4月20日 州外からの大学生 
Source :Out-of-state student admissions spike at University of California (Sacramento Bee)
University of California (UC) の来期入学生の模様が紹介されている。 州外からの学生の授業料は一般学生よりも高く設定されている。にもかかわらず、州外からの学生が大幅に増えている。背景に、"California Dream Act"の成立があることは間違いあるまい(「Topics2011年10月10日 夢か悪夢か:CA州」参照)。

※ 参考テーマ「教育」、「移民/外国人労働者

4月19日 NLRB規則差し止め 
Source :Federal Appeals Court Issues Injunction Against NLRB Employee Rights Posting Rule (Drinker Biddle & Reath LLP.)
当websiteで紹介したように、昨年、NLRBは、『従業員には労組を結成する権利がある』というnoticeを職場の掲示板に掲載しなければならない、という規則を決定している(「Topics2011年8月26日 NLRB vs 経済界」参照)。

これに対し、NAMが差し止め請求を出していたが、さる17日、連邦控訴裁判所は、その請求を認め、最終判決を下すまでの間、執行を差し止める判決を下した。ちなみに、同規則の施行日は、4月30日である。

本件については、連邦地裁において、
@NLRBには、そのような規則を制定する権限はあるものの、
Aそれに違反した場合に罰則を課す権限はない、
との判決が出ている。

なお、上記sourceによれば、控訴裁判所の最終判決は秋頃になるとのことである。

※ 参考テーマ「労働組合

4月18日 保険非加入の代償 
Source :Workers May Trade Health Insurance For Raises (Huffington Post)
企業が提供する医療保険プランについて、従業員自らが加入しないことを選択した場合、いくらかの報酬を給与に上乗せするというやり方があるそうだ。かなり昔にはそうしたやり方が一般的だったが、近年ではそうした報酬の上乗せを実施している企業は極めて少なくなってきている。

昨年、500人以上の従業員を擁する企業では、約17%の企業がそのような報酬上乗せ制度を持っている。その際の上乗せ金額は$1,000(中位数)程度らしいが、これは、従業員一人が保険プランに加入した場合のコスト(平均$11,664)を大幅に下回っている。つまり、企業側からすると、極めて小さな費用で医療保険コストを節約できていることになる。

医療保険改革法に基づき、個人の保険加入義務、企業の保険プラン提供義務(ペナルティ付き)、Exchange、低中所得者への保険料補助などが施行された場合、こうした報酬上乗せ制度が再び多用される場合があるかもしれない。それは、まさにそれぞれの制度の運用実態と医療保険コストとの兼ね合いの結果ということになろう。

※ 参考テーマ「医療保険プラン」、「無保険者対策/連邦レベル

4月16日 NY州"Exchange" 
Source :Cuomo orders NY health insurance exchange (Wall Street Journal)
12日、NY州のCuomo知事は、次の内容の知事令に署名した。
  1. "New York Health Benefit Exchabge"を創設する。

  2. Exchangeの設立と運営にあたるため、地域諮問委員会を設ける。
問題は、Exchange設立の根拠が、知事令ということである。逆に言えば、州法に基づくものではない。

NY州議会の上院は、共和党が多数党になっており、彼らはさらに研究が必要として、Exchange設立のための立法を認めない。しかし、Exchange設立のためのタイムリミットは迫っている(「Topics2012年2月6日 Exchange:厳しいタイムライン」参照)。そこで、Cuomo知事は、知事令という形で設立に動き始めたのである。

しかし、立法を伴わず、予算案にも必要経費が盛り込まれていないため、予算なしでの設立開始ということになっているのである。このままいけば、2013年1月に迫っているHHSの承認は受けられず、連邦政府がExchangeを設立することになってしまう。

知事令は出されたものの、NY州のExchange設立までの道程はまだ遠い。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/NY州

4月15日 公的年金の代替プラン 
Source :Social Security by Choice: The Experience of Three Texas Counties (National Center for Policy Analysis | NCPA)
1981〜1982年にかけて、TX州の3つのcountyは、行政職員に関する公的年金について、連邦政府が運営する"Social Security"から脱退("opt-out")し、フィナンシャル・プランナーが運営する代替プランを利用している。その内容は、 となっている。

