4月30日 Gender 'X'付き出生証明書
Source :Oklahoma bans nonbinary gender identities on birth certificates (NPR)
4月26日、Oklahoma州(OK)で、出生証明書に"Gender 'X'"(nonbinary gender markers)を利用することを禁止する州法が成立した(「Topics2022年4月12日 Gender'X'」参照)。これは全米初ということだ。

ことの経緯は次の通り。 そのうえで、今回、州法で禁じることとなったという訳である。

上記sourceによると、現時点で、15州+D.C.が、Gender 'X'付き出生証明書を認めていて、7月1日にはVermont州も加わるという(National Center for Transgender Equality)。

また、別のサイトでは、Gender 'X'付き出生証明書を認めている州は、次のようになっている(US Birth Certificates)。
疑問に思うのは、、出生証明書の性別欄は、"sex"とあり、"gender"ではない(A Guide To Gender Identity Terms (NPR))。ここはどう折り合いをつけていくのだろうか。

※ 参考テーマ「LGBTQ

4月27日(1) 州薬価抑制策トレンド
Source :State Drug Pricing Laws: 2017-2022 (NASHP)
上記sourceは、州の薬価抑制策(立法に至ったもの)の中期トレンドを示したものである(「Topics2022年4月6日 州の薬価抑制策類型」参照)。
  1. 2017~2022年の間に、50州全てで薬価抑制策が立法されている。その立法数は、全体で227本にのぼる。
  2. そのうち、圧倒的多数を占めているのが、PBMに対する規制である(「Topics2021年8月31日(2) 州でPBMs規制強化進む」参照)。立法した州は47州、立法数は123本と過半に達している。
  3. 次に多いのが、薬価の透明性の確保策である。立法した州は18州、立法数は25本。
  4. 続いて、処方薬輸入。立法した州は6州、立法数は8本
※ 参考テーマ「医薬品」、「処方薬輸入

4月27日(2) 高卒進学率停滞
Source :College Enrollment and Work Activity of Recent High School and College Graduates Summary (BLS)
上記sourceは、高卒の大学進学率、学士の就職率等を紹介している。ただし、サンプル数は少なく、あくまでも副次的な推計である。
  1. 2021年10月時点で、高校卒業生(16~24歳)の61.8%が大学等に進学した。これは、昨年の数値とほとんど同じである。(「Topics2022年1月14日(2) 大学入学者数減少続く」参照)

  2. そのうち、男性の進学率は54.9%、女性は69.5%であった。

  3. 2021年の学士取得者(20~29歳)のうち、74.8%が就職した。2020年の67.3%から顕著に上昇した。最近の労働市場の需給逼迫を反映したものであろう。
※ 参考テーマ「教 育」、「労働市場

4月27日(3) 学生ローン返済免除への期待
Source :The Biden Student Debt Question: Will He or Won’t He? (New York Times)
学生ローン返済免除への期待が高まっているそうだ。これまでに利払い・返済停止措置が7回も延長され、その措置期間は2年超に及んでいる(「Topics2022年4月7日(2) 学生ローン返済停止再延長」参照)。加えて、中間選挙が近づき、そう言えばバイデンは大統領選で返済免除を公約に掲げていたよな、という記憶が蘇ってきている(「Topics2020年11月20日 新政権:学生ローン免除へ」参照)。

当事者の学生ローン負債者達も、『バイデンに手紙を書こう』(#PensForBiden)キャンペーンを展開している。

仮に残高$10,000を免除する場合、必要となる財源は$321Bに達するとの試算もある(Federal Reserve Bank of New York)。バイデン大統領が今一つ煮え切らない理由の一つは、この巨額の財源である。しかし、それだけではなく、バイデン大統領側近達の間でも慎重論が強いそうだ。そもそも「債務免除」に賛成ではないというのも理由だが、もう一つは大統領に免除を言い渡す権限があるのかどうかとの疑問が呈されている。つまり、大統領令で免除できないのではないか、との考えである。

連邦議会で堂々と法案を通せれば何の問題もないことだが、今の民主党の勢力では、簡単に通過させられるかどうか不透明だ。それでも、中間選挙が終わって下院を共和党にひっくり返されればそれまでである。やはり、常に大統領令という手段は残るのだろう。

※ 参考テーマ「教 育」、「中間選挙(2022年)

4月26日 SB 労組 NLRB訴訟合戦
Source :NLRB sues Starbucks for retaliating against 3 workers involved in unionizing (NPR)
4月22日、NLRBは、Starbucksを相手取って訴訟を起こしたと発表した(NLRB Press Release)。労組結成に関与した従業員3人を解雇したのは、仕返し行為であり、違法だという主張だ。Starbucks側は、『全く納得できない。社の就業規則違反、州法違反を理由に解雇した』と全面的に争う構えである。

