Source : | Law School Students Fight to Make Internships More Fair (Businessweek) |
ロースクール生がインターンシップ制度に不満を持っているそうだ。
一般的に、インターンシップ、イクスターンシップにおける報酬と大学の単位(credit)取得の関係は次のようになっている。なお、インターンシップとイックスターンシップの比較はこの記事を参照。一般的に、インターンシップは比較的長期で一定規模のプロジェクトを担当することが多い。一方、イックスターンシップは、短期のアルバイト的な仕事が多いようだ。
報 酬 大学単位 インターンシップ 無 償 単位取得 有 償 単位なし イックスターンシップ 無 償 単位なし
ロースクール生達は、半年近くインターンシップで働き、単位取得できるのはいいが、無償なのは困る、という主張だ。背景には、ロースクール生の経済状況と就職難があるそうだ。ロースクール卒業生の平均負債額は$140,000(2012年)で、2004年の$88,000からほぼ倍増している。普通の大卒生の5〜6倍にもなっている(「Topics2012年8月5日 就職難+ローン」参照)
。また、新卒就職率もこの6年間で最低の84.5%でしかない。
負債額を少しでも減らして早く卒業して返済したい、そのためには有償のインターンシップでクレジットも欲しい、というのが学生の要望である。一方、アメリカ法曹協会(American Bar Association)は、今後10年はルール変更する気はない、とつれない対応である。インターンシップはあくまで授業の一環であるとの考え方である。
それにしても、社会に出る際、いきなり1,500万円もの負債を背負っているというのは、どういう感覚なのだろう。すぐに大手の弁護士事務所に入ってばりばりに働けるということなら見通しも立つのだろうが、今の時代、そんなばら色の就職先ばかりではなかろう。
※ 参考テーマ「教育」
Source : | A 10-Year Prediction for the Affordable Care Act (National Journal) |
上記sourceでは、無保険者数に関する学者の推計を紹介している。ポイントは次の通り。PPACAの本格実施から10年間で、ネットで600〜700万人しか無保険者は減らないことになってしまう。大量の税金を注ぎ込み、Exchangeなどの仕掛けを作ったとしても、保険料を抑制できなければ、無保険者を減らす効果は小さくなってしまう。医療費全体の抑制を図る手段を早く講じなければいけないだろう。
- 2015〜2016年
保険料の上昇は続くが、MedicaidやExchangeへの加入が増えることで、無保険者は減少する。
- 2017年
医療保険プランの保険料を抑制するための保険会社への連邦政府補助金が廃止となる。これにより、"bronze"プランの保険料は、にまで跳ね上がる。
- 個人:$ 4,200(96%増)
- 家族:$13,000(50%増)
その影響で、無保険者は一気に20%増加する。
- 2018〜2024年
保険料は毎年1%程度ずつ引き上げられる。その結果、無保険者は約4,000万人に増加する。
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」
Source : | More Parents Use Retirement Accounts to Pay for College (US News & World Report) |
先に、高齢者が教育ローン負担で苦しんでいる実態を紹介した(「Topics2014年9月2日 高齢者の教育ローン負担」参照)。上記sourceは、その予備軍とも言うべき子育て世代の教育費用負担の実態を紹介している。子供の学費のために親の退職後所得が確実に侵食されている。引き出しや借り入れは、利子も含めて戻さないと、ペナルティ課税が待っている。働き盛りの世代で退職給付に手を付けるところまで追い込まれて、その後に復活する可能性はそれほど高くないだろう。そのままいけば、退職後まで教育ローンに悩まされるか、そもそも退職後所得が不足することになる。
- 子供の大学の学費支払いのために、退職勘定(401(k), IRA)から資金を引き出した:2013年 5% ⇒ 2014年 7%
- その引き出し額(平均):2013年 $2,710 ⇒ 2014年 $8,870
- 大学学費支払いのための退職勘定からの借り入れ額(平均):2013年 $3,952 ⇒ 2014年 $5,062 (※借り入れたのは全体の1%)
こうしたところでも、中間所得層の人生設計が狂い始めていることが推察できる。
※ 参考テーマ「教育」、「DB/DCプラン」
Source : |
CBO Report Shows Impact of Obamacare (National Center for Policy Analysis) Federal Reserve Surveys Show Impact of Obamacare on Businesses (National Center for Policy Analysis) |
CBOは、PPACAの個別規定ごとの直接的な影響分析は放棄しているが、経済見通しの中で、PPACA全体がもたらす影響については分析している(「Topics2014年6月7日 PPACA財政検証放棄」参照)。また、FRBの地区連銀もその影響を分析している。
上記sourceに示されたポイントは次の通り。結構多くの企業がPPACAのコストを従業員と顧客に転嫁していることがわかる。企業側はPPACAをコストとしていち早く認識し、対応している。
- CBO (An Update to the Budget and Economic Outlook: 2014 to 2024)
- 今後10年間、労働参加率は低下を続ける。
- ベビーブーマーが退職することに伴う低下分は0.5%。PPACAに伴う低下分もそれと同等程度。
by Townhall.com- 保険料補助金(tax credits)により、所得が低いほど手厚い補助を受け取れるため、保険加入のために働く時間数を減らしてもいいと考える労働者が出てくるからである。
- Federal Reserve Bank of New York (Supplemental Survey Report: Firms Assess Effects of Affordable Care Act)
- 2014年の医療コストは、製造業で10%増、サービス業で9%増(いずれも中位数)。
- 2015年はともに10%増を予想。
- 製造業の35%、サービス業の20%が、PPACAにより2014年の医療コストが増大したと考えている。
- 大半の企業が保険料を引き上げたとしており、その多くは従業員の負担増を求めたとしている。
- 35%の企業が従業員の数を減らす、またはパートタイマーを増やした。
- 20%の企業が、PPACAに対応するため、報酬全体を引き下げた。
