9月20日 DOMA廃止法案 
Source :Nadler, Baldwin and Polis Introduce the Respect for Marriage Act to Repeal the Defense of Marriage Act (Press Release of Representative Jerrold Nadler)
15日、連邦議会下院の民主党リベラル派が、DOMA廃止法案を提出した。法案名は、"The Respect for Marriage Act(H.R.3567)"である。ポイントは次の2点。
  1. DOMAを廃止する。
  2. 州で認められた婚姻関係を、連邦政府は承認する。
つまり、連邦政府は婚姻関係に口出しせず、州政府レベルで決めたことを追認すればよい、という訳である。これにより、州レベルと連邦レベルで生じているねじれは解消できる。

上記sourceで、下院議員達は、Obama大統領の公約にまったく従った法案であり、早期の成立を目指すとしている。つまり、早く大統領選挙でもらった手形を落としてくれ、と主張しているのである。

もちろん、話はそんなに簡単ではない。リベラル派のドン、Pelosi下院議長は共同提出者として署名していない。まだまだ時期尚早であり、裁判所の判断を待っていたほうが得策、との判断も働いている。当websiteでも紹介した通り、実際に、MA州が連邦地方裁判所に「DOMAは違憲」として訴えている。

こうしてみると、下院民主党議員達の中間選挙運動の一環、との見方もできてくる。

※ 参考テーマ「同性カップル

9月18日 Baucus法案 
Source :BAUCUS INTRODUCES LANDMARK PLAN TO LOWER HEALTH CARE COSTS, PROVIDE QUALITY, AFFORDABLE COVERAGE (Senate Finance Committee)
16日、Baucus上院議員が法案を公開した。超党派6人組の共和党3人からは支持を得られないままの見切り発車である。法案のポイントは次の通り。
  1. 質の高い保険を全国民へ

    1. 個人市場の改革
      1. 保険会社は、健康状態を理由に、保険加入を拒否してはならない。
      2. 病歴を理由に、保険範囲を限定してはならない。
      3. 保険料の加算理由は、喫煙、年齢、家族構成に限る。
      4. 地域間の保険料格差は認めるが、地域内では認めない。

    2. 小グループ市場の改革
      1. 個人市場の保険料ルールを同様に適用する。
      2. 小グループ市場の定義は州に委任する。
      3. 1〜50人が単位となるが、従業員規模100人未満も適用対象となり得る。

    3. "Exchange"の創設
      1. 各州に"exchange"を創設する。
      2. 個人は、exchangeを通じて、郵便番号エリア毎に、直接保険プランを購入できる
      3. "Exchange"では、保険加入申請書を標準化する。
      4. 税額控除の受給資格、公的プログラムへの加入資格は、ここで審査する。

    4. " SHOP Exchange"の創設
      小グループ市場用の"Small Business Health Options Program (SHOP) exchange"を創設する。

    5. 移行期間の特例
      現在加入中の保険プランに加入し続けることは認める。ただし、新たな基準を満たしているプランに加入した場合に限り、新設する税額控除は受けらることとする。

    6. Medicaidの拡充
      1. 2014年に、加入資格をFPL133%に引き上げる。
      2. FPL100〜133%の人は、Medicaidか、"exchange"を通じて民間保険プランに加入するかの選択肢を有する。
      3. Medicaid新規加入に伴う財政負担について、連邦政府から州政府に追加拠出する。
      4. Medicaid加入者全員に処方薬プランを保証する。

    7. Medicare Part D
      Part D加入者で低中所得者が"donut hole"に達してしまった場合、ブランド処方薬については50%の割引を受ける。

    8. SCHIP
      1. 2013年9月30日まで、現行制度を維持する。
      2. その後、加入資格をFPL133〜250%にまで拡大する。

  2. 保険価格の適正化

    1. プラン内容の標準タイプ
      1. 4つの標準タイプを定める(bronze, silver, gold, platinum)
      2. 個人市場、小グループ市場の保険プランは、いずれかのタイプの基準を満たさなければならない。
      3. 4タイプとも、プライマリー・ケアを含み、予防医療や救急医療、手術等について免責額なしとする。
      4. 生涯給付や年間給付の限度額を設けてはならない。
      5. 自己負担の上限額をHSA拠出額(個人$5,950、家族$11,900)同等とする。

