11月30日 不法移民保護大統領令(3) 
Source :Illegal immigrants could receive Social Security, Medicare under Obama action (Washington Post)
Obama大統領が発出した不法移民保護のための大統領令では、PPACAのベネフィットは受けられない、とされている。(「Topics2014年11月25日 不法移民保護大統領令(2)」参照)。ところが、政府高官の発言によると、今回の保護対象者は、将来、Social Security(公的年金)、Medicareの受給資格を持つことになる。

これは、国外退去猶予期間中に、就労資格を賦与することから発生する。合法的に就労するということは、その賃金からpayroll taxを支払うことになる。保険料を支払うことになるため、受給資格も持つことになるのである。

短期的には給付バランスに影響をもたらすことはないようだが、将来的にこの500万人が給付を受けるようになれば、今の予定を上回る支出が出てくることになる。そうした点では、今回の大統領令は大きな意味を持つことになる。

※ 参考テーマ「移民/外国人労働者」、「公的年金改革」、「Medicare

11月27日 不法移民の実態 
Source :7 charts that explain the undocumented immigrant population (Washington Post)
不法移民のマクロでの実態はなかなかわかりにくいものがあるが、上記sourceでは、7つの特徴を伝えている。
  1. 不法移民は全米の人口の3.5%(1,150万人)を占めている。その多くの出身地は北米で占められている。
  2. ただし、メキシコ出身者の数は減少している。
  3. 不法移民の多くは南部に居住している。
  4. 不法移民の半数以上は、1995年以降にアメリカに入国している。
  5. 不法移民の年齢はかなり若い。
  6. 労働力人口に占める不法移民の割合は8.1%。
  7. 幼稚園から高3までの生徒のうち、7%が不法移民の親を持っている。
最後の7%というのは、14人に1人という割合である。学校のクラスが40人なら、3人近くは不法移民の親を持っていることになる。国外退去処分がアメリカ人にとって身近な問題であることが実感できる。

※ 参考テーマ「移民/外国人労働者

11月26日 入院給付を義務付けへ(2) 
Source :HHS Formally Moves To Close Loophole Allowing Plans Without Hospital Benefits (Kaiser Health News)
予てより報じられていた通り、HHSは、企業が提供する医療保険プランに入院給付を正式に義務付ける(「Topics2014年11月7日(1) 入院給付を義務付けへ」参照)。ポイントは次の通り。 今からでは、2015年には間に合わないというのが現実である。

※ 参考テーマ「医療保険プラン」、「無保険者対策/連邦レベル

11月25日 不法移民保護大統領令(2) 
Source :Obama, Daring Congress, Acts to Overhaul Immigration (New York Times)
予告通り、11月20日、Obama大統領は、不法移民保護に関する大統領令を発表した(「Topics2014年11月16日 不法移民保護の大統領令」参照)。ポイントは次の通り。 大統領令だけに、さすがに不法移民の合法化ではなく、国外退去猶予の拡張にとどまっている。

それでもラテン系からは評価を得られているようだ。一方、共和党や民主党の一部からは怒りや反対が示されている。中間選挙後の第一発がこれでは、これからの2年間、連邦議会とどのように付き合っていくつもりなのか、さっぱりわからなくなる。

※ 参考テーマ「移民/外国人労働者

11月24日 2015年のExchange(3) 
Source :2015 Obamacare Deductibles Remain High But Don’t Grow Beyond 2014 Levels (HealthPocket)
またまたCMSが公表したデータを用いて、今度は免責額の平均値が出てきた(「Topics2014年11月18日 2015年のExchange」参照)。

Bronze, Silverプランはあまり変わらず、Gold, Platinumプランは若干減額されたようだ。
ということは、HHSが定めた上限額を超えているプランが大多数となっていることになる(「Topics2014年1月23日 給付率レベル別の『超』高免責額プラン」参照)。来年もまたアメリカ国民は免責額の負担に耐えなければならない。

※ 参考テーマ「無保険者対策/州レベル

11月22日 今後の債権者の対応 
Source :Stockton Highlights Nationwide Risk Of Conflict Between Muni Investors And Public Sector Unions (Forbes)
11月17日、San Bernardino市(SB市)が破産裁判所に提出した資料により、同市がCalPERSに対して、未払い分に利子を加えた全額を24ヶ月で分割払いすることで合意したことが明らかになった(Sacramento Bee)。支払い開始時期は、既報の通り、今年7月であった(「Topics2014年11月7日(2) SB市:CalPERSへ返済開始」参照)。

これで、CalPERSは連続完全勝利を獲得したことになる(「Topics2014年11月2日 Stockton市:再建計画承認」参照)。CA州内では、いくら自治体が破綻したとしても、職員年金を削減することは極めて難しくなったといえよう。

では、破綻自治体に対する債権者(投資家、金融機関)はどのように受け止めているのか。 次の図は、上記sourceで示されたものだが、これまで破綻した7つの自治体の債務処理を図示したものである。
これを見ると、年金債務が100%守られたケースがSB市を含めて5件、削減が行われたのが2件ということになる。いずれもCA州以外で起きている。債権者側はここに活路を見出しているということだろう。

※ 参考テーマ「地方政府年金

11月21日 2015年のExchange(2) 
Source :Red State Idaho Launches Its Own Obamacare Exchange (Kaiser Health News)
先に、Exchangeに参加する保険会社数、提供される保険プラン数、保険料上昇率などのデータを紹介した(「Topics2014年11月18日 2015年のExchange」参照)。

上記sourceでは、Exchangeの形態変更について紹介している。 その結果、Exchange全体の姿は次のようになる。
やはり、州立Exchnageが16州+D.C.しかなく、しかも、そのうち3州は連邦のHealthCare.govに頼っているというのでは、ちょっと寂しい。さらに、今回の中間選挙で来年になると共和党知事が増えることから、この勢力図も変わってくるかもしれない(「Topics2014年11月6日 中間選挙後の政策動向」参照)。

※ 参考テーマ「無保険者対策/州レベル