選択を委ねるというやり方をしてきた。その意味で、バイデン大統領による民間企業のワクチン接種義務化は異質なものである(「Topics2021年9月11日 民間企業接種義務化大統領案」参照)。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」、「人口/結婚/家庭/生活

11月23日(3) 連邦政府職員は90%超?
Source :More than 90% of federal workers have had a shot by today's COVID-19 vaccine deadline (NPR)
11月22日、連邦政府職員のワクチン接種完了期限を迎えた(「Topics2021年10月6日 連邦職員接種免除申請」参照)。
  1. ワクチン接種義務の対象となる連邦政府職員は約350万人。

  2. そのうち90%超の職員が少なくとも1回のワクチン接種を終えた。

  3. 対象者の5%は、接種免除または延期を申請中。

  4. 規則を遵守していない職員については、即刻解職されることはない。今後さらに、教育、助言を提供する。
上記2.の「少なくとも1回の接種」では規則を守ったことにならない。そんな状況で解職に踏み込めば、現場は大混乱だ。バイデン政権は、足許の接種義務化も覚束ない状況だ。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」、「人口/結婚/家庭/生活

11月21日 下院BBB法案可決
Sources : The House passes a $2 trillion spending bill, but braces for changes in the Senate (NPR)
House approves Biden’s social spending plan (Los Angeles Times)
11月15日、バイデン大統領は、いわゆるインフラ投資法案に署名した(The White HousePresidential RemarksFact Sheet)。

これと対をなすのがBBB法案(H.R.5376)である(「Topics2021年11月8日(1) BBB法案投票先送り」参照)。11月19日、連邦議会下院民主党は、ようやく投票にこぎつけ、220 vs 213で可決した(ROLL CALL 385)。民主党の一人が反対票を投じた。

当websiteの関心事項のうち、気付いた点をまとめておく。
  1. 財政規模は$1.75Tから$2.0Tと拡大した(「Topics2021年11月1日(1) BBB計画縮減」参照)。

  2. 拡大子供税額控除の1年延長はそのまま(「Topics2021年11月1日(2) BBB 子供税額控除」参照)。

  3. Medicaid拡充もそのまま(「Topics2021年11月1日(3) BBB Medicaid/ACA」参照)。

  4. 4週間の有給休暇制度(Paid Family and Medical Leave(FMLA/DOL))の創設が復活(「Topics2021年11月1日(4) BBB 有給休暇創設を断念」参照)。

  5. Comunity Collegeの無料化は落ちたまま(「Topics2021年11月1日(5) BBB Community College」参照)。

  6. Medicare Part B & Dが、直接製薬会社と処方薬価格交渉を行なう。また、加入者の年間負担上限を設け、上限額を$2,000とする。
6.のMedicare制度改正案については、当websiteがこれまで気付かなかっただけなのだろう。民主党は、2019年に、同様の法案を提出しており、その際の内容とほぼ同じとなっている(「Topics2019年12月15日 Medicare処方薬価格抑制法案」参照)。

同法案は、上院に回付され、審議されることとなるが、そのスケジュールは不透明だ。相変わらず上院民主党の2人の議員(Krysten Sinema of ArizonaJoe Manchin of West Virginia)が内容に合意していないからだ。特に、Manchin上院議員は、上記4.の4週間の有給休暇制度創設に対し、明確に反対を唱えている。

※ 参考テーマ「政治/外交」、「人口/結婚/家庭/生活」、「無保険者対策/州レベル」、「無保険者対策/連邦レベル」、「FMLA」、「教 育」、「Medicare