    2. 医療税額控除
      1. 低中所得者の医療保険購入を補助するため、医療税額控除制度(還付付き)を設ける。
      2. 保険料を補助するため、2013年、FPL134〜300%を対象に税額控除を認める。
      3. 2014年に、対象をFPL100〜133%に拡大する。
      4. 控除額は、保険料/所得をベースにする。FPL100%の場合は3%までが自己負担となり、それ以上は税額控除。所得が上がるにつれ徐々にこの割合を引き上げ、FPL300%で13%とする。FPL300〜400%では、所得の13%を自己負担の上限とし、それ以上の保険料負担を税額控除できる。
      5. FPL100〜200%で自己負担が発生した場合には、一定額以上は補助する。

    3. 小規模企業医療税額控除
      1. 従業員に医療保険プランを提供する小規模企業に税額控除を認める。
      2. 2011、2012年は、企業拠出の35%を上限とする。
      3. "Exchange"が創設される2013年以降は、拠出額の50%を上限に、2年間の税額控除を認める。
      4. 従業員10人以下かつ平均課税給与$20,000の場合、上記の全額が認めらる。
      5. これを超えると徐々に控除額は減少し、従業員25人以上または平均課税給与$40,000以上になると、まったく認められない。

    4. カフェテリア・プラン
      小規模企業が従業員に非課税のベネフィットを提供しやすくするよう、"Simple Cafeteria Plan"を創設する。

    5. CO-OP
      1. "Consumer Owned and Oriented Plan (CO-OP)"の創設を認める。
      2. 州内で活動する非営利組織で、個人、小規模グループ市場で保険を提供する。
      3. 基金、初期費用のために、連邦政府が$6Bを用意する。

    6. 個人の保険加入義務化
      1. 宗教上の理由等の免責事項を設ける。
      2. 保険加入しない場合にはペナルティを課す。
      3. ペナルティは、FPL100〜300%の場合、一人当たり年額$750、家族での上限を$1,500(つまり二人分まで)とする。
      4. FPL300%以上では、一人当たり年額$950、家族での上限を$3,800(つまり四人分まで)とする。
      5. 次のような場合にはペナルティは課さない。
        • 最も安価なプランの保険料負担(補助金等は除く)が調整総所得(adjusted gross income, AGI)の10%を超える
        • FPL100%未満(2013年からはFPL133%未満)
        • 宗教団体等が運営する保険プランに加入している、等々

    7. 企業の責務
      1. 企業に保険プラン提供の義務は課さない。
      2. ただし、2013年以降、従業員50人以上で保険プランを提供しない企業については、フルタイムの従業員(週30時間以上)がexchangeを通じて医療税額控除を受け取った場合、"平均補助金額(上限$400)×従業員総数"を連邦政府に拠出しなければならない。

  3. Medicare、Medicaidの予防診療を強化

  4. 医療サービス提供の改革

    1. Medicareの出来高払い制を質・価値を基準とした支払制に変更する。
    2. 2012年から入院に関する支払いを価値基準の支払制に移行する。医師への支払いについても同様。

  5. 医療機関の連携強化

    1. Medicareで、質の高い医療機関が連携して生み出した医療費節約分は、医療機関の間で分配することを認める。
    2. Medicareで、再入院をなるべく防ぐようにする。

  6. プライマリー・ケアの充実

  7. Medicare改革

    1. 現行法では、2010年に医師への支払いが22%削減されることになっている。これをプラス改定に置き換える。
    2. Medicare Advantageへの補助制度を見直す。

