2月20日 CA州:民主党がflextimeに反対 
Source :Democrats' blanket rejection of flextime is shortsighted (Los Angeles Times)
CA州議会が、flextimeを巡り、捩れた構図になっているらしい。

共和党が、週40時間労働で、10時間×4日を可能とするよう、法案を提出している。現在の州法では、1日8時間労働をオーバーすると、必ず1.5倍の残業代を支払わなければならない。これを、同じ週40時間なのだから残業代を払わなくてもよくするようにしたいという。

これに対し、労働組合は『1日8時間労働』が大変重要なのであり、ここを崩す訳にはいかない、と強硬に反対している。このため、民主党議員達も、この法案に反対のスタンスを貫いている。

Flextimeを利用する方にしてみると、1日10時間労働で、週3日休みを取れた方が便利、という人達がいる。上記sourceでは、シングルマザーのケースを挙げている。他にも、学校に通っている場合などは、そうした労働形態の方が好ましいだろう。

共和党がflextimeを推進しようとし、民主党がそれを拒むという構図になっている。

※ 参考テーマ「Flexible Work

2月19日 Community college入学生減少 
Source :Community college enrollment falls in Maryland and Virginia, echoing national trend (Washington Post)
Community collegeに入学する学生数(Two-Year Public)が、ここ2〜3年、減少傾向にあるという。




National Student Clearinghouse Research Center
上記sourceによれば、3年間で、24%(MD州)、30%(VA州)も減少したcommunity collegeがあるそうだ。理由は、景気回復だという。景気が回復してくると、求人が増えてきて就職しやすくなるので、community collegeに通って技能を身につける必要性が低下する、という理屈だそうだ。

上図をよく見ると、大学全体でも入学生数が減少している。景気が回復すると大学入学希望が増える日本とはだいぶ事情が違うようだ。

※ 参考テーマ「教育

2月18日 フルタイマーの実態 
Source :Why Changing the Definition of Full-Time Work Under the ACA Will Put More Workers at Risk and Increase Federal Spending (Commonwealth Fund)
PPACAでいうフルタイマーの定義を変更しようという動きが根強くある(「Topics2013年7月11日(2) フルタイマー定義法案」参照)。上記sourceは、そんなことをすると、企業が就業時間をわずかに調整するだけで容易にフルタイマーをパートタイマーに変更できてしまう、との危惧を訴えている。

興味深いのが次の図である。
まさに実態として、大企業では40h/wの就業形態が圧倒的多数を占めているのである。だから、フルタイマーの定義を40h/wにしたらどうか、との提案になるのだが、そうすると、企業は週1時間の勤務を削るだけで、保険プラン提供義務のないパートタイマーに変えてしまうことができる、というのである。

まさかそんな簡単にするとは思えないが、そうした危惧も理解できるところである。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「労働市場

2月17日 HRA & HSA 
Source :Do Shifts in Health Accounts Portend Bigger Changes Ahead? (EBRI)
どちらも医療貯蓄勘定として利用は増えてきているものの、2001年からスタートしたHRAは2013年になって伸び悩んだのに対し、2004年スタートのHSAは2013年に大きく伸びた(「医療貯蓄勘定 比較表」参照)。 HSAは、PPACAにより、高免責額保険プランとのセットで普及し始めていることがよくわかる。

※ 参考テーマ「HSA

2月16日(1) PPACAの"Family"とは? 
Source :Some Same-Sex Couples Denied Family Policies On Insurance Marketplaces (Kaiser Health News)
PPACAにおける"Family"のい定義が曖昧になっているらしい。というか、定義がなされていないようだ。

上記sourceでは、PA州の同姓婚カップルが、Exchangeで提供されているfamily planへの加入を拒否されたとのことである。このfamily planは、同姓婚カップルに対する提供はしておらず、その場合にはそれぞれ個人として加入してもらうようになっている。

一方、NC州では、当初、やはり同姓婚者にはfamily planを提供しない予定であったが、加入拒否が相次ぎ、これが報道されて問題視されるようになり、既にfamily planへの加入が可能となっている。

