Source : | Illegal immigrants could receive Social Security, Medicare under Obama action (Washington Post) |
Obama大統領が発出した不法移民保護のための大統領令では、PPACAのベネフィットは受けられない、とされている。(「Topics2014年11月25日 不法移民保護大統領令(2)」参照)。ところが、政府高官の発言によると、今回の保護対象者は、将来、Social Security(公的年金)、Medicareの受給資格を持つことになる。
これは、国外退去猶予期間中に、就労資格を賦与することから発生する。合法的に就労するということは、その賃金からpayroll taxを支払うことになる。保険料を支払うことになるため、受給資格も持つことになるのである。
短期的には給付バランスに影響をもたらすことはないようだが、将来的にこの500万人が給付を受けるようになれば、今の予定を上回る支出が出てくることになる。そうした点では、今回の大統領令は大きな意味を持つことになる。
※ 参考テーマ「移民/外国人労働者」、「公的年金改革」、「Medicare」
Source : | 7 charts that explain the undocumented immigrant population (Washington Post) |
不法移民のマクロでの実態はなかなかわかりにくいものがあるが、上記sourceでは、7つの特徴を伝えている。最後の7%というのは、14人に1人という割合である。学校のクラスが40人なら、3人近くは不法移民の親を持っていることになる。国外退去処分がアメリカ人にとって身近な問題であることが実感できる。
- 不法移民は全米の人口の3.5%(1,150万人)を占めている。その多くの出身地は北米で占められている。
- ただし、メキシコ出身者の数は減少している。
- 不法移民の多くは南部に居住している。
- 不法移民の半数以上は、1995年以降にアメリカに入国している。
- 不法移民の年齢はかなり若い。
- 労働力人口に占める不法移民の割合は8.1%。
- 幼稚園から高3までの生徒のうち、7%が不法移民の親を持っている。
※ 参考テーマ「移民/外国人労働者」
Source : | HHS Formally Moves To Close Loophole Allowing Plans Without Hospital Benefits (Kaiser Health News) |
予てより報じられていた通り、HHSは、企業が提供する医療保険プランに入院給付を正式に義務付ける(「Topics2014年11月7日(1) 入院給付を義務付けへ」参照)。ポイントは次の通り。今からでは、2015年には間に合わないというのが現実である。
- 入院サービス給付と入院診療給付を義務付ける。
- 対象となるのは、従業員50人以上の企業が提供する医療保険プラン。
- 義務付けは、2016年〜。
※ 参考テーマ「医療保険プラン」、「無保険者対策/連邦レベル」
Source : | Obama, Daring Congress, Acts to Overhaul Immigration (New York Times) |
予告通り、11月20日、Obama大統領は、不法移民保護に関する大統領令を発表した(「Topics2014年11月16日 不法移民保護の大統領令」参照)。ポイントは次の通り。大統領令だけに、さすがに不法移民の合法化ではなく、国外退去猶予の拡張にとどまっている。
- 今回の大統領令の保護対象者数は約500万人。(全米の不法移民数は推計1,140万人。)
- 不法移民保護策は、主に次の3本柱から成る。
- 新制度の創設
5年以上国内に居住するアメリカ市民の親で不法移民の者について、国外退去命令を3年間猶予する。同時に、その期間、就労資格も賦与する。⇒ 370万人
- 『国外退去猶予措置』("Deferred Action for Childhood Arrivals")の拡充
- アメリカ入国時期が2007年6月15日以前 ⇒ 2010年1月以前まで広げる。
- 国外退去猶予を2年から3年に延長する。
- 申請者の年齢制限を31歳未満としていたのを撤廃する。
これらの措置により、現行大統領令で120万人が対象となっていたのが30万人増加する。
- その他の措置により、約100万人が国外退去猶予となる。
- 完全な合法的な移民の地位は賦与されない。
- PPACAのベネフィットは受けられない。