  8. 保険会社規制

    1. 保険給付内容を4ページ以内で分かりやすく説明するパンフレットの基準を設ける。
    2. 保険料収入に占める管理費等の保険給付費以外の割合を公表する。

  9. 無駄の排除

  10. Medicareの持続性確保

    1. Part A, Bの償還価格の見直し
    2. 高額所得者のPart D保険料補助の見直し
    3. Medicare Commission(15人で構成する独立した委員会組織)の創設。目的はMedicareの行き過ぎた支払いの削減。議会の立法でとめられない限り、その提言は施行される。
    4. 現行の医療訴訟制度に代わる制度を、州政府が試行できるよう促す。

  11. 医療改革の財源確保策

    1. 高額保険プラン課税
      1. 個人加入で$8,000以上、家族加入で$21,000以上の保険プランについて、35%の課税をする。
      2. 課税対象は、上記価値を超える分の保険料総額。
      3. 納税義務者は保険会社で、損金算入は認めない。

    2. 従業員が加入する保険プラン価値の開示
      2010年より、Form W-2(源泉徴収票)に、各従業員が加入している保険プランの価値を記入する。

    3. FSA拠出額の上限設定
      2013年より、FSAへの年額拠出額を$2,000以内とする。

    4. Part Dの企業補助
      2011年より、Part Dに対して企業補助を出している場合、その分の損金算入を認めない。

    5. 適格医療支出の定義の統一
      2011年より、HSA、FSA、HRAにおける適格医療支出の定義を統一する。

    6. HSAにおける非適格医療支出へのペナルティの強化

    7. 製薬会社からの拠出
      2010年より、製薬会社は、毎年$2.3Bを拠出する。損金算入は認めない。市場シェアに応じて分担する。

    8. 医療器具メーカーからの拠出
      2010年より、医療器具メーカーは、毎年$4Bを拠出する。損金算入は認めない。市場シェアに応じて分担する。

    9. 保険会社からの拠出
      2010年より、保険会社は、毎年$6Bを拠出する。損金算入は認めない。市場シェアに応じて分担する。

    10. 医療研究所からの拠出
      2010年より、医療研究所は、毎年$0.75Bを拠出する。損金算入は認めない。市場シェアに応じて分担する。

この法案に基づくCBOの試算も示されている。無保険者割合は、10年後に9%も下がる一方、特徴的なのは、財政赤字が縮小することである。これは、関係業界に巨額の拠出金を求めているためである。

これらをまとめて、いつもの比較表を作成してみた。

いろいろな報道を見ていても、民主党リベラル派、共和党から総スカンを食っているようで、さらなる修正が求められそうである。中でも、高額な保険プランに課税する手法は、「結局、他の保険プラン加入者に転嫁されるだけ」と、両派から批判を浴びているそうだ(New York Times)。

どうもBaucus上院議員が両党から信頼を得ていないという悪い側面が出てしまっているようだ(「Topics2009年6月25日 Baucusがキーパーソン」参照)。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル

9月16日 Specter上院議員の選挙活動 
Source :Obama supporting Specter in primary battle (Los Angeles Times)
共和党から民主党への鞍替え(「Topics2009年4月29日(2) Filibuster回避」参照)や、タウンホール・ミーティングでの窮地(「Topics2009年9月2日 中道派の価値観」参照)など、今年は何かと話題の多いSpecter上院議員(D-Pa.)だが、今度は豪華な政治パーティを開催した。その概要は次の通り。
 チケット代参加人数
レセプション$ 2,400750人
ディナー$10,000250人
何故これほど豪華なパーティに参加者が集まるのか?Obama大統領が出席するからである。しかも、大統領とツーショット写真を取ることができるからである。

