11月20日 EEOC保守派委員退任
Source :EEOC’s Dhillon resigns, ending commission’s Republican majority (HR Dive)
EEOCの人事がようやく動いた。共和党指名で就任したJanet Dhillon氏は今年7月1日までの任期であったが、その期日の後も委員であり続けていた(「Topics2022年4月7日(1) EEOC委員指名」参照)。それが、ようやく11月18日付けで退任することとなった。退任はHPでも確認した。

しかし、バイデン大統領が指名したKalpana Kotagal氏の承認手続きは遅々として進んでいない(PN1938)。また、事務局長も空席のままだ。

【2022年11月18日時点】
役 職氏 名政 党指名者任 期
Chair
2021.1.20~
Charlotte A. BurrowsDPresident Obama①2014.9.12~2019.7.1
②~2023.7.1
Vice Chair
2021.1.20~
Jocelyn SamuelsDPresident Trump①2020.10.14~2021.7.1
②2021.7.14~2026.7.1(PN271)
(Member)(Janet Dhillon)RPresident Trump2019.5.15~2022.11.18
MemberKeith E. SonderlingRPresident Trump2020.9.22~2024.7.1
MemberAndrea R. LucasRPresident Trump2020.9.22~2025.7.1
General Counsel
EEOCの本格的な活動開始には、まだまだ時間がかかりそうだ。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制

11月18日 Peloci議長退任
Source :Speaker Pelosi says she will step down as party leader after two decades at the top (NPR)
11月17日、ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長は、下院民主党幹部選挙に立候補しないことを表明した。中間選挙で共和党が下院の多数派を握ったことに伴うものである。
当websiteでも、彼女は何度も登場した。それだけ、意思を持った政治家であるということである。今後は、下院議員を続けながら、次のリーダーを支援していくという。一つの時代が画された気がする。

※ 参考テーマ「中間選挙(2022年)」、「政治/外交

11月16日(1) ITのレイオフ急増
Source :It's the end of the boom times in tech, as layoffs keep mounting (NPR)
上記sourceは、アメリカのIT企業のレイオフが続いていることを報じている。Layoffs.fyiの集計によれば、2022年に入ってから、795社が12万1,667人をレイオフした。特に11月に入ってからのレイオフ総数は急増している(まだ月央なのに!)。

Layoffs.fyi
IT企業のレイオフが急増している理由として、2点が挙げられている。
  1. コロナ禍で雇用を増やし過ぎた。ネット勤務が減少し、通常勤務が回復するなかで、余剰人員が生まれた。

  2. 経済の先行きが不透明になる中で、デジタル広告への需要が減退した。
以下、個別企業のレイオフ規模、背景が紹介されている。

一方、アメリカ企業全体ではどうか。今年に入ってからのトレンドを見ると、徐々にレイオフ数は増えている。

Challenger
ただし、これを最近5年間でみると、景色がまったく異なり、レイオフはかなり低水準のままと言える。

Challenger
IT企業のレイオフ急増が今後の大きな流れとなるのか、それとも一過性のもので終わるのか。労働市場全体のレイオフ増加につながるのか。固唾をのんで見守っていこう。

※ 参考テーマ「労働市場

11月16日(2) PBGC収支改善
Source :PBGC Annual Performance & Financial Report 2022 (PBGC)
11月15日、PBGCは、2022年度アニュアルレポートを公表した(「Topics2021年11月18日(1) 複数事業主プラン資産超過に」参照)。
単独事業主プラン、複数事業主プランともに、足許は着実に収支改善している(「Topics2022年9月11日(1) PBGCまだまだ不安」参照)。

※ 参考テーマ「PBGC/Chapter 11

11月16日(3) NH州PFML始動
Source :New Hampshire’s Paid Family and Medical Leave Plan: Breaking Ground in the Granite State (Ogletree Deakins)
2022年12月から、The New Hampshire Paid Family and Medical Leave (NH PFML) Planが始動する。本制度の特徴は、加入資格のある企業、従業員ともに任意で制度加入ができる点である。上記sourceによれば、この任意性を持つ有給休暇制度は全米初とのことだ。

制度のポイントは次の通り。
  1. 加入できる雇い主は、公的機関、従業員50人以上の企業。

  2. 保険料負担については、全額雇い主負担、全額従業員負担、雇い主と従業員の分担が選べる。

  3. 加入雇い主は、負担した保険料の最大50%の税額控除を受けられる。

  4. 加入雇い主は、次の責務を負う。
    1. 従業員保険料の源泉徴収
    2. 従業員の休暇期間中も医療保険プラン提供を継続
    3. 復職後は、休暇前の職位またはそれと同等の職位に戻す。

