7月20日 州Exchange保険料10%増か
Source :An early look at what is driving health costs in 2023 ACA markets (KFF)
上記sourceは、13州+D.C.のExchangeについて、保険会社が提出した2023年保険料第1次申請を分析したものである。そこから読み取れるのが、次の諸ポイント。
  1. 申請ベースの保険料増加率の中位数は、10%程度。
  2. 保険料の上昇要因は、主に次の3つ

    1. インフレーション(「Topics2022年7月15日 CPI上昇率9.1%」参照)

    2. コロナ感染症拡大。ただし、上昇寄与はわずか。

    3. アメリカ救済法に基づく保険料補助の廃止(「Topics2021年3月11日 $1.9Tコロナ経済対策法案成立へ」参照)。ただし、これも上昇寄与はわずか。


※ 参考テーマ「無保険者対策/州レベル全般

7月15日 CPI上昇率9.1%
Source :No retreat in the summer heat. Inflation blistering at 9.1% in June (NPR)
7月13日、BLSは今年6月の消費者物価指数(CPI-U)を公表した(News Release)。前月比1.3%、前年同月比9.1%の上昇となった。前年同月比では1981年11月以来の高水準である(「Topics2022年6月12日 CPIさらに上昇」参照)
幅広い品目で上昇がみられるが、相変わらずガソリンの高騰は激しい。
エネルギー価格上昇率は41.6%(前年同月比)と、先月を上回っている。
食料品の価格も、10.4%と一本調子の急上昇が続いている。
住居費も5.6%増と、上昇率が高まり続けている。
こうした物価上昇のため、実質時給は低下傾向にある(Real Earnings News Release)。6月は前月比-1.0%、前年比で-3.6%となった。
※ 参考テーマ「労働市場

7月14日 賃上げよりも在宅勤務
Source :Lean Out: Employees Are Accepting Lower Pay In Order To Work Remotely (NPR)
McKinseyの調査によれば、現状、フルタイムで自宅からリモートワークできる人は35%、パートタイムまたは日時によってリモートワークできる人は23%となっている。合計すると、58%の従業員が、何らかの形でリモートワークができるようになっている。
一方、アメリカ企業500社以上を対象にした調査によれば、過去1年間に従業員のリモートワークの機会を拡大したと回答した割合は38%に達し、今後1年間についても、同様の割合の企業が拡大すると回答している。

そうした状況の中で、アメリカ企業は、リモートワークの機会の提供、拡大を、賃上げ抑制のツールとして利用しているようである。インフレが進行する中で、従業員の実質賃金維持の要求が高まり、賃上げ要望が高まってくるが、その代替措置としてリモートワークの機会の提供、拡大が有効のようなのである。こうした状況を、上記sourceでは、"Lean Out"と呼んでいる。
"Lean Out, when employees accept lower pay for the opportunity to work outside company doors."
この調査によると、"Lean Out"効果により、昨年1年間で賃上げ圧力が1%ポイント低下したとされている。この効果は、今後1年間も同様に作用すると予見している。また、リモートワーク拡大に伴う、ビジネスコスト削減効果も見込まれている。オフィス賃料、従業員の転職リスクなどを抑える効果があるためだ。

※ 参考テーマ「Flexible Work」、「労働市場

7月13日(1) 中絶支援策は区々(3)
Sources : How companies offering to cover travel for out-of-state abortions might work (NPR)
Many employers are promising abortion travel benefits. How will they work? (HR Dive)
上記sourcesでは、企業が検討する人工妊娠中絶への支援策が紹介されている。
  1. 一番容易いのは、既存の企業提供保険プランで、"fully insured plans"タイプの場合(「Topics2022年6月29日(1) 中絶支援策は区々(2)」参照)。単純に支援プランを追加するだけですむ可能性が高い。HIPPAの対象となるため、利用者の個人情報も保護される。

  2. 次に、保険プランとは別に、中絶手術を受けるための旅費等について、企業自身が支弁するプランを別途創設することが考えられる。ただし、この場合は、個人情報が企業に提供されてしまうことになる可能性が高い。また、利用した従業員に所得税が課される可能性がある。

  3. そこで、外部機関にこの業務を委託することが考えられる。この場合、上記と同様の所得税に関する懸念がある。

  4. いずれの場合でも、州法で妊娠中絶支援を禁じた州では、妊娠中絶に反対する従業員が内部告発する可能性がある。
企業内の政治色が一段と高まりそうな気配である。

※ 参考テーマ「医療保険プラン」、「ベネフィット

7月13日(2) CA州最賃:署名集まらず
Source :California to vote on $18 minimum wage - in 2024 (HR Dive)
CA州の最低賃金$18/h引き上げ州民投票案は、必要な署名数が集まらなかったため、今年秋の投票はなくなった(「Topics2022年5月15日 CA州:最低賃金引き上げへ」参照)。早くても2024年秋の投票となる見込みだ。

※ 参考テーマ「最低賃金

7月12日 労働市場参加率低下
Source :Hiring slipped only slightly in June, with no sign of a looming recession (NPR)
7月8日、雇用統計が公表された(BLS)。6月の雇用増は37.2万人となった(「Topics2022年6月5日 労働市場はタイト」参照)。

幅広い業種で雇用増となった。なかでもサービス産業の雇用増が顕著である。
失業率は3.6%で4ヵ月連続の横ばい。
長期失業者(27週以上)の割合は22.6%となり、低下傾向は続いている。
労働市場参加率は62.2%と低下し、上下を繰り返している。
25~54歳の労働市場参加率は82.3%と、こちらも低下した(BLS)。
労働市場に参加していない人の中で仕事を得たいと考えている人数は2ヵ月連続減少した。
※ 参考テーマ「労働市場