Specter上院議員は、来年の中間選挙で改選期を迎えるため、現在、民主党候補者争い(予備選)を行なっている。相手は、現職のJoe Sestak(D-Pa.)下院議員である。先月の世論調査では、Specter上院議員への支持率が37%、Sestak下院議員への支持率が11%、半数が決めていないという状況で、一応のリードは保っている。しかし、別の世論調査では、34%がSpecter上院議員は再選に値するとしながらも、54%がそろそろ換え時だ、と考えているそうだ。たしかに、Specter上院議員は79歳で、既に上院議員を29年勤めてきている。一方のSestak下院議員は57歳の退役軍人である。この年齢差に民主党有権者は反応しているのかもしれない。

しかも、当websiteで紹介した通り、Sestak下院議員は本選で対立候補となりそうな共和党のPat Toomey元下院議員を招いて、二人だけで医療保険改革の討論会を開催している。Specter上院議員にとってみれば、タウンホール・ミーティングで罵声を浴びせられ、地元の選挙戦では屈辱的な扱いを受けていることになる。

つまりは、Specter上院議員の再選は限りなく不透明なのである。そこで、Obama大統領の登場、ということになったようだ。大統領にとってみれば、上院で鞍替えしてくれたうえに、医療保険改革論議でも先頭に立ってくれている大事な議員である。応援は惜しまない、ということなのだろう。

普通の人同士の間では、とても微笑ましい関係となるが、一方の当事者が大統領となると、そう簡単ではない。上記sourceにもある通り、これはObama大統領にとっては賭けなのである。通常、予備選の段階で特定の議員を支援するという構図はほとんど見られない。どちらが勝ってきても、議会で協力関係を作り上げなければいけない。党内に派閥を生み出す原因にもなる。そして、何よりも、上院議員は州の代表者である、という視点を忘れてはならない。

これで仮にSpecter上院議員が予備選で敗退するようなことになれば、大統領の威信にも傷がつく。そんなリスクを大統領は取ってはならない、というのがこれまでの常識である。Specter上院議員の当落は、Obama大統領の行く末も左右しかねないのである。

※ 参考テーマ「政治/外交

9月15日(1) 超党派6人組が対立 
Source :New Objections to Baucus Health Care Proposal (New York Times)
Baucus上院議員が提示した法案概要(「Topics2009年9月11日 Baucus法案たたき台」参照)に、超党派6人組の共和党議員二人(Enzi上院議員、Grassley上院議員)が、修正要求または反対を唱えた。二人の主張のポイントは次の通り。
  1. Medicaid拡充に伴う負担増はすべて連邦政府が負うべき。これは州知事が最も懸念している部分である。

  2. 保険会社への新たな課税に反対。

  3. 連邦支出、補助金を中絶に使わないことを明記すべき。

  4. 合法的な移民について、税額控除の適用を5年間留保する。

  5. 無保険者に対するペナルティについては慎重に検討。再保険制度を充実させる方(=保険料の抑制)が望ましい。
1.は財政負担がかなり大きくなる可能性がある。また、3.については、本質的な課題ではないが、Baucus上院議員、さらには民主党がどこまで譲歩する意思があるのかを試す試金石的役割を担っていると思われる。

いずれにしても、Baucus上院議員は、さらに難しい課題を突き付けられた形になっており、当初の目論見通り、来週中に上院財政委員会での投票にこぎつけられるかどうかはわからない。

超党派6人組のもう一人の共和党議員、Snowe上院議員は、保険会社に州際プランの提供を認めるべき、との主張を加えている。これについては、Baucus試案にも州際の保険購入を認める項目が入っている。ただし、もしこれを認めるとなると、保険に関する監督権限を巡る連邦政府と州政府の協議が必要となる。

そろそろ、超党派6人組による法案作成が失敗した場合について、頭の体操をしておく必要があるのではないだろうか。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル

9月15日(2) 労組が公的プランを全面支持 
Source :A.F.L.-C.I.O. to Push for Overhaul With Public Option (New York Times)
アメリカ最大の労組AFL-CIOが大会を開催している。上記sourceは、そこで採択される予定の医療保険改革に関する決議の内容を紹介している。