- Federal Reserve Bank of Philadelphia (August 2014 Business Outlook Survey)
- 18%の企業が、PPACAに対応するため、パートタイマーを増やした。
- 13%の企業が、PPPACAに対応するため、外部委託業務を増やした。
- 29%近くの企業が、PPACAに伴うコスト増を賄うために価格を引き上げた。
- 51%の企業が医療保険プランを変更した。そのうち、88%が従業員負担を引き上げ、91%が免責額を引き上げ、76%が自己負担を増やした。さらに、26%が提携医療機関を少なくした。
一方、国民の側は、保険料補助金により、労働供給を減らしていく方向だ。労働の供給側も需要側も総量を減らす方向にあるとすれば、労働市場の逼迫は遠ざかり、失業率も低下していくことだろう。
そうした中で、可処分所得は減少、物価は上昇するということになれば、国民の生活実感はどうしても向上しない。こうした一見矛盾した状況が続いていくことになるだろう。
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「労働市場」
Source : | State Earned Income Tax Credits and Minimum Wages Work Best Together (Center on Budget and Policy Priorities) |
上記sourceは、貧困対策として、最低賃金の引き上げと州政府版EITCの拡充を組み合わせるべき、と主張している。それはそれで結構なのだが、上記sourceには、各州のEITC制度と最低賃金の現状がまとめられているので有益である(「Topics2014年2月3日 州政府版EITC」参照)。※ 参考テーマ「労働市場」、「解雇事情/失業対策」、「最低賃金」
Table 1
State EITCs and Minimum Wages in 2014State EITC Minimum Wage Minimum Wage Indexed to Inflation? Alabama None None No Alaska None $7.75 No Arizona None $7.90 Yes Arkansas None $6.25 No California None $9.00 No Colorado 10% $8.00 Yes Connecticut 27.5% $8.70** No Delaware 20% (non-refundable) $7.75** No District of Columbia 40%/100%* $9.50** Yes Florida None $7.93 Yes Georgia None $5.15 No Hawaii None $7.25** No Idaho None $7.25 No Illinois 10% $8.25 No Indiana 9% $7.25 No Iowa 15% $7.25 No Kansas 17% $7.25 No Kentucky None $7.25 No Louisiana 3.50% none No Maine 5% (non-refundable) $7.50 No Maryland 25%* $7.25** No Massachusetts 15% $8.00** No Michigan 6% $8.15** Yes Minnesota Average 36%* $8.00/$6.50** Yes Mississippi None none No Missouri None $7.50 Yes Montana None $7.90/$4.00 Yes Nebraska 10% $7.25 No Nevada None $8.25/$7.25 Yes New Hampshire None $7.25 No New Jersey 20% $8.25 Yes New Mexico 10% $7.50 No New York 30% $8.00 No North Carolina None $7.25 No North Dakota None $7.25 No Ohio 10%* (non-refundable) $7.95/$7.25 Yes Oklahoma 5% $7.25/$2.00 No Oregon 8% $9.10 Yes Pennsylvania None $7.25 No Rhode Island 10%* $8.00** No South Carolina None none No South Dakota None $7.25 No Tennessee None none No Texas None $7.25 No Utah None $7.25 No Vermont 32% $8.73** Yes Virginia 20% (non-refundable) $7.25 No Washington Scheduled to be 10% when implemented $9.32 Yes West Virginia None $7.25** No Wisconsin 4% — one child
11% — two children
34% — three children
No credit for childless workers$7.25 No Wyoming None $5.15 No * These states enacted legislation in 2014 increasing their EITCs. The District of Columbia expanded income eligibility for the EITC for childless adults and increased the credit to 100 percent of the federal from 40 percent. Maryland's EITC will gradually rise to 28 percent over the next four years. Minnesota increased the value of its EITC by 25 percent by increasing the size of the benefit and conforming to federal guidelines for married couple families. Ohio increased its credit to 10 percent from 5 percent of the federal credit, but the credit is still non-refundable. Rhode Island decreased the percentage of its EITC to 10 percent from 25 percent, but made it fully refundable, increasing the benefit for 75 percent of those who claim the credit.
