4月20日 州政府退職者で百万長者も
AEI
Source : | Public Pension Millionaires (National Center for Policy Analysis) |
上記sourceでは、AEIが行った州政府公務員年金に関する推計("Not So Modest: Pension Benefits for Full-Career State Government Employees")のポイントを紹介している。やはり、州政府年金の受給者は、相当恵まれている。
- The American Federation of State, County and Municipal Employees (AFSCME)は、平均的なメンバーの年金受給額は$19,000/Yに過ぎないと説明している。
- しかし、この金額は、短期間勤務の者も含めた数字であり、退職まで勤め上げた公務員(full-career public employees)だけで集計すると、$36,131/Yという恵まれた数字が現れてくる。
- ただし、州により年金制度が異なる(連邦公的年金を含むかどうか、COLAの方法、等々)。
- そこで、退職まで勤め上げた公務員(full-career public employees)の連邦公的年金を含めた年金額を推計したところ、平均的な州政府退職者の年金額は、民間の常勤社員の給与の72%超となる。
- また、退職期間中に受け取る年金給付総額は、平均で$768,940となり、州によっては$1Mを超えるところも出てくる。
- さらに、所得代替率の平均は87%であり、一般的な代替率目標の70%を大きく上回っている。
※ 参考テーマ「地方政府年金」
Source : | Obama Says Young Adults Push Health Care Enrollment Above Targets (New York Times) |
4月17日、Obama大統領は、『Exchangeを通じて保険加入手続きを終えた者は800万人に達した』と述べた。
また、年齢構成についても一部公表した(FACT SHEET)。2月までの集計に比べ、最後の3月はよくがんばったと言える(「Topics2014年3月13日 加入者数の増勢つかず」参照)。特に、18〜34歳の構成比は明らかに高まっている。さて、最終的な仕上がり(真の加入者数)と無保険者割合(数)がはっきりしたところで、次は2015年の保険料に注目が集まる。保険会社の保険料申請はもうすぐである(「Topics2014年3月23日 2015年の保険料は?」参照)。
- 35歳以下の構成比は、35%
- 18〜34歳の構成比は、28%
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」
Source : | Census Survey Revisions Mask Health Law Effects (New York Times) |
無保険者割合に関する公式統計は、センサス調査(Current Population Survey)が集計している。当websiteでも紹介している(「Topics2013年9月20日 無保険者割合は微減」参照)。
その無保険者に関する調査方法が改善される予定、とのことである。具体的には、インタビュー時の保険加入に関する質問を次のように変更する。昨年のプレ調査で算出された無保険者割合は、
- 従 来:『前年、いつかの時点で何らかの保険に加入していましたか』
- 変更後:『現時点で保険に加入していますか』と質問した後、質問を続けることで、保険加入がいつで、何ヵ月間加入し続けていたかを確認し、15ヵ月間にわたる加入履歴を割り出す
と、変更後の調査方法の方が、無保険者割合が低く出やすい。これは、インタビュー対象者が前年の保険加入について正確に記憶している訳ではない、ということが一番の理由だそうだ。特に、所得の変動でMedicaid加入資格が左右されるため、Medicaidを出たり入ったりすることがよく起きる。その出入りを正確に記憶していない場合が多いそうだ。
- 従 来:12.5%
- 変更後:10.6%
これで、より正確な無保険者割合が算出されるということはいいのだが、一方で次のような問題が生じる。とすると、本格始動したPPACAにより無保険者割合がどうなったのか、その政策効果を分析することができなくなってしまうのである。調査当局は、『偶然の出来事』と説明しているそうだが、Obama大統領の第1期最大の政策課題について、その効果が分析できないというのは、Obama政権・民主党にとっても共和党にとっても拍子抜けであろう。
- データに断絶が生じる。
- 初年度のデータの信頼性を確認するため、9月予定の調査結果発表に無保険者割合は含まれない可能性が高い。
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」
Source : | Detroit fire, police retirees association reaches deal with city to restore pension benefits (Pensions & Investments) |
Detroit市の再建計画のうち、消防・警察職員年金の見直し計画は、(経緯はわからないが)次のように変更されている模様だ(「Topics2014年2月24日 Detroit市:年金給付カットを提案」参照)。○ Detroit Police & Fire Retirement Systemの給付カット率 : 14%(早期妥結なら6%)これに対し、15日、市当局と消防・警察退職者連盟(Retired Detroit Police and Fire Fighters Association)は、次の内容で合意した。
