3月30日 忠誠心からコラボへ Source : WSJ's Top Small Workplaces - and Why They Won (HR Daily Advisor)

Winning Workplaces(非営利団体)とWall Street Journalが共同して、小規模ながら働く環境が評価されている企業の事例を紹介したプロジェクトである。

個別の事例等は上記sourceを見ていただきたいが、印象に残ったのは次のフレーズである。
"they try to maintain a collaborative spirit."
これまで、人事政策の観点から、"loyalty"を育てる、という上から目線の言葉遣いが一般的であったように思う。企業、企業経営者と従業員が、『上下関係』から横の『協力関係』を重視するようになりつつあるのだろうか(「Topics2007年2月1日(2) "HR"の変質」参照)。

3月28日 NJ州議会の皆保険法案 Source : N.J. Lawmaker Proposes Requiring Ownership of Health Coverage (National Underwriter Life & Health)

NJ州議会上院Committee on Health, Human Services and Senior Citizensが、皆保険法案をまとめたそうだ。会見では、民主党のJoseph F. Vitale委員長と共和党のRobert W. Singer議員が、その骨子を披露した。ポイントは次の通り。 こうした州議会の提案に対し、NJ商工会議所は賛意を表明している。両党および経済界の合意が成立したことで、NJ州は第二のMA州になれる可能性が高まってきた。今後を注目しておきたい。

3月27日 401(k)の弱点 Source : More Employees Borrowing Against 401(k) Plans (Workforce Management)

上記sourceは、Center for Retirement Research @Boston Collegeの調査に基づく、同センター長Alicia Munnell教授のコメントである。彼女の指摘は、次の3点。
  1. 401(k)プランからの引き出しが増加している。

    401(k)プランの資産から借り出している加入者の割合が、2005年の9%から2007年には18%に増えている。Munnell教授は、増加はまだ続くとみている。アメリカ経済の状況が怪しくなってきていること、サブプライム住宅ローンを切っ掛けとした信用不安、住宅ローンだけでなく、オート・ローン、クレジットなどの信用供与が厳しくなりつつあること、などが背景にあるものと思われる。

    折角のNestwegも、現役時代の消費や債務返済に充てられてしまっては、本来の役目を果たせなくなる。


  2. 401(k)プランが効率的に利用されていない。

    効率的に利用されていない例証として、次のような指摘がされている。

    1. DCプラン加入資格者のうち、
      1. 89%が限度額一杯まで拠出していない。
      2. 20〜25%が、まったく拠出していない。
      3. 45%が、転職の際に資産を移管していない。

    2. 自動加入制になっている場合の加入率は86%あるが、自動加入制になっていない場合には49%しかない。

    3. 61%の加入者が、年間拠出額を増やしていない。

  3. 連邦政府としての支援策

    1. 年金給付をデフォルトにする。
    2. 物価スライド制の金融商品を投資対象にする。
上記の第1点目は驚きである。アメリカ経済の深刻さを401(k)プランを通じて垣間見たような気がする。

また、アメリカ人もやはり手取り足取してあげなければいけない側面があるということも確認できた(「Topics2007年9月8日 アメリカ人も会社依存」参照)。

3月26日 最高裁受理せず Source : Supreme Court allows retiree benefit cuts (Los Angeles Times)

24日、最高裁は、一切のコメントを付すことなく、AARPの上告を斥けた(「Topics2007年12月28日 Erie事件決着」参照)。これにより、10年の長きにわたった"Erie事件"に、ようやく終止符が打たれたことになる。

3月24日 457 Plan Source : Comparison of 457(b) Plans, 401(k) Plans, 403(b) Plans, and Deemed IRAs (Calhoun Law Group)

まだまだ勉強しなければならないことがたくさんある。DCプランといえば401(k)だが、アメリカの公的セクターの世界では、403(b)プラン457プランもある。わけても457プランは、アメリカの地方自治体の世界では人気があり、圧倒的な割合を占めているらしい(図表 "NAGDCA 2008 Survey of DC Plans"より)。

457プランの特徴は、
  1. 地方自治体に認められている
  2. 拠出上限額(401(k)と同額)が単独で設定されている
などである。

3月21日 医療の国際標準化 Source : Outsourcing the Patients (BusinessWeek)

安価な診療を求めて海外に出かけていく例は、当websiteでも紹介したことがある(「Topics2007年5月4日 Medical Tourism」参照)。上記sourceでも、そのような事例を紹介しつつ、問題点も指摘しているので、まとめておきたい。指摘されている問題点は次の2点。
  1. 海外での診療を選択肢に含める代わりに、(アメリカ)国内での選択肢を狭めたり、免責額を引き上げるなどの対応が取られている。

  2. 一般的に、アジア諸国での診療について、医療過誤に基づく訴訟は難しい。上記sourceで紹介されている例では、あるタイの病院は、アメリカからの患者は受け容れているものの、アメリカ国内では事務所を開設していない。訴訟を受ける可能性があるというのがその一つの理由となっている。
海外の診療が増えるに連れて、アメリカ国内での診療報酬が安くなるという"マーケット・メカニズム"は働いていないようである。

ところで、上記sourceで、海外診療関係の団体が2つ紹介されている。 この二つの団体は、相互に連携しているようで、JCIのCEOは、MTAの諮問委員会のメンバーになっている。

今は医療コストの問題として注目されているMedical Tourismであるが、海外の医療機関に対して評価を行っていけば、やがてはアメリカ基準による医療・診療に関する標準化が進んでいくものと思われる。MTAに参加している海外の医療機関の在籍国を見ると、次のようになっている。
国 名参加病院数
インド7
韓 国4
タ イ1
ベトナム1
コスタリカ1
この世界でも日本の医療機関は出遅れているようだ。