12月10日(1) 残業対象無効判決の影響
Source :Ohio State reverses hundreds of workers’ raises after DOL’s overtime rule overturned (HR Dive)
残業対象上限額引上げに対する無効判決について労働省は上告したが、この判決に伴う影響が実体に及び始めた(「Topics2024年11月18日 残業対象上限額引上げに無効判決」参照)。Ohio State Universityの職員306人について、11月、12月に昇給した職員の給与を、前記判決を受けて、元にもどしたそうだ。

労働省の規則改定に伴って、残業対象にならない範囲で昇給させたものの、その改定が無効となることで、残業対象となってしまうことを回避しようとした措置である。これでは、一旦は昇給を受けた職員達は、不満だらけだろう。自分たちの労働対価は一体何で決められているのか、という想いになろう。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制

12月10日(2) 悪夢再び?
Source :Mississippi communities scarred by ICE raids fear future under Trump (NPR)
トランプ次期大統領は、不法移民を国外に退去させると宣言している(「Topics2024年11月28日 TX州:不法移民強制退去を支援」参照)。最初は、 の強制退去から始めると言われている。

しかし、前トランプ大統領時代に行なわれた『職場捜査(workplace raids)』がいつ始まるのか、恐怖を抱いている国民も多いだろう(「Topics2019年11月18日 恐怖の日々」参照)。自身または家族が不法移民という人達は言わずもがな、だが、普通に暮らしている人々にも懸念がある。 関税と同様、トランプ政権が採用する政策手段が国内経済に悪影響をもたらす可能性が高い。

※ 参考テーマ「移民/外国人労働者

12月9日(1) 雇用増加数は正常化
Source :Payroll employment rises by 227,000 in November; unemployment rate changes little at 4.2% (BLS)
12月6日、雇用統計が公表された(BLS)。11月の雇用増は22.7万人となった。正常な範囲の増加ペースに戻り、やはり10月の大幅ダウンは異常値だったことが確認された、(「Topics2024年11月5日 雇用増加数激減は異常値か」参照)。
雇用者数は168.3M人となった(Table B-1. Employees on nonfarm payrolls by industry sector and selected industry detail)。業種別増加数は次の通り。相変わらずサービス業での需要が高いものの、全般的な水準は低位にとどまっている。
失業率は4.2%と、0.1%ポイント上昇した(Table A-1. Employment status of the civilian population by sex and age)。
労働市場参加率は今月も62.5%と僅かな低下。
25~54歳の労働市場参加率は83.5%と横ばい(BLS)。
労働市場に参加していない人の中で仕事を得たいと考えている人数は、減少が続いている。
長期失業者(27週以上)の失業者全体に占める割合は、23.2%と上昇した。
※ 参考テーマ「労働市場

12月9日(2) 医療への満足度
Source :View of U.S. Healthcare Quality Declines to 24-Year Low (GALLUP)
医療の質に対するアメリカ国民の満足度が最低レベルに落ち込んでいる。
  1. 医療の質と保険加入に関する評価は、年々低下し、今年は最低水準となっている。
  2. 医療のコストに対する満足度は、20%にも達しない。
  3. アメリカの医療の課題としては、コスト、アクセスが挙げられている。
  4. ところが、自分自身が加入する医療保険プランについては、コスト、アクセスとも満足度が高い。ここがアメリカ人の不思議なところである。
※ 参考テーマ「医療保険プラン

12月5日(1) 大統領選挙確定
Source :2024 Election Results (NPR)
ようやく、大統領選の結果が確定した。


※ 参考テーマ「大統領選挙(2024年)

12月5日(2) 州議会のトイレ問題
Source :Montana lawmakers cross the aisle to block a trans bathroom ban in the state capitol (NPR)
Montana州(MT州)議会下院議員に、トランスジェンダー女性議員がいる。既に2期目であるが、彼女をターゲットとして、「生まれた時の性別」に従って議会のトイレを使用する、つまりは彼女が女性用トイレを使用することを禁止する、という法案が提出されていた。12月4日、下院はこの法案を否決した。民主党議員に加え、一部の共和党議員が反対に回った。上院は既に可決していたが、これで法案は成立しないこととなった。

同様の議論は、Delaware州でも起きているそうだが、こちろは法律とかではなく、議長から「生まれた時の性別」に従ってトイレを利用するよう指導が出され、トランスジェンダー議員本人も「そんなことのために議員をやっているわけではない」として、指導に従っているそうだ。

トイレの使用問題は、社会的な意識の問題なので、セットされるまでにはかなりの時間がかかりそうだ。しかし、一般企業の職場におけるトイレ問題は、企業側もよく認識しておくべき課題である。

※ 参考テーマ「LGBTQ

12月4日 落ち着いた労働市場(2)
Source :Job Openings and Labor Turnover Summary (BLS)
12月3日、BLSが、10月末の求人数を発表した。10月末の求人数は774.4万人で、前月比5.0%の増加となった(「Topics2024年10月30日(1) 落ち着いた労働市場」参照)。
労働力人口に占める求人数の割合は4.6%に上昇した。
新規雇用数は531.3万人と減少した。
失業者数/求人数は、0.9で横ばいであった。
10月の自発的失業(Quits)は332.6万人と、増加した。
Quits level, Total nonfarm - 2019~2024年

Quits level, Total nonfarm - 2007~2024年
アトランタ連銀による時間給のデータは、10月の前年比で、全体は4.6%増、勤続組は4.6%増、転職組は4.7%増と、ほぼ収束している。

Federal Reserve Bank of Atlanta's Wage Growth Tracker
雇用市場の落ち着きが継続している。

※ 参考テーマ「労働市場