- 事前に報じられていた、『非合法に入国して数年間農業に従事している不法移民』や『DACA対象者の親である不法移民』には、保護的地位を与えない。
それでもラテン系からは評価を得られているようだ。一方、共和党や民主党の一部からは怒りや反対が示されている。中間選挙後の第一発がこれでは、これからの2年間、連邦議会とどのように付き合っていくつもりなのか、さっぱりわからなくなる。
※ 参考テーマ「移民/外国人労働者」
Source : | 2015 Obamacare Deductibles Remain High But Don’t Grow Beyond 2014 Levels (HealthPocket) |
またまたCMSが公表したデータを用いて、今度は免責額の平均値が出てきた(「Topics2014年11月18日 2015年のExchange」参照)。
Bronze, Silverプランはあまり変わらず、Gold, Platinumプランは若干減額されたようだ。 ということは、HHSが定めた上限額を超えているプランが大多数となっていることになる(「Topics2014年1月23日 給付率レベル別の『超』高免責額プラン」参照)。来年もまたアメリカ国民は免責額の負担に耐えなければならない。
※ 参考テーマ「無保険者対策/州レベル」
Source : | Stockton Highlights Nationwide Risk Of Conflict Between Muni Investors And Public Sector Unions (Forbes) |
11月17日、San Bernardino市(SB市)が破産裁判所に提出した資料により、同市がCalPERSに対して、未払い分に利子を加えた全額を24ヶ月で分割払いすることで合意したことが明らかになった(Sacramento Bee)。支払い開始時期は、既報の通り、今年7月であった(「Topics2014年11月7日(2) SB市:CalPERSへ返済開始」参照)。
これで、CalPERSは連続完全勝利を獲得したことになる(「Topics2014年11月2日 Stockton市:再建計画承認」参照)。CA州内では、いくら自治体が破綻したとしても、職員年金を削減することは極めて難しくなったといえよう。
では、破綻自治体に対する債権者(投資家、金融機関)はどのように受け止めているのか。次の図は、上記sourceで示されたものだが、これまで破綻した7つの自治体の債務処理を図示したものである。 これを見ると、年金債務が100%守られたケースがSB市を含めて5件、削減が行われたのが2件ということになる。いずれもCA州以外で起きている。債権者側はここに活路を見出しているということだろう。
- 地方政府については、深刻な情報非対称性があり、隠されたリスクに充分配慮する必要がある。
- CA州の地方政府は、破綻したとしても年金債務が削減されることはほとんどないだろう。
- 特に労組が強くコミットしているような自治体では、それだけで信用に対してネガティブと評価することになろう。
- ただし、連邦破産裁判所の判事が『年金債務も削減される可能性がある』との判断を示したことは重要だ(「Topics2014年10月4日 Stockton市:連邦法では職員年金削減可能」参照)。
※ 参考テーマ「地方政府年金」
Source : | Red State Idaho Launches Its Own Obamacare Exchange (Kaiser Health News) |
先に、Exchangeに参加する保険会社数、提供される保険プラン数、保険料上昇率などのデータを紹介した(「Topics2014年11月18日 2015年のExchange」参照)。
上記sourceでは、Exchangeの形態変更について紹介している。その結果、Exchange全体の姿は次のようになる。 やはり、州立Exchnageが16州+D.C.しかなく、しかも、そのうち3州は連邦のHealthCare.govに頼っているというのでは、ちょっと寂しい。さらに、今回の中間選挙で来年になると共和党知事が増えることから、この勢力図も変わってくるかもしれない(「Topics2014年11月6日 中間選挙後の政策動向」参照)。
- Idaho州:州立Exchangeを開始する。
- Oregon州、Nevada州、New Mexico州:州立Exchangeは維持するものの、加入申し込み手続きのwebsiteは、独自のシステムは諦め、連邦政府のHealthCare.govに依存する。
※ 参考テーマ「無保険者対策/州レベル」