10月31日(1) 新規失業は減少続く
Source :U.S. weekly jobless claims total 751,000, vs 778,000 expected (CNBC)
10月29日、労働省は新規失業保険申請数を公表した。今週は75.1万人と、前週から4万人の減少となった(「Topics2020年10月23日 新規失業再び減少」参照)。32週間で累計6,593万人となった(新規失業保険申請件数data)。

雇用保険被保険者の中の失業者数は776万人と、70.9万人の減少となった。両指数とも着実に減少している。
また、COVID-19対策で導入された追加失業給付(「Topics2020年3月30日 2兆ドル対策(COVID-19)」参照)の新規申請数は、
5/30: 79.9万人
6/ 6: 70.0万人
6/13: 77.4万人
6/20: 88.1万人
6/27: 99.7万人
7/ 4:104.6万人
7/11: 95.5万人
7/18: 96.0万人
7/25: 90.9万人
8/ 1: 65.6万人
8/ 8: 49.0万人
8/15: 52.5万人
8/22: 60.8万人
8/29: 75.1万人
9/ 5: 86.8万人
9/12: 67.5万人
9/19: 61.6万人
9/26: 50.8万人
10/3: 37.9万人
10/10:33.7万人
10/17:34.5万人
10/24:36.0万人
と、若干の増加となった。

一方、COVID-19感染状況を見ると、第2波のピークを超えてしまっている。

Johns Hopkins University Health
また、10月28日時点で手が付けられない状況に陥っている州は37州と、さらに拡大してしまっている。

COVID Exit Strategy
※ 参考テーマ「労働市場

10月31日(2) 激戦州増える
Source :Final NPR Electoral Map: Biden Has The Edge, But Trump Retains Narrow Path (NPR)
大統領選占いの定点かつ最後の観測である。 まずは、支持率の動き(Five Thirty Eight)だが、10月29日時点でバイデン氏52.1%、トランプ大統領43.2%と、バイデン氏が8.8%ポイント上回っている。この両氏の差は、10月中旬時点(10.1%ポイント)より縮小している(「Topics2020年10月12日 バイデン氏盛り返す」参照)。

一方、上記sourceの選挙人投票予測では、バイデン氏有利は変わらないが、toss-upの州が大きく増加し、接戦状況になっている州が増えていることがわかる。
※ 参考テーマ「大統領選(2020年)

10月30日 H-1B規制強化に訴訟
Source :US Chamber, universities sue Trump administration over revised H-1B regs (HR Dive)
10月19日、全米商工会議所(US Chamber of Commerce)が、H-1B規制強化に反対して、訴訟を起こした。他の経営者団体、大学などもこの提訴に加わっている。

USCC等の主張は次の通り。
  1. 労働省(DOL)は、H-1B保持者に対する給与の最低水準を大幅に引き上げた。学者の分析によれば、その上げ幅は30~60%に達する。

  2. Department of Homeland Securityの内規では、H-1B保持者が各職種に就くのに必要な学位の種類を制限した。同時に、H-1B保持者との契約期間を最長3年から最長1年に短縮した。

  3. これらの措置は、海外からの人材を獲得するためには大きな障害となる。にもかかわらず、これらの規則変更は、Administrative Procedure Act (APA)に基づくパブリックコメントの募集が行なわれなかった。
トランプ政権は、昨年より、ビザ規制強化を検討してきた(「Topics2019年12月20日 ビザ規制強化案」参照)。経済界、大学は、強く反発している。

※ 参考テーマ「移民/外国人労働者

10月29日 Uberを差別で提訴
Source :Uber Fires Drivers Based On 'Racially Biased' Star Rating System, Lawsuit Claims (NPR)
10月26日、San Diego在住の男性が、Uberのドライバー評価システムは差別に基づいている、との訴えを、連邦地方裁判所に提出した。

Uberの利用者は、利用後にドライバーの評価を求められる。Uberはその評価に基づいて、ドライバーとの契約を解除することとしている。

提訴した男性は、ハワイ出身で、リクエストを受け付けて顔写真が確認できるようになった段階でキャンセルされたり、発音がおかしいと蔑まれた経験があるという。そういった経験が評価に反映されているのではないかと疑っているのだ。

また、EEOCにも提訴していたが、訴えが退けられたため、裁判に持ち込んだとも伝えられている。

ここで問題になるのは、利用者の評価とドライバー契約解除の関連メカニズムだ。Uberはここを明確にしなければ、利用者の偏見に基づく評価を受け入れている可能性を排除できない。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制

10月28日 Barrett判事承認
Source :Senate Confirms Amy Coney Barrett To The Supreme Court (NPR)
10月25日、連邦議会上院はBarrett判事承認に関する議論の打ち切り動議を可決し、翌26日、多数決により、指名を承認した(「Topics2020年9月27日 Barrett判事を指名」参照)。

注目されていた共和党のSusan CollinsLisa Murkowskiの二人は、打ち切り動議に反対し、その後の指名承認では、Murkowski議員は賛成票、Collins議員は反対票を投じた(「Topics2020年9月21日 後継判事は女性か」参照)。

Current Justices of the US Supreme Court (as of October 27, 2020)

