Source : | Labor Agency to Require Posting Unionization Rights (New York Times) |
またまた、NLRBと経済界が対立している。25日、NLRBが、『従業員には労組を結成する権利がある』というnoticeを職場の掲示板に掲載しなければならない、という規則を決定したからである。
当初案にあったe-mail等での周知義務は削除されたものの、依然として経済界は強く反発している。この他にも、NLRBは、例のBoeingの件や、労組結成のための投票機関を短縮する案など、次々にプロ労組の提案をしており、全米商工会議所等の経済界は相当苛立っているようだ。
※ 参考テーマ「労働組合」
Source : | Administration may give states second chance to avoid fully federally run insurance exchange (Washington Post) |
Exchange創設の歩みが遅い。もちろん、前回触れた時(「Topics2011年6月7日 2つの黄信号」参照)と較べ、創設関連法案を可決したところは増えているが、それでも13州のみである。 しかも、上記sourceによれば、連邦政府からExchange創設のための資金を受け取ることを決めたのは、11州しかない。つまり、本格的な創設に踏み出したのは、11州しかないということである。
こうした状況に危機感を覚えたHHSは、ような、代替案を検討しており、来月にも各州政府に対して提示しようとしている。連邦政府としては、州の行政に深く関わる所に出て行くのは、できれば回避したいところであろう。州政府としても、連邦政府が出張ってきて、連邦政府流の官僚的な運営主体を作られても困る、というのが本音である。
- 州法によらず、
- 連邦政府が制度設計するものの、
- 最終的には州政府が運営できる
医療保険改革法の重要事項について、産みの苦しみが続いている。
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」
Source : | Guidance on Purchasing Health Coverage in an Insurance Exchange (Sutherland Asbill & Brennan LLP) |
17日、HHSとDOTから、に関するガイドライン案が公表された。パブリック・コメントを10月31日まで募集しており、最終版を決定した後、2014年1月1日から発効する予定だ。
- Exchangeへの資格要件
- 保険料補助金
いずれも個人の保険加入を促進するための施策であり、医療保険改革法の中で最も重要な項目の一つと考えられている。一方、両施策とも、企業にとって直接的な影響がある訳ではないが、ペナルティの支払い義務が発生するかどうかという点に立てば、それらのルールの動向は注視しておく必要がある(「Topics2010年3月27日 医療保険改革法:企業への影響」参照)。
ところで、留学した経験からすると、アメリカで個人医療保険に加入するのは、大変かつコストがかかるという印象を持っている。2001年4月〜2003年3月まで家族6人(当初は5人)で滞在していたわけだが、医療保険については、日本でAIGの保険契約をしてから渡米した。AIGの保険プランは全米で利用できるのだが、こうした全国版の保険プランはアメリカではマイノリティで、州単位の保険プランが一般的である。そのため、AIGの保険証を提示しても、病院側でその確認や償還手続きのやり取りに手間取り、なかなか診療に入ってもらえない、という思いもかけない苦労があった(拙著「アメリカにおける外国人の生活」参照)。
上記sourceを読むと、ようである。外国人でも、合法的に入国していれば、Exchangeで保険プランを購入して、所得によっては保険料補助金を受け取れるように読める。
- Exchangeへの資格要件では、"residency"が求められている
- 保険料補助金については、合法的に居住していることが求められている
もし本当にそうなのであれば、外国人のアメリカ生活は大きく改善することになる。
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」
Source : | Corporations pushing for job-creation tax breaks shield U.S.-vs.-abroad hiring data (Washington Post) |
雇用拡大策の議論が高まりつつある中で、企業の間では、新規雇用に関わる税額控除を求める声が大きい。ところが、大企業、国際的に活動する企業は、国内外別の雇用者数を公表していないところが多いという。
マクロ統計では、2000〜2009年の間に、アメリカ国内の雇用は290万人減少したのに対し、海外での雇用は240万人増えている。国内外別の雇用者数を公表しているGEでは、2000年の国内雇用者数割合が54%であったのが、2010年は46%と半数を割っている。他の大企業も同様の傾向となっているはずだが、IBMその他の大企業は公表していない。
公表していない理由として、などが挙げられている。
- ライバル社に経営戦略を知られてしまう
- 海外への雇用の移動は、メディアでは悪印象で捉えられてしまう。
アメリカでは、州境を越えた誘致合戦、雇用創出戦略が講じられており、これに成功した州知事にとっては勲章となる。国レベルでも同様の雇用創出合戦が演じられている(除く日本)中で、雇用が流出するということは政策の問題であるはずなのに、メディアの矛先が企業経営に向いてしまうのはどこかおかしいのではないかと思う。
※ 参考テーマ「労働市場」