12月10日 Respect for Marriage Act成立へ
Source :Respect for Marriage Act clears Congress with bipartisan support (NPR)
12月8日、連邦議会下院は、"Respet for Marriage Act(H.R.8404)"の採決を行なった(「Topics2022年11月29日 Respect for Marriage Act採決へ」参照)。結果は、258 vs 169の賛成多数で可決された(Roll Call 513)。賛成票は、民主党219に加え、共和党から39も投じられた。

バイデン大統領は、即日歓迎のステートメントを発表しており、同法への署名、成立は間違いない。

何の根拠もないが、共和党から上院では12票、下院では39票もの賛成票が投じられたことは、連邦最高裁による同性婚サービスに対する審理に影響を及ぼすのではないだろうか(「Topics2022年12月9日 同性婚サービス提供拒否の可否」参照)。

※ 参考テーマ「LGBTQ」、「人口/結婚/家庭/生活

12月9日 同性婚サービス提供拒否の可否
Source :Supreme Court hears clash between LGBTQ and business owners' rights (NPR)
連邦最高裁で、LGBTQに関する審理が行われることとなった。

原告側の主張は次の通り。 被告となっているCO州司法長官は、一般顧客にサービスを提供する以上、同性婚カップルへのサービス提供を拒否することはできない、と主張している。それをサポートする学者は、異人種間の結婚へのサービス提供を拒否できるのか、という問いに対する回答と同じであると説明している。

保守派が多数を占める現在の連邦最高裁絵どのような判決になるのか。認められれば、同性婚に対する差別は残ることになると思うのだが。

※ 参考テーマ「LGBTQ

12月8日 上院で民主党51議席
Source :Democratic Sen. Raphael Warnock defeats Republican Herschel Walker in Georgia runoff (NPR)
連邦議会上院選挙で、Georgia州の決選投票が行なわれ、民主党候補者が勝利した。
僅差の勝利ではあったが、トランプ前大統領の影響力が強く反映されていた共和党候補者の敗戦は、大きな意味を持つ。

この結果、連邦議会の勢力図は次のようになった。下院はまだ一つ残っているが、共和党候補者が優勢のようで、大勢に影響はないものと思われる。



Source : NPR
また、州知事選挙は、18vs18の互角となった。

Source : NPR
※ 参考テーマ「中間選挙(2022)

12月5日 ゆっくりと緩和
Source :The U.S. gained 263,000 jobs last month. It's good news for workers, but not the Fed (NPR)
12月2日、雇用統計が公表された(BLS)。11月の雇用増は26.3万人となった(「Topics2022年11月7日 労働需給徐々に緩和(2)」参照)。10月の雇用増が上方修正されて28.4万人となったため、緩やかな増加幅の縮小が続いているという感じだ。

雇用者数は153.5M人となった(Table B-1. Employees on nonfarm payrolls by industry sector and selected industry detail)。なだらかな増加が続いている。
業種別増加数は次の通り。
失業率は3.7%で変わらず(Table A-1. Employment status of the civilian population by sex and age)。
労働市場参加率は62.1%と、3ヵ月連続でわずかに低下した。
25~54歳の労働市場参加率も82.4%と、3ヵ月連続微減となった(BLS)。
労働市場に参加していない人の中で仕事を得たいと考えている人数も減少が続いている。
長期失業者(27週以上)の失業者全体に占める割合は上昇し続け、20.6%となった。
労働市場は、本当にゆっくりと緩和に向かっている。さて、FRBはどのように判断するのか。

※ 参考テーマ「労働市場

12月2日 学生ローン免除が窮地に
Sources : Legal losses keep coming for Biden's student loan relief plan (NPR)
Supreme Court will hear challenge to Biden's student debt-relief program (NPR)
バイデン政権が打ち出した、学生ローン返済免除措置が窮地に陥った(「Topics2022年8月25日 学生ローン返済免除」参照)。 TX州連邦地方裁が下した「免除措置は違法」との判決を、第5控訴裁判所が支持する判決を下したのだ。第8控訴裁判所も、免除措置停止命令を下している。