  5. 雇い主が保険加入した場合、その従業員は、加入の可否を選択できる。

  6. 加入従業員は、年間最大6週間、平均週給の最大60%を保証される。ただし、公的年金保険対象額(Social Security wage)が上限。

  7. 雇い主が不加入を選択した場合、従業員個人は保険加入を選択できる。

  8. その場合の保険料は、週$5または年$260が上限。

  9. 雇い主の加入申請は、2022年12月1日開始。

  10. 個人従業員の加入申請は、2023年1月1日~2023年3月2日。
※ 参考テーマ「FMLA

11月15日 PPACA法定数値の推移
Source :ACA numbers & Limits 2014-2023 (Kaufman & Canoles)
上記sourceは、PPACA関連の法定数値の推移をまとめている。 ※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/州レベル全般」、「医療保険プラン」、「HSA

11月14日(1) 民主共和拮抗
Source :Control of the House is still up in the air. Here's where things stand (NPR)
11月に行なわれた中間選挙の結果が、ようやく出始めた。上院議員選挙で最後まで残っていた4州(Arizona, Nevada, Alaska, Georgia)のうち、AZ, NVの2州で民主党候補が制して、上院における民主党の優位が固まった。AK州は共和党候補2人の争いが続いている。GA州は再投票が決まっている。
一方、下院議員選挙は、未だに優位が決定されていない。上記sourceによれば、今現在の選挙結果の状況が続けば、共和党221vs民主党214となり、共和党が3議席だけ半数を上回ることになる。しかも、この優位数はもっと低下するかもしれない、としている。3議席だけの優位というのは、個々の法案のコントロールについていえばかなり厳しい状況だ。予算関連ともなれば、共和党議員の中から様々な要望が出てきて、法案をまとめるのも大変になる。

州知事選挙は36州で行なわれ、民主党が17州、共和党が17州、未定が2州(AK, AZ)となっている。未定の州も、このままいけば、民主党1、共和党1と、まったくの互角となる。
今回の中間選挙は、民主党、共和当が拮抗していることが確認された、ということになる。"Red wave"は起こらなかった。

※ 参考テーマ「中間選挙(2022年)

11月14日(2) 医療費はSD州が最高
Source :Most and Least Expensive States for Health Care, Ranked (Forbes Advisor)
上記sourceでは、州別の医療費を調査し、どこが一番医療費がかかるか、どこが一番かからないか、をランキングにして公表している。最も医療費がかかるのはSouth Dakota州、一番かからないのはMichigan州とのことだ。ちなみに、わがMaryland州は38位。あまり医療費が高くない方に入る。
※ 参考テーマ「無保険者対策/州レベル全般

11月11日 CPI7%台に下落
Source :Stock market surges after inflation report shows the pain of high prices may ease (NPR)
11月10日、BLSは今年10月の消費者物価指数(CPI-U)を公表した(News Release)。前年同月比7.7%の上昇と、3ヵ月連続の伸び率低下となった。今年3月からずっと8%台だったものが、ようやく7%台に低下した。8月の8.3%からわずかに低下した。前月比では0.4%上昇となり、9月と同水準を保っている(「Topics2022年10月14日(1) CPI加速が止まらない」参照)。
エネルギー全体の価格上昇率は前年同月比17.6%と、伸び率の低下が続いている。
一方、食料品の価格は、前年同月比10.9%増と2ヵ月連続の微減となった。依然として高い水準が続いている。
エネルギー、食料品を除くCPI上昇率は前年同月比6.3%と、前月よりも若干低下したが、上昇率の高まりが続いてる。
住居費も前年比6.9%増と、上昇率の高まりが止まらない。
10月の実質時給は、前月比0.1%減、前年同月比で2.8%減となった(Real Earnings News Release)。
CPI上昇率は、確かに8%は切ったものの、まだまだ高水準である。にもかかわらず、FRBの利上げペースが若干鈍化するとの見通しから株価は急騰した(日経『NY株ハイライト インフレ鈍化に歓喜、底入れ期待広がる』)。また、続いていた円安が一転、円高報告に推移している(日経『円、大幅上昇 141円台後半 米インフレ鈍化で』)。インフレの鎮静化が明確になったわけではないのに、ちょっとはしゃぎ過ぎではないだろうか。

※ 参考テーマ「労働市場