再建計画よりは市当局が譲歩した形で妥結したことになる。既に受給権が確定した給付は削れなかったということなのだろう。
- 給付カット率:0%
- COLA:1%
消防・警察退職者連盟は、これから会員の投票により妥結内容の承認を得なければならない。また、消防・警察の現役職員や、一般職員プランの交渉は続いている。
※ 参考テーマ「地方政府年金」
Source : | Social Security stops trying to collect on old debts by seizing tax refunds (Washington Post) |
4月14日、SSAは、10年以上昔に発生した債務の徴収について、一切中止する旨発表した。
2008年の立法で、それまで徴収対象とする債務は10年以内と制限していたのを取り下げ、10年以上も徴収対象とした。これを受け、財務省は、Social Securityに関する債務がある場合、連邦税の還付から当該債務額を差し引く手続きを開始した。上記sourceによれば、財務省が税還付から差し引いた金額は1年間で$2Bにのぼり、そのうち$75Mは、10年以上前の債務に起因するものであった。
ところが、この税還付から差し引く手続きが不透明な事例が相次いだ。例えば、などである。
- 親が年金の過払い等で債務を負い、その親が死去しているにもかかわらず、子供の税還付から差し引かれている
- 税還付から債務等を差し引く旨の通知がない
連邦議会もこれには反応したため、SSAはとにかく10年以上経過した債務について徴収しないという、2008年以前のルールに戻したのである。
親の債務を子が払うべきかどうかは議論があるだろうが、こうした手続きが可能になるのもSocial Security Numberがあるからである。やはり、SSNは社会保障のためのインフラとして不可欠である。
※ 参考テーマ「公的年金改革」
Source : | 'Pay Secrecy' Policies At Work: Often Illegal, And Misunderstood (NPR) |
4月8日、Obama大統領は、報酬の男女格差是正を宣言した。その裏打ちとして、2つの命令を発出している。アメリカ企業において、従業員に対して報酬の話をすることを禁じている企業は多いそうだ。従業員ハンドブックに記載されている場合もある。このこと自体は、もともとNLRAで禁じられているが、罰金が少ない、適用される事業主が限定されている、人事部などの所属従業員は適用外など、法の効果が限られている。
- Advancing Pay Equality Through Compensation Data Collection(Presidential Memorandum)
DOLに対し、連邦政府請負契約企業の報酬に関する詳細情報を収集するよう命じる。
- Non-Retaliation for Disclosure of Compensation Information(Executive Order)
連邦政府請負契約企業に対し、報酬に関する情報を話した当該企業従業員への処罰を禁じる。
そこで、上記大統領令により、少なくとも請負契約企業に関しては徹底しようという訳だ。
それはそれで結構なのだが、大統領令では法的な安定性が確保できない。連邦議会と一緒に制度を動かせない大統領は厳しい。
※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」
Source : | Here are the biggest problems for Obamacare’s next leader (Washington Post) |
10日、HHSのSebelius長官は、上院での議会証言で、Exchangeの加入者は750万人に達したと述べた(POLITICO)。もちろん、最初の保険料を払い込んだ真の意味での加入者数や、年齢構成などはまだ明らかになっていない。
これを最後に、Sebelius長官は退任する。思い返せば、就任時は本命視されていたTom Daschle元上院議員の指名辞退を受けて急遽指名されたものの、自身のスキャンダルも明らかになり、Obama政権発足から3ヵ月以上もたってようやく長官に就任した(「Topics2009年4月29日(1) HHS長官承認」参照)。また、その後のPPACA法案を巡る議論、本格施行までの準備期間、加入申請開始時のwebsiteのトラブルと大変な時期に長官職を務め、結果的には主要閣僚の中で最も長い期間、Obama大統領に仕えたことになる。
その成果に対する評価は別にして、真面目に政策に取り組み続ける姿勢は極めて真摯であり、政治家としては立派だと思う(「Topics2009年3月1日(1) HHS長官指名」参照)。
次期長官候補としては、11日、Sylvia Mathews Burwell氏が指名されている。同氏がHHS長官にすんなり就任できたとしても、依然として大きな課題が残されている。上記sourceは、新長官を待ち受ける5つの課題を紹介している。当websiteでも何度も紹介している通り、5.の課題は重要である。
- PPACAを巡る政治環境は依然として厳しい。
- Exchange申請の窓口となるHealthCare.govの技術的に解決すべき課題は山積みである。
