Source : | Why Florida's new immigration law is troubling businesses and workers alike (NPR) |
Florida州(FL)で、新たな不法移民関連規制法(SB 1718)が導入された。施行は7月1日からである。主な内容は次の通り。E-Verifyの利用義務については、疑問が呈されている。そもそも、システムに対する信頼性が低い(「Topics2019年8月28日 E-Verifyの致命的欠陥」参照)。また、先行事例でも成功していない。CATOの分析資料によれば、Arkansas州、Arizona州、Mississippi州、South Carolina州では、同制度はほとんど無視されている。 実際にシステムを利用して確認した新規採用者数の割合は、せいぜい6割である。 同法に対して、FL州ボイコット運動が起きているそうだ。不法移民労働者、トラックドライバー達は6月1日にストライキを予定している。また、事業所を閉鎖してFL州から撤退すると表明している企業もある。農業、建設、介護・福祉などの分野では、大きな打撃を受けると予想されている。
- 25人以上を雇用する企業に対して、新規採用に際してE-Verifyを利用するよう義務付ける。利用義務を履行しなかった企業に対しては、一日当たり$1,000の罰金を課す。
- 移民と知りながら当局が未確認の人間をフロリダ州に移送した場合、密入州として禁固5年以下または一人当たり$5,000の罰金に処する。移送対象が5人以上または子供の場合は、罰金額は劇的に増加する。
- 不法移民に対する福祉サービスを制限する。
- 移民移住計画を拡大する。
- 他州で発行された不法移民向け運転免許証を無効とする。不法移民に運転免許証を賦与している州は、19州+D.C.にまで増えている(「Topics2020年11月30日 不法移民運転免許証再燃」参照)。
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National Conference of State Legislatures- Medicaidの償還を受けている医療機関に対して、患者の移民地位の確認を求める。
DeSantis FL州知事がアメリカ大統領に就任すれば、こうした厳しい不法移民対策が講じられることになろう(「Topics2023年5月23日(1) "Make America Florida"」参照)。
※ 参考テーマ「移民/外国人労働者」
Source : | NYC bans employment discrimination based on weight and height (HR Dive) |
5月26日、New York Cityで、体型差別禁止条例("Prohibiting discrimination on the basis of a person’s height or weight in employment, housing, and public accommodations.")が成立した。雇用、住居サービス、公共施設において、体重、身長を理由に差別してはいけない、という内容だ。もちろん、仕事の性質上、体重、身長の要件が必要な場合には、適用が免除される。また、企業が従業員に対して体重管理のためのインセンティブ・プログラムを提供することは、禁じていない。
同様の差別禁止法を導入した自治体はまだ少ないという。上記sourceによれば、州ベースでは、Michigan州、Washington州、Washington, D.C.の3つだけである。Massachusetts州、New Jersey州では検討が進んでいるそうだ。
※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」
Source : | What the 2020 census can - and can't - tell us about LGBTQ+ people (NPR) |
5月25日、Census Bureauは、2020年センサスのうち、家計に関する調査結果を公表した。これには、2020年センサスで初めて調査した同性カップルの状況も含められている(Same-Sex Couples Made Up 1.7% of All Coupled Households)。主なポイントは次の通り。上記sourceで、結婚または同棲している同性カップルの割合を州別に示した地図を紹介している。 ここで注目するのはFlorida州(FL)だ。南東部で一人ポツンと同性カップルの割合が高くなっている。具体的には、結婚している同性カップルは0.7%、同棲している同性カップルは0.5%、両方合わせて1.2%と、全米の数値(0.9%)を大きく上回っている。それもそのはず、FL州では、2015年6月から、同性婚が認められていたからだ(「Topics2015年6月27日 最高裁判決:同性婚は基本的権利」参照)。また、こうした状況だからこそ、州知事vsDisneyの争いが勃発するのだろう(「Topics2023年4月27日(3) Disney社が訴訟」参照)。
