5月20日 結婚期間が長期化 
Source :Census Bureau Reports 55 Percent Have Married One Time (U.S. Census Bureau)
2009年センサスのうち、結婚状況についての調査結果が公表された。
  1. 15歳以上の国民の結婚経験
  2. 2009年時点での夫婦の結婚期間
    いずれも、1996年にくらべ1〜2%ポイント高まっている。

  3. 初婚同士の夫婦が離婚に至る期間の中位数は8年。

  4. 結婚した女性のうち、学卒以上の学位を有している割合は31%。1996年時点では21%であった。
※ 参考テーマ「人口/結婚/家庭/生活

5月18日 原点はRI州 
Source :Rhode Island’s Medicaid Experiment Becomes a Talking Point for Budget Cutters (New York Times)
Medicaidの"block grants"提案(「Topics2011年4月22日 Medicaid:連邦包括払い」参照)は、Rhode Island州(RI州)と連邦政府の取り決めを原点としているそうだ。

上記sourceによれば、RI州とCMSの取り決めは次のような内容となっている。 NJ州やWI州の知事達も、こうした連邦政府との取り決めに関心を持っており、自州にも導入したいと考えている。

この取り決めに伴い、前RI州HHS長官は、最初の18ヵ月間で$100M以上の歳出削減ができたと試算しているそうだが、その真偽は明らかではない。

一方、連邦政府のRI州Medicaid関連支出は、この間も増え続け、上限を設けたことに伴う連邦政府側のメリットはなかったようだ。

要するに、上限が高過ぎたために、連邦政府の支出に歯止めがかからなかったということである。これが低過ぎれば、逆にRI州の負担は急増していたであろう。結局は連邦政府と州政府の間の負担の押し付け合い、分担のルールでしかない。やはり、Medicaidに関する支出そのものについて何らかの対策を打たなければ、何も変わらないだろう。

負担ルールを変えるだけでは本質的な解決にはつながらない。

※ 参考テーマ「無保険者対策/州レベル

5月17日 MD州:不法移民に州民授業料(2) 
Source :States make their own tuition rules for undocumented students (Los Angeles Times)
今月10日、MD州知事は、不法移民の子弟が州立大学に入学した場合でも州民授業料を適用する法案(SB 167)に署名した(「Topics2011年4月16日 MD州:不法移民に州民授業料」参照)。

Washington D.C.に住んだことのある人ならわかると思うが、D.C.周辺に住んでいるとMD州もVA州も同じ生活圏にある。ところが、こうした教育機関における取り扱いは区々になっており、戸惑うところも多い。

上記sourceによれば、1982年の最高裁判決で、州政府は、高校までの公立学校について不法移民の子弟に開放しなければならないことになっている。ところが、連邦政府の移民政策の議論が進まないために、大学以上については、州政府が独自の判断で不法移民の子弟の取り扱いを決めている。同じ上記sourceで示されているのだが、州民授業料を適用しているかどうかの州の分布は右図のようになっている。SC州なぞは、不法移民の公立大学への入学そのものを認めていない。

こうした事態に対処するため、連邦議会上院では、DREAM Actが再び提出されているが、その成立見通しはまったく立っていない(「Topics2010年12月10日(2) 夢で終わった"Dream Act"」参照)。

ここで、日本人としては、よく理解できない部分がある。それは、違法入国者に公共サービスを提供することに罪悪感はないのだろうか、という点である。法律を犯して存在している「人」は、そもそも国民ではなく、州民でもない、というのが基本なのではないだろうか。

それが、高校までは公立学校に入れてやるのだ、という最高裁判決にはびっくりである。そのうえ、州立大学の授業料も、税金を負担している親の子供たちと同じ授業料を適用してあげようというのだ。ちなみに、メリーランド大学の場合、州民授業料は年間$8,416なのに対して、州外民授業料は年間$24,831にもなる。ちょっと日本人には理解しがたいのではないだろうか。

そうした基本的な疑問に応えてくれるかもしれないのが、上記sourceで紹介されている、MD州議会上院議員の次の言葉ではないだろうか。
"These students, when they graduate, they're not going to go back to their home country, because this is all they know. They're going to end up being bus drivers or servers, cutting our grass, when they potentially could be doctors, lawyers, helping make Maryland more productive and have a stronger workforce."
要するに『州に付加価値をもたらす可能性のある人材は、違法であっても活かせ』ということであろう。日本人、日本社会にこうしたマインドを求めることは、しばらくは難しいだろう。


※ 参考テーマ「移民/外国人労働者

5月16日 Captive争奪戦 
Source :Seeking Business, States Loosen Insurance Rules (New York Times)
"Captive Insurance"という金融ツールがあるそうだ。元々は、石油採掘会社などが、環境汚染や事故の補償などに備えて、子会社として保険会社を設立したものを指していた。それが、今、保険会社が"captive"を、しかも国内に設立する動きが広まっている。

保険会社にとっての最大のメリットは、コストを節約できることである。"Captive"の準備金は、被保険者が一社限りであることから、通常の保険会社に求められる水準より少なくて済む。その差額が親会社の保険会社にとって節約できるのである。