- 中間選挙直後に始まる2015年加入申請(11月15日〜2015年2月28日)の準備をしなければならない。
- 依然としてMedicaid拡充を実施していない州が多数残されている。
- 来年の保険料を抑制しなければならない
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」
Source : | A Proposal to Radically Simplify Student Loan Payments (Businessweek) |
当websiteでは何度か学生ローンの負担の重さを紹介しているが、その実態はやはり大変そうだ(Sacramento Bee)。学生ローンのお世話にならずに働き出した若者は、当初から可処分所得が高くなり、貯蓄も始められる。結果、貧富の格差が生じることにもなる。
- 全米で約3,700万人が、総額$1Tのローン残高を抱えている。
- 毎年2,000万人が大学に進学するが、そのうち約1,200万人が学生ローンを利用する。
- 4年制大学を卒業すると、平均$26,000〜29,000の残高を抱える。
- 35歳以下の家計の約40%は学生ローンを抱えている。
- 学生ローンを抱えていない家計のネット所得(2009年、中位数)は$117,700なのに対し、学生ローンを抱えている家計のネット所得は$42,800にしかならない。
このように学生ローンの負担が重くなっているとの認識が広がる中、学生ローンに関する6つの団体が共同で、学生ローン返済方法を単純化するよう提案を行なっている。免除をどの程度にするかは議論があるだろうが、@所得水準に応じた返済、A天引き制度の利用、B生活に必要な部分を留保、という諸点で、メリットがあると思われる。
- 現 状
- 基本形:卒業から6ヶ月後、10年間の返済計画に沿って返済開始。
- 返済金額が高すぎる場合 ⇒ 6つの選択肢が用意されている。
- 月当たりの返済額を小さくし、25年間で返済する。
- 当初の返済額を小さくし、後になるほど返済額を大きくして10年間で返済する。
- さらに、負債総額、資格の有無、返済期間などに応じて4通りの選択肢
- 提 案 : "auto-IBR (income-based repayment)"
- 基本形:給与の一定割合を天引きにして返済するとともに、一定額を免除する。
- 例 示
- 年間所得$25,000を超える部分の18%
- 年間所得$10,000を超える部分の10%
※ 参考テーマ「教 育」
Sources : |
Data uncover nation’s top Medicare billers (Washington Post) Sliver of Medicare Doctors Get Big Share of Payouts (New York Times) |
HHSから、Medicare診療報酬の支払先に関する詳細な情報が公開された。制度開始以来、最も詳細な情報公開とのことである。
上記sourcesから、いくつか象徴的な数字を拾ってみる。不正があるのではないか、との疑いから、受取額上位10人の医師への支払いについては再調査が行われているそうだ。そういうことにあるから全米医師会(AMA)は反対してきたのだが、今回、いよいよ抗し切れなかったようだ。
- Medicareに関わる医師は88万人、Medicare診療報酬の総額は$77B(2012年)。
- 約2%の医師が総額の約1/4、$15Bを受け取った。
- 1/4の医師が総額の3/4を受け取った。
- 4,000人近い医師が、各$1M以上を受け取った。
- 一人の医師の受取額の最高は、$18.1M。
もちろん、情報公開は悪徳医師を炙り出すことだけが目的ではなく、医療の標準化、無駄な検査や投薬はないか、といった効率化の議論のための素材提供である。公表直後は、上記のような話題が多くなりがちだが、今後、研究者たちが様々な観点から分析を行うことになると思う。
そして、何より学ぶべきことは、公的負担で賄われているMedicareについては情報公開を徹底すべき、というアメリカ社会の決断である。日本の場合、全ての保険診療は公的負担で賄われているのである。
※ 参考テーマ「Medicare」
Source : | New York Might Drive Its ObamaCare Exchange Premiums Up Another 30 Percent (National Center for Policy Analysis) |
NY州立Exchangeで、加入資格があると判定された者のうち、実際に保険加入にまで至った人は半数しかないとのことである。その要因は、利用できる医療機関のネットワークが極めて限定されていることにあると見られている。
そこで、NY州政府当局は、ネットワーク外の医療機関で受診することも認めるよう、保険会社に義務付けることを検討しているそうだ。しかし、ネットワークの絞込みは保険料を抑制するための手段であり、それを緩めなければならなくなるとすると、保険料は30%程度引き上げざるを得なくなるという(「Topics2014年3月1日 ネットワーク絞込み有益論」参照)。
連邦政府も、ネットワークに含まれる医療機関を増やすよう要請している(「Topics2014年2月10日 ネットワーク拡大要請」参照)。
このように、連邦政府・州政府からアクセス拡充の要請があるとすると、保険会社は何らかの対応をせざるを得なくだろう。その際、保険料引き上げがどこまで認められるのか。州政府も厳しい選択を迫られることになる。
※ 参考テーマ「無保険者対策/NY州」、「無保険者対策/連邦レベル」、「医療保険プラン」