PA州、NC州ともに、同姓婚を認めていない州であることから、こうした問題が発生したものと思われる。

そこで、Exchange設立形態と同姓婚承認状況の比較表を作成してみた。
ここで、州立Exchangeと同姓婚承認の組み合わせとなっている州は、おそらく大きな問題とならない。既に同姓婚を認めているのだから、州立Exchangeでも同姓婚をfamily planに加入できるようにすればよいのだから。

問題が発生するのは、次の2つの場合であろう。
  1. 州立Exchangeを運営している一方、同姓婚を認めていない場合(上表の黄色)

    この場合、同姓婚カップルをfamily planに入れるように州政府が保険会社を指導するケースは少なくなるだろう。

  2. 連邦立Exchangeを運営している一方、同姓婚を認めていない場合(上表の橙色)

    この場合、連邦政府が同姓婚を容認する立場を表明している以上、Exchangeの保険プランでも同姓婚者がfamily planに加入できるようになるべくしようとするであろう。それに対して、州政府がどういう立場を示してくるか。上のNC州のように、妥協が図られるかもしれないし、PA州のように認めない状況が続くかもしれない。ここで、連邦政府と州政府が鋭く対立する可能性が出てくる。
こうした状況をCMSは充分認識しており、2015年に向けて解決策を用意するとしているそうだが、ことはそう簡単ではあるまい。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/州レベル全般」、「同姓カップル

2月16日(2) VA州:同性婚憲法違反判決 
Source :Federal judge strikes down Va. ban on gay marriage (Washington Post)
2月13日、VA州にある連邦地方裁判所は、『同性婚を禁じているVA州法は連邦憲法違反である』との判決を下した。UT州、OK州に続く、連邦裁判所の介入である(「Topics2013年12月23日 UT州:郡が同姓婚証明書発行」「Topics2014年1月18日 OK州:同性婚憲法違反判決」参照)。

※ 参考テーマ「同姓カップル

2月15日 無保険者は特定地域に集中 
Source :Half the nation’s uninsured live in just 116 counties (Washington Post)
2月12日に公表された数字では、昨年10月から1月末までにExchangeを通じて保険加入した者は330万人に達した模様である(Kaiser Health News)。最終的に、CBOが予測しているように、600万人に達するかどうかが一つの注目点である(「Topics2014年2月7日 PPACAで労働供給減少」参照)。

ただし、18〜34歳の若者の加入が、相変わらず余り増えていない(「Topics2014年1月15日 Exchange:3ヵ月間の加入実績」参照)。加入者全体に対して若者が占める率は、昨年10〜12月の3ヵ月間で24%だったのが、1月を加えた4ヵ月間で25%とわずかに上昇したにとどまっている。これは1月単月でみると、若者が27%を占めていたことによる。
残りあと2ヶ月足らずで、若者世代がどれだけ加入してくるかに、Exchangeの成否がかかっている。

その若者世代の無保険者達の属性だが、最近の調査では、無保険者は全米の中でも特定の地域に集中しているという。

Source: Associated Press

この地図を見る限り、若者の多い都市部に集中しているように見える。

保険未加入に伴うペナルティを回避するためには、今年3月末までに保険加入する必要がある。連邦政府側からみれば、短期間で若者の無保険者を減らしていくためには、上図で示された無保険者の多いcountyで、集中的にキャンペーンを張ればいい。しかも、CA州やNY州は州立Exchangeがあるので州政府に任せればいいので、連邦立Exchangeの州だけに限定できる。こんなに恵まれた条件は滅多にないのではないか。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/州レベル全般

2月14日 Obama大統領の賃上げ要請 
Source :President Obama: "What I Signed Today" (The White House)
2月12日、Obama大統領は、大統領令により、連邦政府事業の請負企業の最低賃金を$10.10/hに引き上げることを命じた(「Topics2014年1月29日 Obama大統領も賃上げ要請」参照)。その際に公表された大統領のステートメントのポイントは次の通り。
  1. 各企業が従業員の賃金を引き上げれば、従業員のやる気が伸びてや勤務期間が長くなる。