同社は、その他で、労組側が不公正な行為を行なったとして、2つの訴訟を起こした。労組側も全米で80もの不当行為があったとして同社を訴えている。

Starbucks社とStarbucks Workers United、NLRB連合軍が訴訟合戦となっている。Starbucksのイメージは相当程度傷つくだろう。

現在までに、31の店舗で労組結成投票が行なわれ、そのうち28の店舗で労組結成が決まった。労組によれば、全米31州で220以上の労組結成投票が検討されている。

※ 参考テーマ「労働組合

4月24日(1) Disney特区廃止法の財政影響
Source :DeSantis wanted to punish Disney. Repealing its tax status may hurt taxpayers instead (NPR)
4月22日、Ron DeSantis州知事はDisney特区廃止法案(SB 4-C)に署名した。法の施行は2022年7月1日、廃止期日は2023年6月1日である。

この法執行により、Disney Worldが存在するOrange countyOsceloa countyは、大きな財政負担を負うことになるそうだ。
  1. 現在、Disney特区では、Disney自身が自治体のように、電気、水道、道路、警察、消防などの自治サービスを運営管理している。

  2. そのために必要な資金は特区で年間$105Mを集めており、Disney自身も年間約$53Mを拠出している。

  3. 特区廃止後は、こうしたサービスを両countyが提供しなければならない。

  4. さらに、特区が負っている約$1Bの負債も両countyに引き継がれる。

  5. そのための財源を確保するため、両countyの住人の固定資産税は少なくとも20%は引き上げなければならない。また、企業も負担増を求められることになる。
こうした財政影響は、州議会上院の分析で示されていたので、州知事、議会共和党は、わかった上で賛成したということになる。これは単に州共和党 vs Disneyという対立構図だけでは済まない問題になりそうだ。

※ 参考テーマ「LGBTQ

4月24日(2) OR州有給FMLA運営開始近づく
Source :Oregon’s generous paid family and medical leave insurance program is gearing up (Lockton)
Oregon州(OR)の改正有給FMLAの施行が、いよいよ近づいてきた。2019年に成立した同改正法は、従業員1人以上の企業が対象となり、企業も従業員も拠出するという、全米で最も大規模な制度となっている(「Topics2015年6月19日 OR州:有給病気休暇法4番目」「Topics2022年4月14日 MD州:10番目の有給FMLA」参照)。 今年9月22日に運営規則が定まり、2023年1月23日拠出開始、9月23日から給付開始というスケジュールだ。
※ 参考テーマ「FMLA

4月22日(1) Disney特区廃止法案可決
Source :Florida Legislature votes to strip Disney self-government (Los Angeles Times)
4月21日、Disney特区廃止法案(SB 4-C)が、FL州議会から州知事に送付された(「Topics2022年4月20日(1) Disney vs 州知事」参照)。 と、スピード審議、可決であった。もちろん、Ron DeSantis州知事は署名する。

上記sourceによれば、法案では『Disney特区("Reedy Creek Improvement District")その他特区は2023年6月までに廃止、その後再指定の可能性あり』となっているそうで、今後の具体的なプロセスは不明である。

これでDisney Worldも普通の遊園地になるといえばそれまでだが、具体的なプロセスの中でDiney側が受けるダメージは計り知れない。これが『もの言う企業』に対する政治の対応なのだろうか。経済活動の中にも政治の分断が持ち込まれようとしている。

※ 参考テーマ「LGBTQ

4月22日(2) Verizon 最賃$20
Source :Verizon raises minimum wage to $20 an hour for U.S employees (Reuters)
4月18日、Verizonは、新規採用者等の最低賃金を$20/hに引き上げると発表した。労働市場がタイトでインフレが進む中、魅力的な企業たり続けるため、とのことである。

いよいよ、最賃$20/hの時代がやってきた。

※ 参考テーマ「最低賃金

4月21日 ME州:有給バケ買取義務
Source :No Vacation From Vacation Pay in Vacationland: Beware, Maine Employers! (Ogletree Deakins)
4月7日、Maine州(ME)知事は、“An Act Regarding the Treatment of Vacation Time upon the Cessation of Employment(Legislative Document (L.D.) 225)”に署名し、同州法は成立した。同法では、従業員10人超の企業に対して、従業員の退職時に積み立てた有給バケーション(未使用分)を金銭で買い取るよう求めている。

ME州経済界は、有給バケーションの定義が明確でないとして反対している。上記sourceでも、同州有給休暇法との間で混乱が存在するとしている。

有給バケーションの買取義務を導入している州は、まだまだ少ない(「Topics2021年8月28日(3) CO州:Vacation没収禁止」参照)。

※ 参考テーマ「ベネフィット