11月30日 企業年金 ESG投資を是認
Source :DOL final rule allows ESG to factor in employer-sponsored retirement plans (HR Dive)
11月22日、労働省(DOL)は、企業提供退職所得プランの投資決定に関して、ESGを考慮することを認めるとの規則を公表した(News Release)。トランプ政権時代に、高い収益が見込める投資であっても、ESG関連投資に慎重であるべきとのルールを訂正した形だ。

本件は、2021年5月のバイデン大統領令に基づく見直しであり、一応既定路線ではあった(「Topics2021年6月17日(2) 気候変動とERISA」参照)。

連邦法に登録されてから60日後に発効する。

※ 参考テーマ「企業年金関連法制」、「受託者責任」、「DB/DCプラン

11月29日 Respect for Marriage Act採決へ
Source :Congress considers codifying same-sex marriage after long battle for gay rights (NPR)
連邦議会上院は、いよいよ今週、"Respet for Marriage Act(H.R.8404)"の採決を行なう見通しとのことだ(「Topics2022年11月21日(1) Respect for Marriage Act進展」参照)。共和党議員の一部が賛成に回るとのことなので、可決したのち、下院で再採決した後、バイデン大統領の許に送付されることになるのだろう。

上記sourceによれば、同性婚は国民の70%以上の賛成を得ている(「Topics2022年6月3日(2) 同性婚の支持率上昇」参照)。また、共和党支持者の間でも55%が賛成しているという。

連邦法の制定により、同性婚が社会に定着する確率は相当高まることになる。

(11月30日追記)

11月29日、連邦議会上院は、"Respet for Marriage Act(H.R.8404)"を可決した(NPR)。61vs36であった(Roll Call 362)。

※ 参考テーマ「LGBTQ」、「人口/結婚/家庭/生活

11月24日 学生ローン返済停止再延長
Sources : With student loan relief tied up in court, Biden extends repayment pause into 2023 (NPR)
Student Loan Pause Could Cost $275 Billion (Committee for a Responsible Federal Budget)
学生ローン返済停止措置が、まさかの再延長となった。

今年8月に、バイデン政権は学生ローン返済免除を決定、公表した(「Topics2022年8月25日 学生ローン返済免除」参照)。ところが、その後、2つの訴訟が起こされ、現在、一つはテキサス州連邦地方裁で、もう一つは連邦控訴裁判所で、返済免除措置執行の仮差止判決が出ている。バイデン政権は、連邦最高裁に対して、これら下級審判決の見直しを求めた。

これらの司法闘争と並行して、11月22日、学生ローン返済停止措置の再延長を公表したのである。現在は、返済停止措置は、2022年12月31日で終了となっている。これを、 まで延長すると発表したのである(US Department of Education)。

これに早速噛みついたのが、Committee for a Responsible Federal Budget(CRFB)である。CRFBは、以前から、学生ローン返済停止、免除に対して批判的な意見を発表してきた(「Topics2022年8月18日(4) 学生ローン返済とIRA」参照)。主張のポイントは次の通り。 学生ローン負債を抱えている人達にとっては、気の休まらない日々が続いている。

※ 参考テーマ「教 育

11月21日(1) Respect for Marriage Act進展
Source :Senate advances bill to protect same-sex marriage in federal law (Washington Post)
11月16日、連邦議会上院は、"Respet for Marriage Act(H.R.8404)"の審議を打ち切る決議(Roll Call #356)を、62vs37の多数で可決した。12人の共和党上院議員が賛成票を投じたことで、本法案の成立の可能性が高まった。 6月24日に、連邦最高裁がRoe v. Wade判決を覆す判決を下したことを踏まえ、同じく連邦最高裁判決を成立根拠とする同性婚(same-sex marriage)は連邦法で保護するとの政治的意思を表明することが、本法案の背景にある(「Topics2015年6月27日 最高裁判決:同性婚は基本的権利」「Topics2022年6月27日 Roe判決無効と企業対応」参照)。

本法案のポイントは次の通り。
  1. 同性婚が有効である州で結婚したカップルは、何処の州でも結婚していると見做される。

  2. "1996 Defence of Marriage Act"を廃止する(「Topics2004年8月25日 DOMAの合憲性」参照)。

  3. 連邦政府が一夫多妻制を認可することを認めない。

  4. 非営利宗教団体は、結婚サービスの提供を義務付けられない。
上記sourceでは、11月17日にも上院本会議で可決される見通しとされているが、21日現在、可決はされていない。

さらに、既に下院は7月に可決しているが、今回の上院審議で修整が加えられているため、改めて下院で可決する必要がある。

※ 参考テーマ「LGBTQ」、「人口/結婚/家庭/生活

11月21日(2) NY市食事配達員最賃設定案
Sources : New York City, Once a Minimum Wage Leader, Now Lags Behind (New York Times)
NYC proposes $23.82 hourly delivery worker wage by 2025 (HR Dive)
最低賃金水準については、$15/hが一つのターゲットになっている。州レベルでは、Washington, D.C.とCalifornia州で$15/hを超える(「Topics2022年6月15日 最低賃金$15超え」「Topics2022年5月15日 CA州:最低賃金引き上げへ」参照)。Hawaii州も、2028年までに$18/hまで引き上げることが決まっている(「Topics2022年7月7日(1) HI州最低賃金$18/hへ」参照)。

また、都市レベルでも、$15/h超が実現する。 NY州、NY市は、かつては最低賃金$15/hのトップを走っていた(「Topics2016年4月7日(2) NY州も最低賃金$15」参照)。引き上げスピードでも、CA州を上回っていた(「Topics2016年4月7日(1) CA州:最低賃金$15」参照)。ところが、現時点では、他の地域に後れを取っている。これは、物価スライドを導入しなかったからだ。

そこで、NY市は、底上げを図るべく、11月16日、食事配達員(food delivery workers)の最低賃金を設定する提案を公表した。配達員の最低賃金を設定するのは、全米初の試みになる。ポイントは次の通り。
  1. NY市の食事配達員の最低賃金を、$23.82/hに引き上げる。

  2. その内訳は、
    1. ベースライン:$19.86(NY市のタクシー運転手と同等)
    2. 装備費用充填分(e-bike):$2.26
    3. 保険非加入見合い:$1.70

  3. 2023年1月~ $17.87/h

  4. 2024年4月~ $20.25

  5. 2025年~ $23.82/h
※ 参考テーマ「最低賃金