10月28日 莫大な関税収入
Source :Tariff Revenue Soars in FY 2025 Amid Legal Uncertainty (CRFB)
上記sourceは、2025年度の関税収入に関するコメントである。ポイントは次の通り。
  1. 2025年度の関税収入は、$195Bに上った。2024年度から250%以上の増加となった。年度後半に限ると$151Bになり、前年同期比では約300%の増加となる(「Topics2025年4月11日(1) インフレは緩和だが」参照)。
  2. 仮に連邦最高裁がトランプ関税は違法との判決を下せば(年末頃)、2025年度関税収入のうち$90Bは払い戻さなければならない。また、2025~2035年の収入総額は、約$3Tから約$2.2T減少して$900Bに減少する。

  3. その結果、今後10年間で、財政赤字はGDP比は6.1%から6.7%に上昇する。2035年度の債務残高は120%から126%に上昇する。

このシンクタンクは財政状況の改善を最重点課題に挙げているので、こうした理屈になる。しかし、国民にとってみれば、連邦政府が2.5倍もの関税を掠め取ることになる。これからじわじわと価格転嫁が進んでいけば、徐々に国民生活は厳しいものになっていく。

※ 参考テーマ「労働市場

10月27日 若者のACA加入減の惧れ
Source :Why the ACA needs young people - and the looming 'death spiral' for health insurance (NPR)
連邦政府機関の閉鎖が続いている。翌年度の予算案が成立しないことがその理由だが、要因はExchange保険料補助金拡充の延長で連邦議会の折り合いがつかないことだ。仮に拡充延長ができないことが決まると、保険料は平均で倍増すると予想されている(「Topics2025年10月1日(2) EXchange保険料倍増」参照)。

保険料倍増の影響は、単に加入者の負担増にとどまらない。健康な人、若者が加入をためらい、健康に不安のある人、中高齢者の割合が高くなっていき、さらに保険料が上昇するという悪循環が始まってしまう。このことに伴う無保険者増加も相当規模にのぼることになろう。 Exchange加入申請は11月1日に始まる。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/州レベル全般

10月26日 CPI上昇続くも
Source :Consumer Price Index Summary (BLS)
10月24日、BLSは9月の消費者物価指数(CPI-U)を公表した。前年同月比3.0%の上昇と、わずかに上昇した(「Topics2025年9月12日(1) CPI上昇加速」参照)。だが、予想よりも低いものとなったため、FRBの政策金利引き下げは決定的と言われている(NPR)。コアの伸び率も3.0%で、若干の低下となった。
足許については前月比でプラスの0.3%で、若干の低下となった。
食料品価格は3.1%とこれも若干の低下となっている。
エネルギー価格は大きく上昇して前年同月比2.8%となった。
電気代は前年同期比で5.1%と、伸び率は低下したものの大幅上昇が続いている。
住居費は前年同月比3.6%増と横ばい。
サービス業の価格上昇率は3.5%と若干の低下。
9月の実質時給は、未発表(Real Earnings News Release)。

もともと、9月の結果公表は10月15日が予定されていた。連邦予算が不成立のため連邦政府が一部閉鎖されている影響で公表が遅れていた。ところが、9月のCPIは来年の公的年金のCOLA計算には不可欠であり、これがいつまでも決まらなければ、シニア世帯は不安を募らせることになる。こうした背景があるために、CPIだけは特別公表となった。

その2026年COLAは2.8%と、2025年の2.5%よりは高まったものの、ここ10年の平均値3.1%を下回るものとなった。これはシニア世代にとっては厳しいものとなりそうだ。Medicare保険料は11%を超えそうだし、上述のように食料品、電気代、サービスの上昇率を下回ることになる。 事実、COLAの予測値は、2025年中毎月のようにじわじわと高まってきたのである。シニア世代にとっては不安が続くことになろう。

The Senior Citizens League
※ 参考テーマ「労働市場」、「公的年金改革