10月28日 Pittsburgh市のカウントダウン 
Source :Pittsburgh’s pensions crisis nears deadline (Financial Times)
Pittsburgh市長のwebsiteには、カウントダウン・ボードが掲示されている。同市の年金プランは、年末までに最低50%以上の積立比率を確保しなければ、PA州政府に強制移管される。カウントダウンは、それまでに残された時間を示している。

同市の年金プランは、現時点で$700Mの積立不足が生じており、強制移管を回避するためには、年末までに$200M超を拠出する必要がある。

仮に州政府に強制移管されると、 が必要となる。

こうした事態を回避するため、市長は、市の駐車場並びにパーキングメーターの民間企業へのリースを提案したが、それも先週の市議会で、全会一致で却下されてしまった。デッドラインは刻一刻と近づいてくるのである。

※ 参考テーマ「地方政府年金

10月27日 Public Trustees就任 
Source : Secretary Geithner Swears in New Social Security Public Trustees (DOT)
長らく空席だった"Social Security and Medicare Trust Funds"の"Public Trustees"が、二人とも就任した(「Topics2009年5月13日(1) 社会保障プログラムの危機」参照)。これで、Trusteesの構成は次の通りとなった。
Managing TrusteeSecretary of Treasury
TrusteesSecretary of Labor
Secretary of Health and Human Services
Commissioner of Social Security
Public Representatives (2)
Charles Blahous (R) (Research Fellow, New America Foundation)
Robert Reischauer (D) (President, Urban Institute)
Reischauer氏は、当websiteでもお馴染みのリベラル派の大御所である。

ちゃくちゃくと公的年金改革議論の舞台づくりが進んでいるようだ。

※ 参考テーマ「公的年金改革

10月26日 有識者の見解:公的年金改革 
Source :EconoMeter: Should public pensions be changed? (SignOnSanDiego.com)
注目の中間選挙後、公的年金改革に関する報告書が公表される(「Topics2010年9月15日 受給開始年齢引き上げを検討」参照)。自らそのような道筋をつけたとはいえ、Obama政権にとっては大きな政策課題が突き付けられてくる。

上記sourceでは、有識者8人に、@公的年金(含む地方政府職員年金)改革の必要性、A具体的な改革案を聞いている。8人全員が、改革が必要と述べている。

さらに、具体的な改革案として触れている方向性は次の通り。
  1. 新規採用者からDCプランへ移行または給付削減

  2. 受給開始年齢の引き上げ

  3. 年金、退職者医療への従業員拠出(地方自治体)

  4. 採用から5年後までは受給権を賦与しない

  5. 適切な運用利回りの下での資産確保(ただし時間をかけて)

  6. 給付の保証と運用資産のリスクとの関連付け

いずれもかなりの抵抗が予想される課題であるが、公的年金改革は効果が出てくるまでに時間がかかる。逆に言えば、時間をかけないと加入者または受給者はパニックに陥る。だから、早期に着手しなければならないのである。

※ 参考テーマ「公的年金改革

10月23日 償還割合規制固まる 
Source :State regulators finalize recommendations on insurers' 'medical loss ratio' (Washington Post)
21日、NAICで、償還割合規制(Medical Loss Retio, "MLR")に関する答申が固まった(Press Release)。直ちにHHSに送付され、最終決定を迎えることになる。

焦点だった執行猶予は見送られた模様だ(「Topics2010年10月20日 償還割合規制の執行猶予」参照)。

保険会社側にとって痛かったのは、MLR規制が、全国を対象にするものではなく、州毎にクリアしなければならない規制となったことのようである。全米展開をしている保険会社にとっては困る事態なのだろうが、規制監督権限を有する州政府としては、当然の帰結だと思う。自分の州でMLRをクリアできずに全米でクリアするということは、自分の州から他州に持ち出されることを容認することにつながるからである。


(11/26追記)


11月22日、HHSにより、償還割合規制(最終版)が公表された。ただし、"mini-med"については例外規定を設けることとし、そのための情報収集を2011年の1年間をかけて行うこととしている(「Topics2010年10月9日 Mini-medは例外扱い」参照)。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル

10月22日 Medicaid加入者急増 
景気後退が始まってから、約600万人のMedicaid加入者の増加が見られた。おそらく、労働市場から退出してしまった層も厚くなっていることから、今年末にはさらに増えているのではないかと思われる。

Medicaidは、低所得者層にとっては医療のセーフティーネットであり、欠かすことのできない制度である。しかし、連邦政府、州政府にとって、その財政負担は確実に重くなっていく。

※ 参考テーマ「解雇事情/失業対策

10月21日 HPの雇用削減 
Source :HP benefited from state tax breaks while Fiorina was CEO (Los Angeles Times)
といっても今の話ではない。Fiorina女史がCEO時代の話である。

現在、Fiorina女史は、CA州上院議員選挙の共和党候補者として戦っている(「Topics2010年6月9日(3) Lincoln & Fiorina」参照)。その選挙戦の中で、同女史がHPのCEO時代に3万人の雇用を削減したことが、批判の対象となっている。これに対し、同女史は『CA州の税制がアンチビジネスだからアウトソースせざるを得なかった』と反論している。

ところが、である。彼女がCEO時代のHPは、R&D税額控除を利用して法人税負担をゼロにしていたうえに、売上税の還付まで受けていた、と上記sourceは指摘している。さらに、当時の売上税還付を決定した委員会メンバーに対して、政治献金までしていたという。

CA州民はどのように理解するのだろうか。現時点での世論調査はこのようになっている(⇒Pollster)。

※ 参考テーマ「HP」、「中間選挙(2010年)