4月20日 新任Gorsuchがリベラルに?
Source :Divided Supreme Court says part of immigration law used for deportation too vague (Washington Post)
Immigration and Nationality Act(連邦法)は、米国市民ではない居住者で犯罪に関わった者を国外退去させるための根拠法となっている。ところが、4月17日、連邦最高裁は、この法律の規定が曖昧であるとの判決を下した。今後、同法に基づく国外退去命令は難しくなっていくことが予想される。

ところで、判決の賛否は5 vs 4であったのだが、賛成に回ったのがリベラル派+Gorsuch判事であった。

Gorsuch判事は、昨年4月に就任したばかりで、しかもトランプ大統領の指名判事第1号である(「Topics2017年4月10日 連邦最高裁判事就任」参照)。そのGorsuch判事が、トランプ大統領が重視している犯罪を犯した不法移民の国外退去を難しくする判決に与したことになる。

Gorsuch判事は若干保守色が強いとされていたが、Kennedy判事とともに是々非々で臨むことが基本姿勢となれば、保守色の強い判決が何でも通っていくということにはならないだろう。

※ 参考テーマ「司法」、「移民/外国人労働者

4月16日 チアリーダーの掟
Source :An NFL Cheerleader Brings Her Firing Over An Instagram Photo To The EEOC (NPR)
NFL New Orleans Saintsのチアリーダー達は、厳しいルールに従っているようだ。
  1. ヌード、セミヌード、下着姿になってはならない。

  2. Social media上で選手たちをフォロワーにしてはならない。

  3. Social mediaのアカウントはプライベートにしなければならない。

  4. パーティやレストランに選手がいれば、そこを退出しなければならない。

  5. ・・・

チアリーダーの一人がプライベートのInstagramでレース一枚のボディースーツ姿をアップしたために、規則違反で解雇されたそうだ。おそらく、上記1.のルール違反ということなのだろう。

彼女は、NFLとSaintsを相手取って、EEOCに訴えることにした。

上記sourceでは、彼女へのインタビューを掲載している。彼女の主な主張は次の通り。
  1. 選手たちは何でもsocial mediaに自由に掲載して、自分をプロモートしている。

  2. チアリーダーは、プロフィール写真にチアリーダーであることを入れられないし、ラストネームも使えない。

  3. 自分たちが水着姿をアップすればセクシャルな写真だとみなされるが、選手たちがアンダーウェア姿をアップしても単なるアスリート的な写真と思われるだけだ。

  4. 自分が先にレストラン等に入っていたとしても、SaintsのプレーヤーのみならずNFLの選手、NBAの選手たちが入ってきたら自分が出ていかなければならない。
これに対して、Saints事務所は、『チアリーダー達が選手たちの食い物にされないようにするための措置』と説明している。何だかプレーヤー達はジェントルマンではない、と言っているようなもので、おかしな感じである。

女性の職業と思われている分野があることは確かで、それを保持すべきかどうかは時代の変化に合わせて検討しなければならないことである。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制

4月12日 アンカレッジ:トイレ法案否決
Source :How LGBT Advocates Scored A Surprising Victory In Alaska (NPR)
4月3日、アンカレッジ市民選挙が行われた。その際、アンカレッジ版トイレ法案(Proposition 1)が州民投票にかけられ、かろうじて否決された(賛成46.1% vs 反対53.9%)。

トイレ法とは、2016年にNC州で混乱をもたらした規則で、遺伝子上の性別とは異なるトイレを利用することを禁じるものである(「Topics2016年12月22日 NC州:トイレ法で大混乱」参照)。

ここまでの経緯は次の通り。 つまり、今回のProposition 1の否決は、アンカレッジ市民がLGBTの権利を保証したことを意味する。一度動き出した流れは止められない。

※ 参考テーマ「LGBTQ

4月11日 給与歴調査の実態
Source :Employers Split on Asking About Salary History (SHRM)
給与歴調査を禁止する自治体が増えていることを紹介した(「Topics2018年3月26日 給与歴調査の禁止」参照)。しかしながら、企業の対応は二分されている。

上記sourceのポイントは次の通り。
  1. 給与歴調査を禁止している自治体かどうかに拘わらず、全米で給与歴調査を禁止している企業 ⇒ 37%
    給与歴調査を禁止している自治体のみで給与歴調査を禁止している企業 ⇒ 35%(このうち40%は1年以内に禁止することを検討している。)
    給与歴調査をまったく禁止してない企業 ⇒ 27%

    全体的に、大企業ほど禁止している割合が高い。

  2. 給与歴調査の禁止を実施するのは容易であるとする企業 ⇒ 44%
    給与歴調査の禁止を実施するのは困難であるとする企業 ⇒ 9%

    採用担当者を教育して、労働市場における報酬や給与水準に関するデータが入手できれば、禁止されても問題ない。

  3. ところが、内部採用の場合、給与歴を利用しないとする企業 ⇒ 11%
    給与歴を利用する企業 ⇒ 89%
これでは、内部従業員の方がバイアスがかかって不利になる。内外無差別にして初めて労働市場は円滑化する。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」、「労働市場