1月30日(1) IL州有給休暇法案成立へ
Source :Looking Ahead to 2024: Illinois to Require Paid Leave for Any Reason (Smith, Gambrell & Russell, LLP)
1月10日、Illinois州議会は、the Paid Leave for All Workers Act (Senate Bill 208 (SB208))を可決した。同法案のポイントは次の通り。州知事は、法案可決を歓迎するコメントを発出しており、成立することは間違いない。
  1. 施行日は、2024年1月1日。

  2. 一部の雇い主(教育機関等)を除いて、すべての事業所の従業員が対象となる。

  3. 賦与される有給時間数は40時間/Y。

  4. 有給休暇取得の理由は問わない。
有給休暇取得の理由を問わないとする州は、3つ目だそうだ。

(3月15日追記)

3月13日、IL州知事が上記法案に署名し、同法は成立した(McGuireWoods)。

※ 参考テーマ「FMLA

1月30(2)日 Tec大企業の解雇手当
Source :Here are the layoff severance packages Google, Microsoft, Amazon and other tech giants have promised (CNBC)
IT企業のレイオフが拡大している(「Topics2022年11月16日(1) ITのレイオフ急増」参照)。Layoffs.fyiの集計によれば、2022年に入ってから、20万以上がレイオフされた(NPR)。

Layoffs.fyi
中でも、Meta, Google, Microsoft, Amazonの大規模レイオフが目立っている。現時点で、Appleだけは大規模レイオフを実施していない。

Layoffs.fyi
今の大規模レイオフの理由として、次のような点が挙げられている。
  1. コロナ禍の間、大量採用を行なった。

  2. 高インフレの継続とそれに対する金融引き締め

  3. 景気後退懸念
そのITトップ企業の解雇手当パッケージについて、上記sourceは紹介している。 解雇手当パッケージの内容は様々だが、医療保険が含まれているのがアメリカらしい。

※ 参考テーマ「解雇事情/失業対策

1月27日(1) Walmart最賃引上げ
Source :Walmart to raise hourly wages (HR Dive)
1月24日、Walmartは社内の最低賃金を$14/hに引き上げると発表した(「Topics2021年2月19日(2) Walmartの賃上げ」「Topics2021年10月30日(1) 小売り飲食が賃上げ」参照)。初任給の水準は、$12~18/hから、$14~19/hに引き上げられる。これらにより、平均賃金は$17.50/hになるとのこと。

併せて、新たな大学教育プログラムも開始する。

大方の州の最低賃金はクリアできるが、それだけでは人手が確保できない状況が見えてくる。

※ 参考テーマ「最低賃金

1月27日(2) Exchange加入登録過去最高
Source :More than 16 million people bought insurance on Healthcare.gov, a record high (NPR)
2023年のExchange加入手続きは、今年1月15日に終了した。州立Exchangeの加入手続きは続いているところもある。

1月25日、CMSは、現時点での2023年Exchange加入者の暫定集計を公表した(CMS Press Release)。ポイントは次の通り。
HealthCare.gov州立Exchange合  計
再加入者9,203,4673,499,91412,703,381
新規加入者3,000,155602,9123,603,067
合  計12,203,6224,102,82616,306,448
合計1,600万人超の加入登録は、史上最高とのことである(「Topics2022年3月25日(1) Exchange加入者急増」参照)。

これだけ増加した要因として、上記sourceは2点を挙げている。
  1. 加入者の負担が軽減されていること

  2. "Navigators"の設置により、加入者手続きの緩和を図っていること
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/州レベル全般

1月27日(3) Medicaid加入者大幅減の可能性
Source :6.8 million expected to lose Medicaid when paperwork hurdles return (NPR)
コロナ禍のもと、Medicaid & CHIPの加入者は約2,000万人増加し、全部で9,090万人となっている。その要因は、もちろん、連邦政府による負担増もあるのだが、もう一つ、"continuous enrollment"という制度上の緊急避難措置が挙げられる。

