4月18日 CO州:州立医療保険プラン案
Source :Colorado Senate advances public option health insurance bill (Modern Healthcare)
新任のColorado州知事(CO州)と与党民主党がコントロールする州議会が、次々と医療関連法案を動かしている。
  1. 病院診療価格の透明性確保法 ⇒ 既に法案成立

  2. 州運営医療保険プラン創設調査法案 ⇒ 州議会可決

  3. 州運営再保険制度の創設 ⇒ 議会法案審議中

  4. 処方薬価格透明性確保 ⇒ 議会法案審議中

  5. カナダからの処方薬輸入許可申請(対連邦政府) ⇒ 議会法案審議中

2.の州運営医療保険プラン創設については、この11月までに、制度の骨格やコスト推計、財源、連邦政府からの認可などについて提案をまとめるよう、州政府に要請する内容である。同保険プランは、民間企業が提供する保険プランと競合するものであり、州内郊外地域の保険料を低減させることが目的である。

同様の州運営医療保険プランは、ワシントン州でも議論されているそうだ。

CO州は、2016年に単一保険制度案が州民投票で大差で否決されている(「Topics2016年11月11日(3) CO州:単一保険制度否決」参照)。今回の一連の医療関連法案は、単一保険制度の部品を一つひとつ導入して、実態的に単一保険制度に近づけていこうという試みなのかもしれない。

※ 参考テーマ「無保険者対策/CO州

4月17日 Medicaid拡充が完了したら
Source :Uninsured Adults in States that Did Not Expand Who Would Become Eligible for Medicaid under Expansion (The Henry J. Kaiser Family Foundation)
現在、Medicaid拡充が行われていない州は14州となっている(「Topics2019年4月10日 ID州:就労義務規定付きMedicaid拡充」参照)。上記sourceは、残り14州がすべてFPL138%まで加入資格を緩和した場合、Medicaid加入者が440万人増加するとの試算を紹介している。
※ 参考テーマ「州レベル全般

4月15日 SSN不突合通知
Source :SSN No-Match Letters Return (SHRM)
この4月から、SSN不突合通知(SSN No-Match Letters)が7年ぶりに再開されるという。企業が提出したW-2記録に掲載されている従業員名とSSNが連邦政府の記録と一致しない場合、この通知が企業に送付されてくる。先ずはその変遷から。

今回は、移民法の施行強化を目的に再開された。

では、今回再開されたSSN不突合通知(SSN No-Match Letters)を企業が受け取った場合、どうすべきかが上記sourceで紹介されている。
  1. 通知書には、不突合となった従業員名とSSNは記載されていない。

  2. 先ずは、Social Security Administration's Business Services Online (BSO) に登録し、不突合となった従業員名とSSNを確認する。

  3. 事務的な記録ミスがないかどうか確認する。

  4. 当該従業員に通知する。

  5. 同時に、適切な期間内(SSAは60日間としている)に、SSAと連絡して、問題を解決するよう要請する。
その際の注意点は次の通り。 こうしたトラブルを回避するためには、E-Verifyの活用が望まれるとされているが、その実効性は定かではない(「Topics2018年8月27日 執行されないE-Verify法 」参照)。

※ 参考テーマ「移民/外国人労働者」、「人事政策/労働法制」、「公的年金改革

4月12日 Medicare for "All"/"America"
Source :As Sanders Calls For 'Medicare-For-All,' A Twist On That Plan Gains Traction (NPR)
4月10日、Bernie Sanders上院議員(I-VT)が"Medicare-for-All"法案を議会に提出した。上記sourceによれば、主なポイントは次の通り。
  1. 全米をカバーするsingle-payerである"Medicare"制度を創設する。

  2. 民間保険会社が"Medicare"保険プランを提供することを禁止する。

  3. 給付内容は大幅に拡充する。

  4. 加入者の負担は全廃する。

  5. 介護サービスも含める。州政府に加入者要件の決定権を持たせる。
最後の5点目は新しい要素だが、大筋は先の民主党議員達が提出した"Medicare-for-All"法案と同じだ(「Topics2019年3月1日 Medicare for All法案」参照)。

民主党リベラル派を自認する議員達は、医療保険制度の抜本改革を主張する(「Topics2019年3月20日 リベラルのリトマス試験紙」参照)。ところが、そうした議員達の間では、内心では"Medicare-for-All"法案の内容に懐疑的な者も多くいるようだ。そうした議員達が考えているのが、"Medicare-for-America"法案である。Medicare改革を標榜するものの、政治的な現実路線を追求しようとする内容だ。
  "Medicare-for-All"法案"Medicare-for-America"法案
加入者全国民全国民
企業提供プラン認めない認める(加入者が選択)
民間保険プランによる代行認めない認める
加入者負担
保険料/免責額/窓口負担
なしあり
「Medicareの加入者要件を拡大する」と言った方がよさそうだ。

連邦議会民主党は、2020年大統領選に向けて、3つの路線が模索されている。 ※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「大統領選(2020年)

4月11日 "T"の職場環境
Source :Although transgender workers face steep barriers, corporate America wants to hire them (Los Angeles Times)
アメリカで"Transgender"を取り巻く環境が社会的課題として認識され始めてから久しい(「Topics2015年6月28日 次はtransgender」参照)。特に、transenderにとっての就職、職場環境は、厳しい状況が続いている。上記sourceでは、CA州の実態が紹介されている。 そうした状況がある一方で、企業側の意識も大きく変わってきている。Human Rights Campaign Foundationが実施している調査で、「LGBTQにとって平等な職場」として評価された企業は、2002年にはわずか13社であったが、2019年には572社にのぼった。

その中の一つがスターバックス社である。上記sourceでは、同社の医療保険プランの内容が紹介されている。企業が提供する医療保険プランで、transenderのニーズを取り込んでいくことが大きな課題となっていた(「Topics2015年7月27日 Transgenderの保険プラン」参照)が、同社のプランの保険給付対象には性転換手術が含まれている。また、トランスジェンダーのパートナーの造胸手術、顔の整形手術、頭髪の移植手術も対象となっている。

ところで、上記sourceを読んでいて、"nonbinary"という用語を初めて知った。

※ 参考テーマ「LGBTQ