** These states Increased their minimum wage in 2014. Connecticut, Delaware, the District of Columbia, Hawaii, Maryland, Massachusetts, Michigan, Minnesota, Rhode Island, Vermont and West Virginia all enacted multi-year increases. Source: National Conference of State Legislatures http://www.ncsl.org/research/labor-and-employment/state-minimum-wage-chart.aspx.
Source : | Gov. Jerry Brown signs bill to require paid sick leave (Los Angeles Times) |
9月10日、CA州知事は、有給病気休暇法(The Healthy Workplaces, Healthy Families Act of 2014, AB 1522)に署名した。(「Topics2014年9月1日 CA州:有給病気休暇を法定」参照)
同法のポイントは次の通り。いよいよ本格的な有給病気休暇制度が始まる。
- 施行日は2015年7月1日。
- 適用対象は、採用後90日を経過した従業員。
- 賦与される休暇時間は、30時間勤務毎に1時間。
- 本人だけでなく家族の看病の場合にも取得可能。
- 適用対象は、約650万人(CA州労働者の約40%)。
- 企業は、取得権利が付与されることを従業員に周知するため、職場にポスター等を掲示しなければならない。
- 企業は、有給休暇を与えなかったり法令違反を犯すと、一日あたり$4,000の罰金を課される。
※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」
Source : | Some Federal Agencies Still Don't Recognize Same-Sex Marriages (Businessweek) |
連邦政府は、同性婚者について、連邦所得税、労働法制と"State of Celebration" Standard(挙式地原則)を導入してきた(「Topics2013年8月31日 同性婚:連邦税でも認める」、「Topics2014年6月23日 FMLAも"State of Celebration"へ」参照)。
ところが、退役軍人(DOVA)、Social Security(SSA)の分野で壁にぶつかっている。どちらも業務に関連する法律に、性別を表す語や、異性であることを明示する語が使用されているため、同性婚配偶者に適用できないでいる。
連邦政府幹部は、制度の運用がちぐはぐになってしまうことに苛立っているようだが、法律改正を伴わなければ行政府としては何ともし難い。本来であれば連邦議会の仕事なのだが、今の状況では望むべくもない。
※ 参考テーマ「同性カップル」
Source : | No Vacation Nation: 4 in 10 Small Business Owners Don't Plan to Go on Vacation (U.S. Chamber of Commerce) |
先にアメリカの労働者はなかなか有給休暇を使わないことを知った(「Topics2014年9月4日 有給休暇を使わない」参照)。
今度は、最も休暇を取りやすいと思われている小規模企業のオーナー経営者ですら、なかなかバケーションを取らないという。これじゃ従業員もおちおち休んではいられない。
- 今年の夏休みを計画しているのは57%。しかも、1週間だけという人がその6割を占める。逆に43%は夏休みを全く取らないつもりだった。
- 夏休みを取っていても、完全にオフとなっているのは15%だけで、最低一日一回はPCで仕事をチェックしているのが2/3もいる。
- そもそも夏休みを大事に考えているオーナー経営者は1/3しかいない。
※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」