1月31日 企業プラン加入者は1割減 
Source :CBO Now Says 10 Mil Will Lose Employer Health Plans Under ObamaCare (Investors.com)
CBOによるPPACA関連支出、企業提供保険プラン加入者、無保険者の2021年までの推計が公表された。上記sourceは、企業提供保険プラン加入者、無保険者についての推計を、同じCBOの2011年当時の推計と比較している。 Obama政権は、企業提供プラン加入者についてほとんど影響がないと主張していたが、現時点では1,000万人も加入者が減少するとの推計になっている。また、無保険者数についても、2011年の推計では2,300万人になるとしていたが、現時点では3,100万人も残るとされている。

PPACAがアメリカ国民に不人気なのは、こうしたことが実感されているからなのだろう。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「医療保険プラン

1月30日 IN州:変形Medicaid拡充決定 
Sources : Indiana Medicaid Expansion May Tempt Other GOP-Led States (Kaiser Health News)
Indiana Will Allow Entry to Medicaid for a Price (New York Times)
Indiana州(IN州)は、28番目のMedicaid拡充州となった。ただし、共和党州知事の粘りにより、変形Medicaid拡充(州としては5番目)となっている。 この措置により、約35万人の新規加入が見込まれている。

保険料負担を求める拡充策は、Iowa州、Michigan州でも認められており、保守色の強い州におけるMedicaid拡充策として広がりつつある。
※ 参考テーマ「無保険者対策/州レベル全般」、「無保険者対策/その他州

1月29日 退職者医療プランの受給権を否定 
Source :Supreme Court knocks down promised health benefits for union retirees (Los Angeles Times)
1月26日、連邦最高裁は、『退職者医療プランの給付期間が明記されていない場合は、加入者の終身受給権は認められない』との判決を下した。

ある事業主と労組との間の労使協議に基づき、全額事業主負担の退職者医療プランを提供することとしていたが、買収されたことを切っ掛けに新事業主が加入者の保険料負担を求めた。これに反発した従業員が提訴し、第6控訴裁判所は、報酬の後払いであるとして全額事業主負担を継続すべきとの判決を下した。

新事業主はこれを不服として連邦最高裁まで訴えたのだが、連邦最高裁は全員一致で、上述のような判決を下した。しかも、第6控訴裁判所に対して、『曖昧な表記を終身給付を約束したものと解釈すべきではない』と批判している。

連邦最高裁がこのような判決を下したことは、PPACAの保険料補助金を巡る裁判の行く末を暗示しているのではないだろうか(「Topics2014年11月11日 最高裁が保険料補助金を審議」参照)。少なくとも2つの控訴裁判所は、『PPACAで規定している保険料補助金は、州立Exchange加入者に限定されている』との理由で、連邦立Exchangeにおける保険料補助金の提供は違法であるとの判断を下している(「Topics2014年10月2日 保険料補助金の合法性」参照)。

連邦最高裁の今回の判決論理で行けば、『法律上明記していない連邦立Exchangeでの保険料補助金を、支出可能と解釈すべきではない』ということになるのではないだろうか。

※ 参考テーマ「VEBA/Legacy Cost」、「無保険者対策/連邦レベル

1月28日 HHSの対応 
Source :Added protections for consumer information on health website (AP)
HealthCare.govからの個人情報漏洩疑惑に対し、HHSは、漏洩の可能性があることを認識しているとしたうえで、次のような対応を採ったと報じられている。 連邦議会は、このHHSの対応には納得しておらず、全体像を説明するよう求めている。問題解決までには時間がかかりそうである。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル

1月23日 HealthCare.govから情報漏洩 
Source :Government health care website quietly sharing personal data (AP)
連邦立Exchangeのポータルサイト(HealthCare.gov)から個人情報が漏洩している可能性があると報じている。今のところ、漏洩された情報やそのルートがが特定されたわけではない。

しかし、APが実験してみたところ、同サイトにアクセスして個人情報を入力している10分間の間に、GoogleやFacebookなど、10を超えるwebsiteが利用者の目に触れない形でアクセスしてきていたそうだ。また、同サイトには、50以上の第3者のアクセスポイントが埋め込まれており、そこから情報が流れている可能性もあるという。

連邦議会も問題視しているようだが、HHSは特に反論をしていない。

折角、初年度の技術的トラブルを克服したと思われていたのに、サイトの裏で個人情報が漏れているとしたら、2年連続でシステムトラブルということになってしまう。国民からの信頼ががた落ちになりかねない。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル

1月22日 労働参加率低迷の訳 
Source :Why Labor Force Participation Is Still so Low (Businessweek)
上記sourceは、失業率が低下してきているのに労働参加率が上昇に転じない理由が3点あると紹介している(「Topics2015年1月12日 労働市場の光と影」参照)。
  1. Retirement

    ベビーブーマーが高齢化して労働市場から退出していることが、最も大きな要因である。。しかし、その一方で、比較的若い層(55〜64歳)での引退率は低下してきている。大不況で所得が下がったり、低金利が長引くことで、引退するだけの貯蓄がたまらなかった人達が増えているということだろう。
  2. School

    35歳以下で、学校に通う人達が増えている。しかし、こちらは卒業すればまた労働市場に戻ってくるし、実際、増加のピークは過ぎた模様だ。
  3. Disabled

    これは確実に増えてきており、労働市場に再参入する人は少ないとみられる。ここが最も深刻な問題かもしれない。
※ 参考テーマ「労働市場

1月21日(1) PPACAの政策評価 
Source :The Rise in Health Care Coverage and Affordability Since Health Reform Took Effect (The Commonwealth Fund)
リベラル派のシンクタンクの調査であることを差し引いても、PPACAの本格施行となった2014年の成果は大きかったと言えるようだ。以下、上記sourceで示された調査結果のポイント。なお、調査期間は014年7月22日〜12月14日、調査対象は19〜64歳、回答者数は4,251人。
  1. 無保険者割合、数とも2010年以降、低下している。
  2. 人種別にみるといずれも低下しているが、ラテン系の無保険者割合が高止まりしている。
  3. 金銭的な問題で必要な受診をしなかった割合は、調査開始以来はじめて低下した。
  4. 診療費の支払いに問題が生じた割合も低下している。
  5. Exchangeが州立、連邦立にかかわらず、無保険者割合は低下しているが、Medicaid対処者の拡充が行われている州では、無保険者割合が高止まりしている。
一旦、無保険者や金銭的な問題は低下したことは確認できた。問題は、今後、この傾向が維持できるか、少なくとも反転することがないかどうか、である。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル

1月21日(2) 一般教書演説(2015年) 
Source :Remarks by the President in State of the Union Address (The White House)
今年の一般教書演説は、大統領ご自身が
"In two weeks, I will send this Congress a budget filled with ideas that are practical, not partisan.  And in the months ahead, I’ll crisscross the country making a case for those ideas.  So tonight, I want to focus less on a checklist of proposals, and focus more on the values at stake in the choices before us."
と仰っているので、政策提言メニューについては、予算教書でコメントすることとする。実際、当websiteとして、言及すべきと思われるテーマは見当たらなかった。

※ 参考テーマ「一般教書演説