- 家計全体の中で、カップルが構成する家計の割合は53.2%。2000年は56.9%、2010年は55.1%と、徐々に低下している。逆に言えば、単身、シングルマザー、シングルファザーの割合が高まっているということだ。結婚している異性カップルが構成する家計は、既に半数を割っており、アメリカ社会の代表的な家計モデルとは言えなくなりつつある。
- 結婚または同棲している異性カップルの割合は、52.4%(=45.6%+6.8%)。
- 結婚または同棲している同性カップルの割合は、0.9%(=0.5%+0.4%)。カップルが構成する家計の中では1.7%となる。
それにしても、カップルのいない家計の割合が徐々に高くなっているというのは、よく認識しておくべき事柄である。
※ 参考テーマ「人口/結婚/家庭/生活」、「LGBTQ」
Source : | Gross Domestic Product (Second Estimate), Corporate Profits (Preliminary Estimate), First Quarter 2023 (BEA) |
5月25日、2023年第1四半期のGDP(第2次推計)が公表された(「Topics2023年4月28日(1) サービス消費は堅調」参照)。前期比年率で1.3%と上方修正となり、同時期、労働需要が強かったことを確認できた。 ※ 参考テーマ「労働市場」
Source : | It’s Official, Minnesota Gov Signs Secure Choice Auto-IRA into Law (NATIONAL TAX-DEFERRED SAVINGS ASSOCIATION) |
5月12日、Minnesota州知事(MN)は、Minnesota Secure Choice retirement program創設法案(HF0782)に署名した。これにより、MN州は、12番目の州退職貯蓄プラン(Auto-IRA)提供州となった。これで、16州+2市が制度導入したことになる。※ 参考テーマ「地方政府年金」
Center for Retirement Initiatives, Georgetown University
Source : | DeSantis wants to ‘make America Florida.’ That could mean many more uninsured (Los Angeles Times) |
2024年の大統領選に名乗りをあげているDeSantis FL州知事は、公約として"Make America Florida"を掲げている。アメリカをフロリダにする、という訳だ。
フロリダ州は、Medicaid拡充を頑なに拒み続けている代表的な州である(「Topics2023年3月30日 MS州:Medicaidが知事選争点」参照)。その結果、無保険者割合は、TX、OK州に次いで全米で3番目に高い15.1%(2021年、65歳未満)となっている。全米が10.2%なので、1.5倍もの高さとなっている(Kaiser Family Foundation)。
全米の無保険者割合をPPACA以前に戻そうというのだろうか。
※ 参考テーマ「政治/外交」、「連邦レベル」、「FL州」
Source : | Universal Paid Leave Bill Reintroduced (HR Policy) |
連邦版FMLAが連邦議会上下両院に提出された。 これまでにも連邦議会でもFMLAは議論されてきたが、頓挫を繰り返してきた。今回の両法案では、従来の法案に較べて特徴的なところがいくつかあるという(過去の法案との比較表)。※ 参考テーマ「FMLA」
- 有給休暇の取得期間:最大12週間
- 受給開始までの待機期間:ゼロ
- 給付水準:低所得者層は最大85%。一般のフルタイマーは約2/3。
- 財源:企業と従業員で給与課税0.2%。課税対象はMedicareと同じ(「Topics2023年3月8日 Medicare保険料率引上げ提案」参照)。
- 制度運営機関:SSA内に"Office of Paid Family and Medical Leave"を新設。
Source : | PBM bill advances through House subcommittee (Modern Healthcare) |
連邦議会両院で、PBMの情報開示を強化する法案の審議が進んでいる(「Topics2023年4月27日(4) PBM狙い撃ち法案」参照)。どちらも超党派で進められているようで、成立する可能性は高いと見られている。
- 上 院:Pharmacy Benefit Manager Reform Act of 2023 (S.1339)
- "spread pricing"の禁止
- 製薬会社から受け取ったリベートを全額消費者に還元する。
- 薬価の開示4月27日(4) PBM狙い撃ち法案
- 製薬会社から受け取った患者負担助成金の開示
- 下 院:Transparent PRICE Act of 2023 (H.R.2691)
- PBMから契約企業に対して、処方薬に関する情報を毎年報告することを義務付ける。
- GAOに対して、グループ医療保険の処方薬に関するネットワークについて調査、報告するよう命じる。
※ 参考テーマ「医薬品」