12月19日(1) CPI落ち着きつつ
Source :Consumer Price Index Summary (BLS)
12月18日、BLSは11月の消費者物価指数(CPI-U)を公表した。前年同月比2.7%の上昇と、9月の上昇率から低下した(「Topics2025年11月22日(2) CPI上昇続くも」参照)。FRBの政策金利引き下げを裏付けるような結果となった(「Topics2025年12月12日(2) インフレ懸念>失業懸念」参照)。コアの伸び率は2.6%と低下した。なお、10月分の公表はない。
足許については9月比でプラスの0.2と、若干の低下となった。

食料品価格は2.6%と低下となっている。
エネルギー価格は大きく上昇して前年同月比4.2%となった。
電気代は前年同期比で6.9%と、大幅上昇が続いている。
住居費は前年同月比3.0%増と落ち着いてきている。
サービス業の価格上昇率は3.0%と低下、だいぶ落ち着いてきている。
11月の実質時給は、前年同月比0.8%の増加となった(Real Earnings News Release)。
※ 参考テーマ「労働市場

12月19日(2) 下院共和党議員が反旗
Source :Republican and Democratic House members discuss their fight to extend ACA subsidies (NPR)
12月17日、連邦議会下院の4人の共和党議員が、幹部の意向に反して、Exchange保険料補助金拡充の3年間延長を求める法案を本会議で審議するよう求める決議案(Discharge Petition No. 10)に署名した。署名した下院議員は、民主党214人、共和党4人である。これで、下院の過半数に達し、年明けにはなるが、本会議で投票が行なわれる可能性が出てきた。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/州レベル全般

12月17日 雇用増減退
Source :The U.S. added just 64,000 jobs in November - a sign the labor market is slowing (NPR)
12月16日、10月、11月の雇用統計が公表された(BLS)。 10月は10.5万人の雇用減少、11月は6.4万人の雇用増となった(「Topics2025年11月22日(1) 労働市場クールダウン」参照)。
10月の雇用減は、主に連邦政府職員の減少(16.2万人)によるものである。民間だけでみると、増加は続いているものの、10月以降、増加幅は縮小している。

11月の雇用者数は159.6M人となった(Table B-1. Employees on nonfarm payrolls by industry sector and selected industry detail)。業種別増加数は次の通り。医療、建設業で増加、製造業、レジャー観光業は、減少となった。
失業率は4.6%に上昇(10月の数値はなし)(Table A-1. Employment status of the civilian population by sex and age)。
労働市場参加率は今月も62.5%に上昇した。
25~54歳の労働市場参加率は83.8%と上昇した(BLS)。
労働市場に参加していない人の中で仕事を得たいと考えている人数は増加した。
長期失業者(27週以上)の失業者全体に占める割合は、24.3%と低下した。
一方、外国人雇用者数は、減少傾向が明確になってきた。

FRED
上記sourceでは、雇用増の勢いが低下してきた理由を、2つ挙げている。
  1. 企業側の雇用意欲が低下している。

  2. 求職者数が減少している。
    1. ベビーブーマーが早めに引退
    2. 合法不法にかかわらず、外国人労働力が減少
FRBの政策金利引き下げを正当化する内容だった(「Topics2025年12月12日(2) インフレ懸念>失業懸念」参照)。

※ 参考テーマ「労働市場

12月16日 大統領令無効化法案
Source :House passes bill nullifying Trump’s anti-union EOs (Government Executive)
12月11日、連邦議会下院は、3月のトランプ大統領令を無効とする法案を可決した(「Topics2025年3月29日 連邦職員の団体交渉権除外」参照)。同法案(Protect America's Workforce Act, H.R.2550)は、超党派で提出されたものであり、その投票結果は次の通りである(Roll Call Vote 332)。
  共和党民主党独立系合計
賛成202110231
反対19500195
棄権5207
共和党も一枚岩になれなかった。上記sourceによると、上院で同様の結果が得られるかどうかは不透明のようだ。

※ 参考テーマ「労働組合

12月15日(1) 下院共和党が新法案提出
Source :After failure in the Senate, House GOP has its own health care proposal (NPR)
連邦議会上院での否決を受けて、12月12日、連邦議会下院共和党は、新たな医療費抑制策を盛り込んだ法案を提出した(「Topics2025年12月12日(3) 両医療費軽減法案否決」参照)。
  1. 保険料補助金拡充の延長は含まない。
  2. 小規模企業が保険プランを共同で購入できるようにする。
  3. PBMに新たな規制を導入する。
  4. 2027年から、低所得者層を対象に、医療費負担軽減補助金を支給する。
上院共和党が提案していた『医療貯蓄勘定を創設』は含まれていない。加えて、年末年始休会は、下院が12月19日から、上院では12月20日から始まる。なのに、下院議長は、12月15日の週に投票する見込みだ、と公言している。何だか全く統率が取れていない政治日程のようだ。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/州レベル全般」、「医療保険プラン