バイデン政権は、連邦最高裁に対して、下級審が審理している間も免除措置の執行を認めるよう求めていたのだが、これで、連邦最高裁に執行の可否の判決を求めざるを得なくなった。

2023年1月1日より再び返済停止措置を延長し、連邦最高裁で執行が認められればよし(=免除措置執行)、認められなければその判決から60日後から、ローン債務者に対して返済を求めなければならなくなる(「Topics2022年11月24日 学生ローン返済停止再延長」参照)。

※ 参考テーマ「教 育

12月1日(1) 労働市場緩和続く
Source :Job Openings and Labor Turnover Summary (BLS)
11月30日、BLSが、10月末の求人数を発表した。10月末の求人数は1,033.4万人で前月比35.3万人の減少となった(「Topics2022年11月2日(1) 労働需給徐々に緩和」参照)。
労働力人口に占める求人数の割合は6.3%と、こちらも低下した。求人数、求人率とも低下傾向が続いている。
新規雇用数は601万.2人となり、減少が続いている。このあたりも、景気後退を想像させる要因となっているのだろう。
失業者数/求人数は、再び0.6に上昇した。
10月の自発的失業(Quits)は402.6万人と、低下トレンドは続いている。
Quits level, Total nonfarm - 2019~2022年

Quits level, Total nonfarm - 2007~2022年
こうした中、10月の時間給は、転職した人の伸び率が引き続き低下したのに対し、職に留まった人は逆に伸び率が高まった。

Federal Reserve Bank of Atlanta's Wage Growth Tracker
※ 参考テーマ「労働市場

12月1日(2) CA州の運転免許証"X"
Source :California gave drivers a new option for gender on their IDs. Here’s how many took it (Sacramento Bee)
California州(CA)では、2019年1月から、運転免許証その他IDカードについて、Gender Xの選択を認めている(「Topics2022年4月12日 Gender'X'」参照)。上記sourceでは、CA州DMVに対して、Gender Xを選択した運転免許証の発行数を照会した結果を紹介している。

この数はかなり少ない、という印象である。しかし、これは致し方ないと思われる。アメリカ社会における公的身分証明書は、出生証明書、運転免許証、パスポートとなるが、Gender Xが認められているのは、 つまり、3つが揃わないと、なかなか"X"は選択しにくいのである。

※ 参考テーマ「LGBTQ

12月1日(3) CA州法Charity Care
Source :Hospitals had to put charity care rules on their websites months ago. Some didn’t do it (Los Angeles Times)
2021年10月4日、CA州においてAB 1020が成立した。医療費負債、医療費請求に関する州法で、California Hospital Associationがまとめたポイントは次の通り。
  1. 州内の"Hospital Carity Care"の対象者は、無保険者、または高額医療でFPL400%以下の者とする。(←同法以前は無保険者またはFPL350%以下)(「Topics2022年11月9日 Hospital Charity Care」参照)

  2. 高額医療費の定義に、自己負担額を加える。その際、「患者の年間家計所得の10%」と「最近12ヵ月の家計所得」の少ない方を、年間自己負担額が上回った場合とする。

  3. 医療機関のwebsiteに、Charity Careに関する当該医療機関の規則を掲載する。

  4. Charity Care対象者に対する債権を債権回収業者に売却することを禁じる。

  5. 2022年1月1日に施行。

  6. 2024年1月1日以降は、医療機関の州法違反行為に対して行政罰金が科される。
ところが、同法施行から10ヵ月以上経っても、上記3.のCharity Care規則をwebsiteに掲載していない医療機関が多数あると報じている。医療機関からすれば、Charity Careを求めて無保険者や低所得者が殺到してきても困るし、罰金が科されるのはまだ先だからいいや、ということなのだろう。

※ 参考テーマ「無保険者対策/CA州