  2. 連邦議会が連邦最低賃金を$10.10/hに引き上げれば、2,800万人の賃金が引き上げられ、貧困層から脱出できる人達は何百万人にも及ぶ。

  3. 600人の経済学者が、最低賃金を引き上げても雇用への悪影響はわずか、または全くないと主張している。
以前にも述べたことがあるかもしれないが、分配論に政府が介入することは、民主主義、私的契約の尊重を脅かす可能性がある。本当に分配に介入したいのであれば、権限を持っている再分配精度で行うべきだろう。ただ、(最低)賃金を上げろ、上げないといった表面的な議論だけに終始することは危険だと考える。

※ 参考テーマ「最低賃金

2月13日 AOL:DCプランとPPACA 
Sources : Mamas, Don't Let Your Babies Be Born at AOL (Businessweek)
AOL takes 'blame Obamacare' to a new level (Los Angeles Times)
Facing Criticism After Remarks, AOL Chief Reverses 401(k) Changes (New York Times)
最初にBusinessweekの記事を読んだ時、こんな提案があるんだ、とびっくりした。AOLは、2月6日、同社の401(k)プランに対する事業主拠出ついて、次の通り変更する意向を示した。 これだけなら、既にIBMが2012年に実施しているそうだ。しかし、その理由が医療関係のコストがかかるから、というのだ。中でも次の2項目が注目を集めた。
  1. PPACAを遵守することで、$7.1Mのコストがかかる。

  2. 従業員の乳児2人のために、各$1Mのコストがかかった。
上記1.について考えられるのは、 ということだが、前者でそんなに大きな費用がかかる訳がない。後者は2018年からしか課税されない。何でそんなにAOLのコストアップになるのかわからない、と言われている。

もっと激しく非難が集中しているのが、上記理由の2.である。 激しい非難を受けて、2月8日、AOLのCEOは変更提案を取り下げると従業員に通知した。これによってAOLが失ったものは大きい。従業員の忠誠心が低下したことは間違いない。そして、最大の問題は、『乳児に対して冷たい』とのレッテルを貼られてしまったことである。上記sourcesのBusinessweekのタイトル"Mamas, Don't Let Your Babies Be Born at AOL"は、その象徴であろう。

※ 参考テーマ「ベネフィット」、「DB/DCプラン」、「医療保険プラン」、「無保険者対策/連邦レベル

2月12日 SGR廃止法案:本当に合意? 
Source :Congress Announced a Doc Fix. What's a Doc Fix Again? (Businessweek)
2月7日、交渉が続いてきたSGR廃止法案(H.R. 2810)について、両党の合意が得られたとの報道がなされている。(「Topics2014年1月27日 SGR廃止法案」参照)

詳細な内容は明らかにされていないようだが、以前に紹介したことに、
○ 新報酬体系に移行するまでの5年間、現行Medicare診療報酬の毎年0.5%の引き上げを認める
との項目が加わっているようだ(「Topics2013年11月2日 さらばSGR」参照)。

ところが、肝心の財源手当についても詳細がわかっていない。上記sourceでは$120〜150Bとしているし、CBOの推計でも$121Bとされている(いずれも10年間)。この構図は、失業給付延長の議論と同じである(「Topics2014年2月8日 失業給付延長法案否決」参照)。向かっている方向は合意しながら、そのための財源で折り合いがつかない。

だから、「本当に合意したの?」と疑いたくなるのである。

※ 参考テーマ「Medicare

2月11日 企業ペナルティ再延期 
Source :Health Insurance Enforcement Delayed Again for Some Employers (New York Times)
Obama政権は、2月10日、中規模企業以上の企業について、医療保険プラン提供義務の執行を再延期すると公表した(「Topics2013年7月3日 企業ペナルティ:一年先延ばし」参照)。具体的には、次のようになる。 ちなみに、延期の理由は、法律遵守のための準備期間を確保するため、とのことである。

しかし、それにしても、PPACAのコアの部分の施行が次々と先延ばしになっている。New York Times紙は、わざわざこれまでのPPACAの変更・延期リストを作成している。

Exchangeだけは予定通り開始して、加入義務・提供義務など、ペナルティに関連するところは軒並み先送りとなっている。明らかに中間選挙を意識した変更・延期である。こんなことをしていては、折角のExchangeも、「加入者の不足⇒保険料の上昇⇒加入者のさらなる不足」という負のスパイラルに陥りかねない。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル