10月27日、NLRBは、共同経営者の新たな定義規定を公表した（News Release）（「Topics2022年9月8日　共同経営者定義見直しへ」参照）。12月26日に試行される。

雇用関係を判断する要素を次の通り列記している（NLRB Fact Sheet）。

• Wages, benefits, and other compensation;
• Hours of work and scheduling;
• The assignment of duties to be performed;
• The supervision of the performance of duties;
• Work rules and directions governing the manner, means, and methods of the performance of duties and the grounds for discipline;
• The tenure of employment, including hiring and discharge; and
• Working conditions related to the safety and health of employees.

これらの要素を判断して、共同経営者として判断されれば、労組等との交渉に臨まなければならない。

これに対して、事業者団体が強く反発している。

• Associated Builders and Contractors
• American Hotel & Lodging Association
• American Staffing Association

法廷闘争の可能性も出ているそうだ。波乱含みの新ルール適用開始となる。

※　参考テーマ「人事政策/労働法制」

UAWは、10月25日にFord、10月28日にStellantisと相次いで労使協定暫定合意に至った。詳細は分からないが、

• 4年半で賃金を25％引き上げ（NHK）
  
  
• 物価スライド条項を入れる。
  
  
• DCプランの拠出金等を増やし、年金制度を手厚くする。

これから両社従業員の承認を得るための選挙が行なわれるが、その日程は明らかになっていない。

一方、GMでのストは継続中だが、上記2社が暫定合意に至っている以上、GMの外堀は埋められてしまっている。

（10月31日追記）

案の定、10月30日、GMはUAWとの暫定合意に至った（NPR）。詳細は明らかにされていない。ただ、合意内容は、上の2社と同様のようだ。今後は、UAW組合員の承認が得られるかどうかが鍵となる。

※　参考テーマ「労働組合」

今回の自動車産業、医療機関での大規模ストライキにより、労働組合によるストライキへの関心が高まった（「Topics2023年10月5日　医療機関で最大スト」参照）。しかし、その発生件数は、70年代までと較べて一桁小さい数となっている。

BLSには"Work Stoppages"というwebsiteがあり、1,000人以上が参加した大規模ストライキのトレンドを確認することができる（大規模ストライキ年間発生数 (Excel)）。

件数としては、2022年が23件、2023年（1～9月）がだったので、件数がそれほど増えている訳ではない。一方、ストライキ参加労働者数が2022年は12.65万人なのに対して、2023年は9月までで72.84万人と6倍近くに膨らんでいる（2023年1～9月）。このため、大きな注目を集めたのだと思われる。

※　参考テーマ「労働組合」

10月25日、連邦議会下院で議長選出投票が行なわれ、共和党のMike Johnson(R-La)下院議員が選出された（「Topics2023年10月25日(2)　4人目の議長候補」参照）。

さすがに今回は共和党が一致してJohnson議員に投票し、造反はなかった（Roll Call 527）。

※　参考テーマ「政治/外交」

Medicaid資格確認作業が始まってから半年が経過した（「Topics2023年5月10日(1)　PHE終結とMedicaid」参照）。KFFが集計した結果（10月17日時点）は、次の通り。

1. 加入資格の更新が認められた：1,600万人。3月時点のMedicaid加入者（9,400万人）の17％。
   加入資格の更新が認められなかった：880万人。同上の9％。

   

2. 各州別は次表の通り。全体的に作業自体が遅れているとの印象だ。

   

こうした状況は、無保険者の増加を招くことが予想される。それだけでなく、Medicaidに参入している保険者では収入が減少する。医療機関では、診療代の回収ができなくなる。影響は今後さらに広がっていきそうである。

※　参考テーマ「無保険者対策/州レベル全般」

10月24日夜、下院共和党は、4人目の下院議長候補者として、Mike Johnson(R-La)下院議員を選出した。当websiteとしては、早かったなと少々驚いている（「Topics2023年10月24日(1)　議長候補に9人が名乗り」参照）。

10月25日昼に、下院で議長選出投票が行われる予定だ。

※　参考テーマ「政治/外交」

案の定、下院共和党は、次の議長候補選びに難航している（「Topics2023年10月21日(2)　3回目失敗 別候補選びへ」参照）。なにせ、議長候補に9人も名乗りを挙げたとのことだからだ。

• Jack Bergman of Michigan,
• Byron Donalds of Florida,
• Tom Emmer of Minnesota,
• Kevin Hern of Oklahoma,
• Mike Johnson of Louisiana,
• Dan Meuser of Pennsylvania,
• Gary Palmer of Alabama,
• Austin Scott of Georgia and
• Pete Sessions of Texas

この中からどうやって絞り込んでいくのか、が課題となる。

一方、毎回造反が出たことへの対策として、誓約書（"unity pledge"）の提出を求める動きが出ているそうだ。事実上の党議拘束で、こちらも結果がどうなるかは見通せていない。

※　参考テーマ「政治/外交」

10月23日朝、UAWはStellantisの工場で6,800人規模のストを発令した。これでストライキの規模は4万人超となった（「Topics2023年10月13日(2)　UAW突如スト拡大」参照）。

※　参考テーマ「労働組合」

上記sourceによれば、UAWは退職後ベネフィットに拘っているそうだ。具体的には、①終身年金、②退職者医療保険プランの復活である（「Topics2023年9月14日(1)　大統領とUAWの溝」参照）。

これに対して、GMは

• 401(k)プランへの拠出割合を、現行の6.4％から8％への引き上げ
  
  
• 退職後に医療保険プランを購入するための基金の増額

を提案している。

また、Stellantisは、終身年金プランを購入するとの選択肢を提案している。

しかしながら、UAWは依然不足であるとして、合意に達していない。

Big 3は、かつてレガシーコストとして抱えていたこれらのベネフィットを簡単に復活させるわけにはいかないだろう。これは長引きそうである。

※　参考テーマ「労働組合」、「PBGC/Chapter 11」、「VEBA/Legacy Cost」

10月20日、連邦議会下院で、3回目の議長選挙が行なわれた。今回もJim Jordan(R-OH)議員は必要な賛成票数を獲得できなかった（Roll Call 525）。得票数を大きく減らしたばかりか、共和党議員の造反は25票と拡大してしまった（「Topics2023年10月19日(1)　下院議長選挙2回目失敗」参照）。

1回目	2回目	3回目

この結果を受けて、下院共和党はJim Jordan(R-OH)議員を下院議長候補として継続するかどうかを問う選挙を行ない、継続しないことを決定した。その投票結果は、86 vs 112であった。

3人目の議長候補選びは、10月22日の昼までに候補者選定を終え、23日にその賛否を問う党内選挙を行なう予定だ。

※　参考テーマ「政治/外交」