Name Born Appt. by First day University
John G. Roberts
(Chief Justice)
01955-01-27 January 27, 1955 George W. Bush 02005-09-29 September 29, 2005 Harvard
Clarence Thomas 01948-06-23 June 23, 1948 George H. W. Bush 01991-10-23 October 23, 1991 Yale
Stephen Breyer 01938-08-15 August 15, 1938 Bill Clinton 01994-08-03 August 3, 1994 Harvard
Samuel Alito 01950-04-01 April 1, 1950 George W. Bush 02006-01-31 January 31, 2006 Yale
Sonia Sotomayor 01954-06-25 June 25, 1954 Barack Obama 02009-08-08 August 8, 2009 Yale
Elena Kagan 01960-04-28 April 28, 1960 Barack Obama 02010-08-07 August 7, 2010 Harvard
Neil McGill Gorsuch 01967-08-29 August 29, 1967 Donald Trump 02017-04-10 April 10, 2017 Harvard
Brett Kavanaugh 01965-02-12 February 12, 1965 Donald Trump October 6, 2018 Yale
Amy Coney Barrett 01972-01-28 January 28, 1972 Donald Trump 02020-10-27 October 27, 2020 Notre Dame Law School
共和党にとっては、1973年以来の長期戦略がようやくここで結実したとの想いが強いだろう(「Topics2018年8月8日 共和党の長期戦略」参照)。

※ 参考テーマ「司 法」、「政治/外交

10月27日 GA/NE州:就労義務規定認可
Sources : Trump Administration Approves Innovative State-Led Health Reform to Expand and Strengthen Coverage for Georgia Residents (CMS)
CMS approves controversial Medicaid waiver in Nebraska, creating 2-tiered system (Healthcare Dive)
Georgia州(GA)、Nebraska州(NE)のMedicaid就労義務規定が、CMSから認可された(「Topics2019年11月5日 州別対応:就労義務規定」参照)。

GA州については、10月15日、通常のMedicaid加入資格がなくとも、就労義務規定を果たせばMedicaidに加入できる制度が認可された。同時に、同州が任官申請している2022年再保険制度の導入、2023年"Georgia Access"の施行についても、前向きに検討している旨が併記されている(「Topics2019年12月25日 "Georgia Access"」参照)。

一方、NE州では、既にMedicaid拡充は10月1日に施行済みだが、10月20日のCMS認可により、来年4月1日から、就業義務規定の履行の有無で保険給付が異なる2段階加入資格が認められた(「Topics2020年1月20日 NE州:就労義務規定申請」「Topics2020年7月23日 NE州:Medicaid拡充」参照)。


Kaiser Family Foundation
その他、Missouri州、Oklahoma州が、州民投票により、来年7月1日までにMedicaid拡充を施行することとなっている。

Health Reform's Medicaid Expansion (Center on Budget and Policy Priorities)


※ 参考テーマ「無保険者対策/州レベル全般」、「無保険者対策/GA州」、「無保険者対策/NE州」、「無保険者対策/MO州」、「無保険者対策/OK州

10月26日 Uber/Lyft敗訴
Source :Uber And Lyft Must Make Drivers Employees, California Court Rules (NPR)
10月22日、CA州控訴裁判所は、Uber/Lyftは契約ドライバーを従業員として扱うべきとの判決を下し、両社の訴えを退けた(「Topics2020年8月12日 CA州判決:Uberドライバーは従業員」参照)。今後30日間は現状を認めることになっているので、すぐさまの撤退はない。

両社はCA州最高裁判所に上告するとともに、州民投票の結果を待ち受けるにことになる(「Topics2020年8月15日 Uberの戦略」参照)。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制

10月24日 2021年Exchangeの姿
Source :HealthCare.gov premiums to fall 2% in 2021 (Modern Helthcare)
10月19日、CMSが、2021年のHelathCare.govにおける保険料を公表した(CMS Press Release)。ポイントは次の通り(「Topics2019年10月24日 2020年Exchangeの姿」参照)。
  1. ベンチマークプラン(Silver Planのうち、保険料が最低から2番目)の27歳加入者の保険料は、単身、家族とも前年比△2%。これで3年連続の低下となる。ただし、2017年から較べれば、3割ほど高い水準にある。
  2. Exchange参加保険会社数は、順調に増えている。また、選択できる保険会社が1つしかない、2つしかないという加入者の割合は、大きく低下している。
Exchangeの政策効果は現れている。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/州レベル全般

10月23日 新規失業再び減少
Source :Weekly jobless claims drop to nearly their lowest level since the pandemic started in March (CNBC)
10月22日、労働省は新規失業保険申請数を公表した。今週は78.7万人と、前週から5.5万人の減少となった(「Topics2020年10月16日 新規失業再増加」参照)。31週間で累計6,517万人となった(新規失業保険申請件数data)。

雇用保険被保険者の中の失業者数は837万人と、102万人の減少となった。
また、COVID-19対策で導入された追加失業給付(「Topics2020年3月30日 2兆ドル対策(COVID-19)」参照)の新規申請数は、
5/30: 79.9万人
6/ 6: 70.0万人
6/13: 77.4万人
6/20: 88.1万人
6/27: 99.7万人
7/ 4:104.6万人
7/11: 95.5万人
7/18: 96.0万人
7/25: 90.9万人
8/ 1: 65.6万人
8/ 8: 49.0万人
8/15: 52.5万人
8/22: 60.8万人
8/29: 75.1万人
9/ 5: 86.8万人
9/12: 67.5万人
9/19: 61.6万人
9/26: 50.8万人
10/3: 37.9万人
10/10:33.7万人
10/17:34.5万人
と、ほぼ横ばいとなった。

一方、COVID-19感染状況を見ると、依然、増加が続いているように見える。

Johns Hopkins University Health
また、10月14日時点で手が付けられない状況に陥っている州は34州と、連邦全土に広がってしまっている。

COVID Exit Strategy
※ 参考テーマ「労働市場