Source : | Despite Supreme Court's Ruling On DACA, Trump Administration Rejects New Applicants (NPR) |
6月18日、連邦最高裁は、「DACA(Deferred Action for Childhood Arrivals)を段階的に終了するとのトランプ政権の方針は認められない」との判決を下した(「Topics2020年6月21日 連邦最高裁:DACA終了差し止め」参照)。ところが、USCISは、DACAを既に取得した人の更新申請は受け付けているが、新規申請は受け付けていない。USCISは、判決内容の精査を続けるとともに、最高裁判決には法的根拠がない、というスタンスを取っている。
法学者やDACA支援団体は、こんな扱いは不当だと怒っている。しかし、こうした事態が起きるのも、最高裁判決が積極的に「DACAは合憲」との判断を示していないからだ。
※ 参考テーマ「移民/外国人労働者」、「司 法」
Source : | Massachusetts sues Uber and Lyft over the status of drivers (New York Times Service) |
7月14日、Massachusetts州(MA)がUber/Lyftを相手に州裁判所に提訴したことが明らかになった。提訴の柱は次の2点。両社を相手に提訴したのは、CA州に次いで2番目である(「Topics2020年5月6日 CA州 Uber/Lyftを提訴」参照)。ただし、MA州の場合は、既に2004年に立法化しており、これまで同法の強制執行を行ってこなかった。ドライバー個人で訴えた事案はあったものの、いずれも仲裁か係争中となっている。それをここに来て司法に訴えたのは、COVID-19感染症の拡大である。従業員であれば、有給病気休暇、医療保険、最低所得保障などが得られたはずだからだ。
- 両社のドライバーは、州法の下で従業員である。
- 両社のドライバーに手当てすべき保護について、両社が否定しないよう、差し止めを請求する。
MA州政府の提訴を、ドライバー組合(Boston Independent Drivers Guild)は歓迎している。
※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」
Source : | Jobless claims: Another 1.3 million Americans filed for unemployment benefits last week (Yahoo Finance) |
7月16日、労働省は新規失業保険申請数を公表した。今週は130.0万人と、1万人減。ほぼ横ばいである。17週間で累計5,127万人となる(新規失業保険申請件数data)。
また、雇用保険被保険者の中の失業者数(1,734万人)は、微減ながら高止まりの状態が続いている。 ここまでは、先週と変わらない風景だ。ところが、季節調整前の数字を見ると、先週は139.5万人だったのが、今週は150.4万人と、10.9万人の増加に転じているのである。雇用保険被保険者の中の失業者数も増加している。増加に転じるのは、ピークを打ってから初のことだ。 COVID-19対策で導入された追加失業給付(「Topics2020年3月30日 2兆ドル対策(COVID-19)」参照)の新規申請数は、
5/30: 79.9万人
6/ 6: 70.0万人
6/13: 77.4万人
6/20: 88.1万人
6/27: 99.7万人
7/ 4:104.6万人
7/11: 92.8万人
と、一旦、減少となっている。
一方、COVID-19感染は拡大の一途を辿っている。そして、18州がもう手が付けられない状況に陥ってしまった(「Topics2020年7月2日 COVID-19感染状況」参照)。経済活動再開どころではないのではないか。
Johns Hopkins University Health7月の雇用統計は、ちょうど今頃の状況を推計する。
COVID Exit Strategy
※ 参考テーマ「労働市場」
Source : | South Dakota Is Sharing Driver's License Info To Help Find Out Who's A Citizen (NPR) |
今年4月にSouth Dakota州がCensus Bureauと契約を結び、SD州が保有する運転免許証、州発行身分証明書のデータをCensus Bureauに提供することとなった。主なポイントは次の通り。昨年、Nebraska州が同様の契約を交わしたことがわかっている。ただし、同州の契約では、提供データに人種(race)が含まれている。なお、Nebraska、South Dakota両州では、不法移民免許証は発行していない(不法移民免許証を発行しているのは、2019年末で14州+D.C.)。
- 提供するのは、driver's licensesとstate ID。
- 具体的なデータは、氏名、住所、生年月日、性別、虹彩色。不法移民かどうかの情報は含まれていない。
- 提供頻度は、2018〜2021年の月次データ。
- 提供されたデータは、統計目的のみに使用され、法執行には使用されない。
Census Bureauはどの州と契約を結んだのかという情報は開示しないとしているが、いくつかの州は拒否したことを公表しているそうだ。しかし、Driver's licenses情報の提供を一部の州が拒んだとしても、連邦政府が保有している個人データ(Social Security Number、Passport Numberなど)で捕捉することも可能だ。
こうしたCensus Bureauの情報収集は、昨年7月の大統領令に基づくものである(「Topics2019年7月13日 市民権質問最終決定」参照)。Census Bureauの最終目的は、国勢調査にこれらの情報を加味して、選挙権を持つ人、つまりは子供と不法移民を除く選挙権者のマッピングを作成することだ。2021年7月31日までに、こうした情報を州政府に提供することを公約している。
従来は、国勢調査結果に基づいて、redistrictingが行われた(「Topics2010年12月23日 Redistricting開始」参照)。これは「人口」に基づく選挙区見直しだ。ところが、今回は「有権者」のデータが連邦政府から提示される。どちらをもとに選挙区を見直すのか、現時点では確定していない。おそらく、Census Bureauは有権者に基づく選挙区見直しを提案してくるのだろう。
これはアメリカ社会に大きな分断をもたらす争点となる。
※ 参考テーマ「人口/結婚/家庭/生活」、「政治/外交」