2020年3月に成立した"Families First Coronavirus Response Act"により、連邦政府がMedicaid負担を増やす代わりにMedicaid加入者の資格確認を禁じている(「Topics2022年9月15日(1) 無保険者割合最低に(2)」参照)。ところが、昨年12月に成立した大型歳出法案で、2023年3月31日をもって"continuous enrollment"が廃止されることとなった。

これにより、提出資料に基づく加入資格の確認過程が復活することになる。Kaiser Family Foundationの推計では、これに伴って500~1,400万人がMedicaidに加入できなくなるとされている。連邦政府のHHSでも、加入資格があるにもかかわらず加入できない人は680万人にのぼると予測している。

折角、Exchangeで新規加入者が360万人増えても、Medicaidに加入できない人が大量に出てくれば、無保険者割合が上昇する可能性がある(「Topics2022年1月27日(2) Exchange加入登録過去最高」参照)。

※ 参考テーマ「無保険者対策/州レベル全般

1月26日(1) 景気後退がやってくる?
Source :A recession might be coming. Here's what it could look like (NPR)
上記sourceでは、景気後退の懸念が高まっていることを紹介している。その最大の要因は、FRBの緊縮政策のステップアップが予想されていることである(「Topics2023年1月13日(1) CPI高水準継続」参照)。

しかし、景気後退は、"Recession"ではなく、"recession"で済むだろうとの予想も紹介している。その理由は、労働市場における旺盛な労働需要である(「Topics2023年1月7日 労働市場は依然過熱状態(2)」参照)。

※ 参考テーマ「労働市場

1月26日(2) FPL引き上げ
Source :2023 federal poverty levels can impact ESR affordability (Mercer)
1月19日、2023年の貧困ガイドライン(poverty guidelines)が公表された。Federal poverty level(FPL)は、約7.3%引き上げられている。

公的年金COLAより、少し低い水準にとどまっているようだ(「Topics2022年10月14日(2) 年金COLA8.7%」参照)。

※ 参考テーマ「人口/結婚/家庭/生活

1月26日(3) WA州FMLP保険料
Source :Washington Paid Family Medical Leave Program’s Premium Rate Increased for 2023 (JacksonLewis)
Washington州(WA)は、Washington Paid Family & Medical Leave Program(FMLP)の保険料を、0.6%から0.8%に引き上げた。

課税対象となる所得の上限は、Social Securityと同じ、$160,200である(「Topics2022年10月14日(2) 年金COLA8.7%」参照)。従業員50人以上の企業は、保険料総額の27.24%以上を負担することとなっている(=従業員負担は72.76%以下)。従業員50人未満の企業は、企業負担義務はないが、従業員負担分を源泉徴収し、納入する義務を負う。もちろん、全額企業が負担しても構わない。

※ 参考テーマ「FMLA

1月26日(4) 各州FMLP保険料
Source :Get Ready for State-Mandated Disability and Paid Family & Medical Leave in 2023 (foreword)
上記sourceで、FMLPを実施している各州の保険料一覧が掲載されている。もちろん、上記のWA州も掲載されている。

