5月31日 NM州:単一保険への挑戦
Source :New Mexico studies single-payer care amid pandemic (ModernHealthcare)
NM州は単一保険制度の導入を目指しており、現在は、実現のための研究調査が行われている段階だ。5月26日、議会の命を受けた調査レポートの中間とりまとめが公表された。ポイントは次の通り。
  1. 単一保険制度が導入されれば、州内の無保険者割合は1%未満にまで低下する(現在は10%程度)。

  2. 民間保険会社の一部は撤退する。

  3. 既存の財源を集めても、5年間で約$7Bの財源不足となる。企業からの拠出増、診療報酬の抑制、患者自己負担の増加などの諸策が必要。
最終報告に向けてパブリック・コメントを募集している。

NM州は、以前から皆保険制度を目指している(「Topics2007年11月1日 New Mexico州知事の皆保険提案」参照)。しかも、現在は州知事だけでなく、上下両院とも民主党が安定多数を握っている。

一方、秋の大統領選の民主党候補バイデン氏は、今回のCOVID-19で医療提供体制が不足していることが明白となり、単一保険制度の導入には反対との意向を示している。

※ 参考テーマ「無保険者対策/NM州

5月30日 失業保険>コロナ対策
Source :Uber and Lyft Drivers Sue for New York Unemployment Benefits (New York Times)
コロナ対策で、Uber/Lyftドライバーにも失業手当が支給されることとなった(「Topics2020年3月30日 2兆ドル対策(COVID-19)」参照)。ところが、フルタイマーとして働いている場合、コロナ対策支給金額は通常の失業保険給付の半分くらいになってしまうらしい。これは、コロナ対策失業手当はガソリン代や車のメンテ代を差し引いたネット所得が算定ベースになる一方、通常の失業保険給付は総所得が算定ベースになっていることの違いからくる。

そこで、従業員として認定されているNY/CA州のUberドライバー達は、通常の失業保険給付を求めて申請している。ところが、Uberドライバー達への失業給付がなかなか支払われず、我慢できなくなったNY州のドライバー達が早く支払えと訴訟を起こした。

Uber/Lyft社が失業保険給付に必要な書類をすべて提出していないため、時間がかかるという側面もある(「Topics2020年3月27日(2) Gig workersの失業保険」参照)。しかし、上記sourceで紹介されている原告のドライバーは、州政府から所得の記録がないとの通告を受け、自ら関係書類を提出した。それでも州政府はコロナ対策失業手当を申請するように言ってきたという。額の違いが歴然としているため、原告はあくまでも失業保険給付を受け取りたいとしているのである。

上記sourceを読んでいて、一つ違和感を持った。それは、原告の訴訟が連邦地方裁に対して行われたことだ。原告は、連邦法である"Social Security Act"に基づいて、必要な給付を迅速に支払うように求めている。しかし、失業保険給付は州政府の所管であり、その職務執行に関することであれば、州の裁判所に訴える方が筋だと思う。さらに、連邦政府はUberドライバーを独立事業者と見做しており、連邦の立場からすれば、コロナ対策失業手当を支払うことが連邦の責務となっている。連邦地方裁に訴えれば、それは州政府のことと門前払いされてもおかしくないのではないか。

※ 参考テーマ「解雇事情/失業対策」、「人事政策/労働法制

5月29日 10週間で4,077万人
Source :40.8 Million Out Of Work In The Past 10 Weeks - 26% Of Labor Force (NPR)
5月28日、労働省は新規失業保険申請数を公表した。今週は、212.3万人だ。インパクトはだいぶ縮小してきたが、それでも高水準が続いている。
10週間で4,077万人となる。この数字は、労働人口の26%にあたり、4人に一人が失業したことになる。

※ 参考テーマ「労働市場

5月23日 Facebookのリモートワーク
Source :Facebook Expects Half Its Employees To Work Remotely Permanently (NPR)
FacebookのCEOが、今後5〜10年の間に、従業員48,000人の半分はリモートワークになるだろうと予想している。まず、現状を確認する。
  1. 本社はCA州Menlo Park

  2. COVID-19の感染拡大初期から事務所を閉鎖し、従業員の95%がリモートワークとなっている。

  3. 7月に事業所を再開し、一部従業員の復帰を求めるが、最大でも25%以内に抑える。

  4. 多くの従業員は今年いっぱいリモートワークとする。

  5. 50人超の会合は2021年6月までキャンセルした。
こうした現状から、徐々にリモートワークへのシフトを構築していくことを考えている。 Facebook社は、メリットとして次のような項目を挙げている。
  1. 先ずは、従業員の多くがリモートワークに関心を持っている。

  2. 事業所から遠くに住んでいる人を採用できる。また、引っ越しを考える従業員を雇用し続けることができる。このようなことから、ダイバーシティを高めることができる。

  3. 従業員の居住地に応じた給与水準とすることで、人件費を削減できる。
明示的にはなっていないが、おそらく将来的には既存事業所の縮小によるコスト削減も期待できるのだろう。

ここでよく理解できないのは、"work remotely on a permanent basis"の"permanent"の意味である。「退職するまでずっとリモートワーク」という意味なのだろうが、一定の頻度で事業所に出勤はしないのか。また、リモートワークからリアル出勤に転換できないのか。事業所に出勤していれば享受できるようなベネフィットの代償はあるのか、等々。まあ、ゆっくりと観察するしかないのだろうが。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」、「Flexible Work

5月22日(1) 9週間で3,864万人
Source :38.6 Million Have Filed For Unemployment Since March (NPR)
5月21日、労働省は新規失業保険申請数を公表した。今週は、243.8万人だ。インパクトはだいぶ縮小してきたが、それでも高水準が続いている。
9週間で3,864万人となる。

※ 参考テーマ「労働市場

5月22日(2) 経済活動再開模様
Source :All 50 U.S. States Have Now Started To Reopen, Easing COVID-19 Shutdown (NPR)
一方で、経済活動の再開に向けて、州政府は既に動き始めている。上記sourceでは、外出自粛要請、レストラン、理髪・美容院の状況を図示している。
だいぶ緩和されてきた印象だ。こうなってくれば、雇用が戻ってくる局面だ。新規失業保険申請件数も鈍化してくるだろう。

※ 参考テーマ「労働市場

5月21日 コロナ影響調査
Source :About Half Of U.S. Homes Lost Wages During Pandemic, Census Bureau Finds (NPR)
5月20日、商務局統計局『コロナ影響調査』の結果を公表した。今回公表されたデータは、4月23日〜5月12日にかけて集められたものである。

ポイントは次の通り。
  1. 回答者のうち47%が「家庭内で失職した成人がいる」と回答。

  2. 39%が「今後4週間の収入は減少する」と回答。

  3. 過去4週間で、約4割が「パンデミックの影響で医療機関での受診を抑制している」と回答。
※ 参考テーマ「労働市場」、「医療保険プラン