12月15日(2) 相乗り通勤サービス
Source :Overcome the commute in the return-to-work era (HR Dive)
パンデミックが終息してほぼ3年が経過し、従業員の働く場所は一定の傾向が定まってきたようだ。GALLUP社の調査では、在宅勤務が可能な場合、従業員が実際に働いている場所は、 となっている(2025年8月時点)。

GALLUP
企業としてはもっと出勤をしてもらいたいと考えていても、従業員側の最大のネックは通勤費負担だという。

HealthEquity
そこで、今従業員の間で人気になっているのが、相乗り通勤サービス(vanpool service)だということだ(「Topics2019年10月19日 DC:通勤ベネフィット義務化」参照)。企業側が相乗りサービスを提供することで、従業員は一人当たり年間$10,000も節約できるという。併せて、交通渋滞の緩和、駐車場需要の縮小、二酸化炭素排出量の減少といった副次的効果も見込める。

それなら企業側が通勤費用を全額負担してもいいのではないか。そもそも、アメリカ人が自分の車で通勤しないで我慢できるだろうか、という疑問を持つ。

※ 参考テーマ「ベネフィット

12月12日(1) ECI伸び低下続く
Source :Employment Cost Index Summary (BLS)
12月10日、9月のEmployment Cost Index(ECI)が公表された。
  1. 雇用市場全体の雇用コストは前年同期比3.5%増(「Topics2025年8月1日(1) ECI伸び率横ばい」参照)。
  2. 民間セクターの賃金の伸び率は上昇気味。
  3. 足許の3ヵ月前との比較では、官民ともに低水準にとどまっている。
    労働市場の需給緩和傾向を反映している。

    ※ 参考テーマ「労働市場

12月12日(2) インフレ懸念>失業懸念
Source :A divided Federal Reserve cuts interest rates for a 3rd straight time (NPR)
12月10日、FRBは政策金利を0.25%ポイント引き下げ、3.5~3.75%にすることを決定した。3回連続の引き下げである(「Topics2025年10月30日 暗闇の中での利下げ決定」参照)。
FRBの景気認識は次の通り(FOMC statement)。
"Available indicators suggest that economic activity has been expanding at a moderate pace. Job gains have slowed this year, and the unemployment rate has edged up through September. More recent indicators are consistent with these developments. Inflation has moved up since earlier in the year and remains somewhat elevated."
今回の決定では、票が分かれた。 物価上昇懸念がかなり強いことが感じられる結果である。

また、FOMC委員の将来見通しは次の通り(Projection)。
失業率の上昇は見通しておらず、インフレが高い水準で続くことを見通している。従って、政策金利についても、2026年中にあと1回の引き下げを見込んでいるだけ、というシナリオになっている。

※ 参考テーマ「労働市場

12月12日(3) 両医療費軽減法案否決
Source :Senate to Vote on Two Health Care Bills (Committee for a Responsible Federal Budget)
12月11日、連邦議会上院で、医療保険コストの軽減策が審議された。
  1. 共和党案:Health Care Freedom for Patients Act of 2025(S.3386)

    既に紹介したもので、高免責額を設定したうえで、政府からの給付金を受け取る医療貯蓄勘定を創設するとの提案である(「Topics2025年12月9日(2) 共和党:高免責額プラン検討」参照)。投票結果は、60票に届かず、否決された(Roll Call Vote 643)。
      共和党民主党独立系合計
    賛成510051
    反対145248
    棄権1001
  2. 民主党案:Lower Health Care Costs Act(S.3385)

    Exchange保険料補助金拡充を、3年間(2026~28年)延長するとの提案である(「Topics2025年11月12日(1) 政府閉鎖vs保険料補助」参照)。投票結果は、こちらも60票に届かず、否決された(Roll Call Vote 644)。
      共和党民主党独立系合計
    賛成445251
    反対480048
    棄権1001
どちらも自らの主張を体現した法案で、譲歩するところのないものである。これから議会内で合意に向けて協議が始まるのか、それともガチンコ状態が続いて、保険料補助金拡充廃止、再度の連邦政府閉鎖が現実のものとなってしまうのか。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/州レベル全般」、「医療保険プラン