Paid Family & Medical Leave

State2023 Premiums2023 Notice Updates
California Paid Family Leave (PFL)*Funded by EEs: 0.9% of wages, up to $153,164, for both DI & PFL* Display mandatory poster (no 2023 updates)
* Provide brochure to new hires, when an EE is eligible, & upon EE’s request (no 2023 updates)
Connecticut Paid LeaveFunded by EEs: 0.5% of wages, up to $160,200* Effective 7/1/22, provide notice to EEs at hire & annually thereafter (last updated 5/22)
Massachusetts Paid Family and Medical LeaveFunded by EEs & certain ERs: 0.63% of wages (0.318% for ERs with fewer than 25 covered individuals)
For additional details, see the official MA FPML website.
* Display updated 2023 required poster
* Provide notice within 30 days of hire (model notice updated for 2023)
* Notify employees of updated rates 30 days in advance of change (model notice updated for 2023)
New Jersey Family Leave Insurance (FLI)Funded by EEs: 0.06% of wages, up to $156,800* Display mandatory poster (last updated 4/19)
* Provide FLI informational handouts at hire, upon request, and when an EE requests an FLI leave (last updated 1/22)
New York Paid Family Leave (PFL)Optional EE Deduction: 0.455% of wages (max annual contribution of $399.43) to offset the cost of mandatory PFL insurance* Post notice of compliance (provided by employer’s DBL/PFL carrier)
* Include PFL information to EEs (model language for employee handbooks & other written materials updated for 2023)
Rhode Island Temporary Caregiver Insurance (TCI)Funded by EEs: 1.1% of wages, up to $84,000, for both TDI & TCI* Display required combination poster
Washington State Paid Family and Medical Leave0.8% of wages, up to $160,200 (ERs with 50+ WA-based EEs must pay at least 27.24% of the premium)* Display updated 2023 mandatory poster
* Provide optional paystub insert with 2023 rates
* Provide notice to employees who are taking qualifying leave (last updated 3/21)
Washington, D.C. Paid Family Leave (PFL)Funded by ERs: 0.26% of wages with no maximum (effective since 7/1/22)* Display the updated mandatory notice (updated annually in October and required to be posted no later than the following February)
* The notice must also be provided to EEs upon hire, annually, & when PFL is needed
Paid Leave Oregon**
Benefits begin in September 2023
1% of wages, up to $132,900 (EEs pay 60% of the premiums; ERs with 25+ EEs pay 40% of the premium)* Display the required notice & provide it electronically or by mail to remote employees by 1/1/23
Colorado** Paid Family & Medical Leave Insurance Program

Benefits begin in 2024
0.9% of wages, up to $160,200 (ERs with 10+ EEs nationwide must contribute at least * of the premium)

The 0.9% rate will be in effect through 2025.
* Display the required notice by 1/1/23
※ 参考テーマ「FMLA

1月26日(5) WA州介護保険7月開始
Source :Who is Caring for WA Cares? Part 1: Deductions to Start July 1, 2023 (Davis Wright Tremaine)
WA州介護保険制度(Washington State's Long-Term Services and Supports Trust Program, "WA Cares")に対する集団訴訟が、連邦裁判所で却下されたことから、2023年7月からの制度開始が確定した(「Topics2021年12月24日(2) WA州介護保険に待った」参照)。
  1. 保険料徴収開始は、2023年7月1日から(「Topics2022年2月1日(1) WA州介護保険18ヵ月延期」参照)。

  2. 保険料率は、勤労報酬$100あたり$0.58(保険料率0.58%)(「Topics2021年7月13日 WA州介護保険」参照)。FMLPとは異なり、課税所得上限は設定されていない(「Topics2023年1月26日(3) WA州FMLP保険料」参照)。

  3. 事業主は、源泉徴収義務のみで、負担義務はない。

  4. 介護サービス給付の開始は、2026年7月1日から(「Topics2022年2月1日(1) WA州介護保険18ヵ月延期」参照)。
※ 参考テーマ「公的介護保険

1月24日 不法移民労働者保護強化
Source :DHS strengthens deportation protection for undocumented workers involved in employment claims (HR Dive)
1月13日、U.S. Department of Homeland Security(DHS)は、労働法違反の被害者となった不法移民労働者(noncitizen workers)が、国外退去免除手続きを容易に進められるようにする旨を公表した(DHS Press Release)。即日施行するとのこと。

不法移民が雇用主から不当な扱いを受けたとしても、国外退去になることを怖れて、不当労働行為を訴えないことが想定される。この不安を払拭し、不当労働行為が行われた場合の雇い主ヘの処罰が確実に行われるようにするための措置である。

バイデン政権は、国境措置を厳しくする一方で、国内の不法移民については、保護の度合いを強めている。

※ 参考テーマ「移民/外国人労働者