一方、保険会社を監督しているのは州政府である。州政府は、"captive"に関する規制を緩和し、"captive"を誘致することで、比較的所得の高い雇用を増やすことができる。さらには、"captive"への繰り入れ金に多少の課金をすることで、州政府の収入を得られている。

こうした動きの先頭に立っているのが、Vermont州である。同州に続いて、Hawaii、Delaware、New Jersey、Michigan、Nevada、Connecticutなどが、さらに規制を緩和したり課税率を引き下げたりして、誘致を図っている。

これから医療保険改革法が段階的に施行されていく中で、保険コストを引き下げるために、こうした動きはますます大きくなるだろうし、それは利用者側にとってもメリットになるかもしれない。

一方、保険会社からみれば完全子会社であり、連結対象であるはずなのに、"captive"という形式をとれば準備金が少なくて済むというのも変な話である。実際、California州は、こうした規制緩和を行わないこととしている。

ただ、Vermont州がこうした動きを強めているのには、別の理由があると思う。

第一に、VT州は人口が少なく、保険会社にとって魅力のない州である(「Topics2010年12月23日 Redistricting開始」参照)。少しでもいい環境を用意して保険会社をつなぎとめておきたいはずである。

第二に、同州が単一保険プランを導入しようとしていることもあるのではないだろうか(「Topics2011年5月8日 VT州:法案議会通過」参照)。もし単一保険プランが導入されると、民間保険会社にとってはますます魅力がなくなってしまう。これによる保険会社の退出を少しでも抑えたいという意向もあるのではないか。

※ 参考テーマ「医療保険プラン」、「無保険者対策/VT州

5月15日 基金の枯渇早まる 
Source :The 2011 OASDI Trustees Report (SSA)
今年のOASDIレポートが公表された。
KEY DATES FOR THE TRUST FUNDS
  OASI DI OASDI HI
First year outgo exceeds income excluding interesta 2017 2005 2010 2008
First year outgo exceeds income including interesta 2025 2009 2023 2008
Year trust funds are exhausted 2038 2018 2036 2024



X Dayはどんどん近づいてきている。

※ 参考テーマ「公的年金改革」、「Medicare

5月14日 DL州が異性婚同等権利賦与 
Source :Delaware Governor Signs Landmark Civil Union Legislation Into Law (Governor's Address)
11日、DL州知事が、同性カップルに異性婚と同等の権利を賦与する法案に署名し、同法案は成立した。施行は2012年1月1日とのこと。
同性婚の法的ステータス
州法州最高裁判決他州認可同性婚承認認可法案審議中異性婚同等権利賦与
MassachusettsA@
Vermont
ConnecticutA@
Iowa
New Hampshire
Washington, D.C.
California○→×(→○)*
Rhode Island
New York
Illinois
Maryland
New Jersey
Oregon
Washington
Nevada
Hawaii
Wisconsin
Delaware
Maine○→×

* CA州最高裁判決○ → Proposition 8× → 連邦地方裁判所○ → 第9控訴裁判所で審議中
※ 参考テーマ「同性カップル

5月12日(1) やはり現場が混乱(3) 
Source :Justice Dept. to Continue Policy Against Same-Sex Marriage (New York Times)
同性カップルの国内居住問題の続報である(「Topics2011年5月9日 やはり現場が混乱(2)」参照)。

アイルランド人男性のケースを差し戻したことについて、Eric Holder Jr. 司法長官は、
  1. 判断を確定する前に見過ごした点がないかどうかを確認するため、としたうえで、さらに、
  2. 移民行政においても"DOMA"の確実な執行を継続する
との意向を明示したのである。これでは同性婚推進派は落胆せざるを得ないだろう。行政執行による立法主旨の変更は、やはり無理があるのではないだろうか。

※ 参考テーマ「同性カップル

5月12日(2) シュワちゃん離婚 
Source :Arnold Schwarzenegger, Maria Shriver announce separation (Los Angeles Times)
シュワちゃんが離婚するとのこと。当websiteでもご無沙汰していたが、おそらくこれが最後の登場となろう。

"He won't be back."

※ 参考テーマ「シュワちゃん

5月11日 FL州:失業給付を削減 
Source :Florida Lawmakers Approve Deep Cuts in Jobless Benefits (New York Times)
6日、FL州議会が失業保険給付を削減する法案を可決した(「Topics2011年3月28日 失業保険の見直し」参照)。法案は既に州知事に送付されており、州知事は署名する意向を示している。

法案のによる制度改正の概要は次の通り。
  1. 失業率が10.5%以上の場合は、最長給付期間を26週から23週に引き下げる。

  2. 失業率が10.5%以下になった場合には、徐々に最長給付期間をさらに引き下げ、失業率が5%以下になればこれを12週にまで引き下げる。

  3. これに伴い、来年以降、保険料を引き下げる。
現時点で、FL州の失業率は11.5%、平均失業期間は17.7週となっており、すぐに影響は出ないという。むしろ、失業保険料を下げることで雇用のコストを低下させ、雇用を生み出す方に力点を置いているという。これも一つの社会実験である。FL州の雇用の動向を見守っていきたい。

※ 参考テーマ「解雇事情/失業対策