8月19日 選挙区見直し前倒し
Sources : Trump prompted a battle over voting maps. Here's how redistricting affects voters (NPR)
The fight is on. How redistricting could unfold in 8 entangled states (NPR)
連邦議会下院選挙に向けた選挙区見直しが始まっている。通常は、10年に1回行なわれる国勢調査(センサス)結果が出てから、各州で選挙区見直しが始まる(「Topics2010年12月23日 Redistricting開始」参照)。

ところが、トランプ大統領は、次の2026年中間選挙で、TX州選出の共和党の議席を5つ増やすよう要請した。これを受けて、TX州議会共和党は、選挙区見直しのための法案を提出し、可決しようとしている(「Topics2025年8月1日(2) TX州共和党 新選挙区割り提案」参照)。

これに対抗して、CA州知事は、新しい選挙区割りを提案し、今年2025年11月4日の特別州民選挙に掛けようとしている。CA州は、選挙区の設定を独立委員会(Citizens Redistricting Commission)に委ねているため、州知事としては州民選挙でしか動かすことができない状況にある。仮にCA州知事案が通れば、CA州選出の民主党議員は5人増える可能性があるという。

by LLS
TX州、CA州を含めて、全米で8州が、来年の中間選挙を見据えて、早期の選挙区見直しを議論しているという。その中で唯一、通常の見直しプロセスを勧めているのが、OH州である。OH州は、2018年に選挙区に関する州法を改正した。その中で、選挙区見直しをセンサスの中間時点で行なうとともに、ゲリマンダリングを防止するための規定を盛り込んだ。その後も州最高裁判所がゲリマンダリングに対して厳しいスタンスを堅持している(「Topics2019年5月5日 OH州:ゲリマンダリング違憲判決」「Topics2022年1月15日(1) OH州最高裁が選挙区案差戻し」参照)。OH州議会共和党は、この通常プロセスの中で、2~3議席増加を目指して選挙区見直しを議論している。当然、トランプ大統領、連邦議会共和党も注目しているところである。

もうこうなってくると、党派色の有利不利を巡る選挙区見直し方法を改めようとしてきたこれまでの努力は、水泡に帰したようだ(「Topics2022年12月22日(2) ゲリマンダリング効果測定」参照)。

※ 参考テーマ「政治/外交」、「中間選挙(2026年)

8月17日(1) CPI上昇続く
Source :Consumer Price Index Summary (BLS)
8月12日、BLSは7月の消費者物価指数(CPI-U)を公表した。前年同月比2.7%の上昇と、前月と同じ上昇幅となった(「Topics2025年7月16日(1) CPI上昇鮮明」参照)。コアの伸び率は3.1%でこちらはさらに上昇幅が拡大した。
足許については前月比でプラスの0.2%に低下した。
食料品価格は2.9%と同様の水準の上昇が続いている。
エネルギー価格は再びマイナス幅が拡大し、前年同月比-1.6%となった。
電気代の大幅上昇(前年同期比5.5%)が続いている。データセンターの大幅増加が電気代を押し上げているとの報道もある(NPR)。
住居費は前年同月比3.7%増とほぼ横ばいが続いている。
サービス業の価格上昇率は3.6%と横ばい。
7月の実質時給は、前月比0.1%増、前年同月比1.2%増となった(Real Earnings News Release)。
日本の内閣府の分析によれば、関税の引き上げによるコスト上昇はマージン(利幅)の圧縮によって吸収されるとみられている。特に、モノの消費者物価(5月)は前年比でほぼ横ばいとなっている。消費者への価格転嫁は進んでいない(日経新聞)。

※ 参考テーマ「労働市場

8月17日(2) 継続失業保険申請増勢続く
Source :UNEMPLOYMENT INSURANCE WEEKLY CLAIMS (DOL News Release)
8月14日、労働省は、8月9日の週の新規失業保険申請件数を公表した(「Topics2025年8月8日(1) 失業保険申請増加続く」参照)。 継続件数の上昇傾向は持続しているものと思われる。

※ 参考テーマ「労働市場