5月19日(1) NC州選挙区割り一転合憲
Source :Is drawing a voting map that helps a political party illegal? Only in some states (NPR)
North Carolina州(NC)の選挙区割りの正当性が大きく揺れている(Moore v. Harper)。

連邦最高裁は、2019年6月に、州の選挙区割りの公平性を連邦最高裁が判断することはない、政治的課題であるとの判決を示した(「Topics2019年6月29日 最高裁:ゲリマンダリング判断不能」参照)。この判決の対象となった一つが、NC州区割りに関する係争であった。

その後、NC州議会は、2019年11月、選挙区割り修正案を決議した(「Topics2019年11月19日 NC州:選挙区割り修正案」参照)。

2020年センサスの結果、NC州の連邦下院議席が一つ増え(「Topics2021年4月27日 センサス結果第1弾」参照)、州議会多数を握る共和党主導の選挙区割り案が定められたが、州最高裁から却下された(「Topics2022年2月7日 NC州選挙区案却下判決」参照)。これを不服とするNC州共和党は連邦レベルでの訴訟を起こしたが、連邦最高裁は介入拒否の考え方を貫いた(「Topics2022年3月14日 NC/PA州選挙区割りに判決」参照)。

ところが、NC州最高裁判事の交代で保守派判事が多数を占めると、州議会共和党の要請によって再審が行なわれ、共和党主導の選挙区割り案が承認された。

連邦最高裁とは異なり、州最高裁判事は頻繁に入れ替わる。その度に選挙区割りが左右されるということになると、政治的安定が損なわれる可能性が高い。いくら政治の原点は州あるとはいえ、大統領や連邦下院議会議員の選挙の問題である。選挙区割りの公平性を保つために、全米共通の基準を設けるべきではないだろうか。

※ 参考テーマ「政治/外交

5月19日(2) 2024年HSA拠出限度額
Source :IRS Announces 2024 Limits for Health Savings Accounts, High-Deductible Health Plans and Excepted Benefit HRAs (McDermott Will & Emery)
IRSが、2024年のHSAs等の拠出限度額を公表した(「Topics2022年10月21日(2) HSA/FSAのCOLA」参照)。
HEALTH AND WELFARE PLAN LIMITS 2023 Δ 2024
HDHP ・Maximum annual out-of-pocket limit (excluding premiums)
Self-only coverage $7,500 $8,050
Family coverage $15,000 $16,100
HDHP ・Minimum annual deductible
Self-only coverage $1,500 $1,600
Family coverage $3,000 $3,200
HSA ・Annual contribution limit
Self-only coverage $3,850 $4,150
Family coverage $7,750 $8,300
Catch-up contributions (ages 55 and older) $1,000 = $1,000
Excepted Benefit HRA
Annual contribution limit $1,950 $2,100


※ 参考テーマ「HSA

5月19日(3) 在宅勤務制度の存在感
Source :In-person work still popular, iHire survey finds (HR Dive)
先に、『一定割合の在宅勤務は続いている』と紹介した(「Topics2023年5月17日 在宅勤務の経済的影響」参照)。この在宅勤務に関して、興味深いアンケート調査結果(iHire)が紹介されている。調査対象は、就職/転職活動をしている人達である。
  1. 望ましい勤務形態は、出勤、在宅、ハイブリッドでほぼ1/3ずつに分かれる。
  2. 年齢別に見ると、出勤を望む人の中で若い世代の割合が高く、逆に在宅勤務希望では50歳以上の割合が高い。
  3. 職探しの際に重視するポイントを聴くと、在宅勤務の選択肢があることが4位に挙げられている。
  4. 最も重視するポイントを一つに絞ると、年金、医療保険などのベネフィットを大きく引き離して、3位に浮上する。
在宅勤務のオプションは、極めて重要な労働条件として、その存在感を高めている。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」、「Flexible Work

5月17日 在宅勤務の経済的影響
Source :A lot of offices are still empty - and it's becoming a major risk for the economy (NPR)
コロナ禍の緊急事態宣言は終了したが、一定割合の在宅勤務は続いている。継続してみている統計によれば、今年4月1日現在の在宅勤務率は28.4%(「Topics2023年2月20日 Disney週4日出勤要請」参照)。

The Working From Home Research Project
こうした状況を受けて、オフィスの空室率は18.6%(2023年第1四半期)と徐々に上昇している。

CUSHMAN & WAKEFIELD
また、大都市に限って見ると、オフィス稼働率は49.3%(2023年5月10日時点)と、50%を切って徐々に低下し続けている。

KASTLE
こうした状況から、先行きが危ぶまれる産業が出てきている。
  1. 先ずは、不動産業だ。貸しオフィスからの賃貸料が減少する。そうなると、借入金の利払い、返済に障害となる。ただでさえ、政策金利が急速に引き上げられている中、財務状況が厳しくなることが予想されている(「Topics2023年5月5日(3) 再びインフレ抑制優先」参照)。

  2. 次に、こうした不動産業に融資している金融業が厳しくなる。不動産融資は地方の中小銀行の主力であることから、地方の金融業への懸念が広がっている。

  3. オフィス街の小店舗も厳しい。飲食業、靴修理、コンビニなどの売上が大きく減少することは、想像に難くない。

  4. 最後に、こうしたビジネスから税収を得ている地方自治体の収入に影響が及ぶ。
在宅勤務の影響が及ぶ範囲は結構広い。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」、「Flexible Work

5月14日 公的年金に投資基金創設案
Source :Republican Sen. Bill Cassidy wants to save Social Security. Will Washington let him? (NPR)
公的年金改革に静かに取り組んでいる、共和党上院議員がいるそうだ。Sen. Bill Cassidy (LA)は、次のようなアイディアを持って、上院議員を説得して回っている。 具体的な現行制度の変更には言及していないが、むしろ様々な提案と議論が行われることを期待しているという(「Topics2023年2月1日(2) 公的年金改革法案提出」参照)。

その相棒となっているのがSen. Angus King (ME)で、独立派(I)ではあるが、民主党会派に所属している。民主共和両方の上院議員により、公的年金改革に関する議論の場を作ろうとしているのだろう。

※ 参考テーマ「公的年金改革

5月11日 CPI伸び率水準高い
Source :Inflation stayed high last month, compounding the challenges facing the U.S. economy (NPR)
5月10日、BLSは4月の消費者物価指数(CPI-U)を公表した(News Release)。前年同月比4.9%の上昇と、僅かな低下にとどまった。全品目よりもコアの伸び率が高止まりしていることが気になる。他方、足許については、前月比では+0.4%と、再び勢いを回復してしまった感じだ。(「Topics2023年4月13日 CPI上昇率は低下」参照)
エネルギー全体の価格指数は、前年同月比で伸び率はマイナス5.1%の伸びとなり、価格低下が続いている。
食料品価格の伸び率は前年同月比7.7%増と、水準は低下してきたものの、依然として高い伸び率となっている。
エネルギー、食料品を除くCPI上昇率は前年同月比5.5%と、同じ水準の伸び率が続いている。
住居費は前年比8.1%増と、上昇率の高まりが止まらない。
サービス業の価格上昇率は高い水準を続けている。
4月の実質時給は、前月比0.1%、前年同月比で-0.5%となった(Real Earnings News Release
FRBの利上げ判断は正しかったと言えよう(「Topics2023年5月5日(3) 再びインフレ抑制優先」参照)。しかし、労働者サイドからすれば、実質賃金を確保するためにさらに賃上げ、転職を求める理由は健在である。

※ 参考テーマ「労働市場