30年間運営してきて、結果は次の通り。
"Social Security"よりも断然高い給付を受けているというのである。

実は、この代替プランについて、当websiteでは、はるか昔に一度紹介したことがある(「Topics2005年3月22日 公的年金民営化のオリジナル」参照)。公的年金の個人勘定化の議論の発端となったプランである。

残念ながら、この"opt-out"の仕組みは、1983年に廃止され、現在までその選択肢は封じられている。いつの日か、共和党が大統領・連邦議会を押さえた時、再びこの議論が登場してくることだろう。

※ 参考テーマ「公的年金改革

4月14日 大統領のダブルスタンダード 
Source :Obama prefers Congress to move on anti-bias rules (Washington Post)
同性婚を巡る議論の中で、同性婚に関するObama大統領のダブルスタンダードがはっきりとしてきた。

今月3日、大統領あてに、連邦議会議員72人連名の要請書が送付された。要請内容は次の通り。 この要請に対し、11日、Obama大統領は、これは立法で対応すべき、として断ったのである。この大統領の回答に対し、同性カップルの権利を訴えている諸団体は、『同性婚を認める法律が実現していないことは大目に見てきていたのに』との思いから、新たな怒りを覚えているようだ(New York Times)。

Obama政権は、昨年2月に、司法の場におけるDOMA順守の立場を放棄している(「Topics2011年2月24日(1) DOMA順守を放棄」参照)。また、連邦地方裁判所(CA州)で『DOMAは違憲』との判決が出たことを受けて、訴えていた連邦職員の同性配偶者をOPMが提供する保険プランに加入させるよう指示を出した(「Topics2012年4月2日 同性婚配偶者が医療保険加入」参照)。

その背景にあった考え方は、立法を待ってられない("we can't wait")であった。ところが、今回の要請については、立法の役割と押し返している。これは、ダブルスタンダードに他ならず、同性婚に対するスタンスの是非以前に、行政の長として問題である。

※ 参考テーマ「同性カップル」、「人事政策/労働法制

4月13日 PPACAの多言語要請 
Source :2012 List of Counties Requiring Culturally and Linguistically Appropriate Services Issued by HHS (Troutman Sanders LLP)
医療保険改革法(PPACA)では、 について、英語以外の言語が多用されている地域では、その言語による情報提供も求めている。

このほど、HHSより、英語以外の言語で情報提供すべき地域、具体的には"county"のリストが公表された。その選定基準は、「英語以外の言語で、10%以上の住民がその言語のみを使用している」地域、ということである。データは、センサスを利用している。なお、このリストは、毎年見直されるそうだ。

この2012用リストを見ていて、気付いた点をいくつか。
  1. スペイン語の地域が多い。特に、CA, TXが多く、TXでは30%を超えるところがいくつもある。

  2. 中国語やタガログ語を要請する地域もある。この辺りは、歴史を感じさせる。

  3. 先住民言語も未だにあるのだな、との思いを持つ。AZ, NM, UTである。

アメリカの成り立ち、歴史を感じさせるリストでもあった。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「移民/外国人労働者

4月12日 CA州公務員年金の苦悩 
Source :CalPERS wants to shed some private equity investments (Sacramento Bee)
CalSTRS investments gain, but pension gap widens (Sacramento Bee)
CA州の二大公務員年金が、財政状況の悪化に苦しんでいる。

まず、CalPERSは、保有資産の大幅な見直しを検討しているそうだ。対象は、非上場株式、不動産のようだ。以前、不動産投資対象の見直しを行っていることを紹介した(「Topics2012年1月21日 CalPERSの不動産業」参照)が、投資顧問会社も全面入れ替えのようだ。

一方、CalSTRSは、投資収益が大幅に改善(収益率は約22%)したにもかかわらず、積立不足額が$8.5B拡大し、$64.5Bになったそうだ。リーマンショックに伴う巨額の損失を後年度負担に回した部分が大きく影響しているとのことである。しかし、より本質的には、超低金利が続く中、予定利率を引き下げざるを得なくなる中、給付債務が膨らんでいることが問題である。

上記sourceによると、州議会の承認がなければ、州政府等の拠出金増加はできない仕組みになっており、政治的なプロセスも必要となる。

地方政府年金の代表格であるCA州公務員年金は、厳しい時期を迎えている。

※ 参考テーマ「地方政府年金