ポイントは次の通り。
  1. 民間保険と競合する「公的プラン」の創設を含め、大規模な医療保険改革を支持する。

  2. "Pay-or-Play"ルールを全企業に適用する。仮に免責にする場合でも、従業員規模ではなく、従業員報酬総額や売上高を基準にすべき(→弁護士事務所や診療所は従業員数が少なくても負担能力あり)。

  3. 65歳未満を対象とした退職者医療保険プランを提供している企業には、特別な連邦支援金を求める。

  4. 財源確保のために、高額所得者の増税を求める。

  5. 企業提供プランに対する課税に反対。

  6. 一定の価値以上の保険プランへの課税(上院財政委員会案は従業員一人当たり$21,000以上)に反対(→他の従業員に転嫁されるだけ)。

  7. 「公的プラン」の次善策として、カナダのような単一連邦政府プランの創設も支持する。
基本はリベラルなのだが、3.や5.は労組特有の要望と言えよう。昨日の世論調査の結果に照らしてみると、こうしたリベラルな主張を労組が声高に叫ぶほど、「公的プラン」は遠のいていくような気がするのだが。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル

9月14日(1) 公的プランの運命は? 
Source :Take Public Option 'Off the Table,' Snowe Says (New York Times)
民主党が最も頼りにしている共和党Olympia Snowe上院議員が、「公的プラン」は検討課題からはずすべきだ、と明言した。「公的プラン」が含まれている限り、法案審議での不確定要素が残る一方、これをはずせば、コンセンサス作りへの雰囲気が高まる、とのことである。

Snowe上院議員は、超党派6人組にも参加しており、その発言は重い。その反面、元々民主党寄りの立場をとり続ける同議員の発言が、共和党全体を超党派作業に誘い込む力があるかというと、それも難しかろう。しかし、Obama大統領への重要なメッセージとなったことは間違いないだろう。

また、14日に公表されたWashington Post-ABC Newsの世論調査では、次のような結果が得られている。
  1. (Q16)Obama大統領もしくは民主党が提案している医療保険改革提案について ⇒ 賛成46%:反対48%
  2. (Q22)「公的プラン」創設について ⇒ 賛成55%:反対42%
  3. (Q23)Obama大統領もしくは民主党が提案している医療保険改革提案から「公的プラン」を落とした場合 ⇒ 賛成50%:反対42%
「公的プラン」創設への支持は強いものの、「公的プラン」を落としてしまえば、賛成は増え、反対は減る。このような反応の背景には、Independetsの意向が働いているようだ(Washington Post)。
  1. 43%の回答者が、「自分はIndependentsだ」と考えている。
  2. Independentsの中で、Obama大統領もしくは民主党が提案している医療保険改革提案について ⇒ 賛成40%:反対52%
  3. Independentsの中で、Obama大統領もしくは民主党が提案している医療保険改革提案から「公的プラン」を落とした場合 ⇒ 賛成45%:反対45%
それほど単純ではないだろうが、Independentsの動きが、全体を左右しているといってもよいのではないだろうか。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル

9月14日(2) 貧困率上昇 
Source :Income, Poverty and Health Insurance Coverage in the United States: 2008 (The Census Bureau)
2008年の貧困率、無保険率が上昇していることが判明した。失業率が急上昇していることから、2009年、2010年ともに、さらに上昇することが予想されている。

以下、ポイントとなる数字の概要。
  1. 所得の中位数が低下

    MEDIAN INCOME

  2. 貧困者数、貧困率ともに上昇

    POVERTY

  3. 中でも若年、現役層の貧困率上昇が目立つ

    POVERTY RATE BY AGE

  4. 無保険者数、無保険者割合も上昇

    UNINSURED RATE

    WITHOUT INSURANCE

  5. 若年層の無保険者割合が大きい。

    AGE DISTRIBUTION OF UNINSURED

  6. 企業提供プランの割合が低下傾向にあり、公的保証プランの割合が上昇している。

    INSURANCE TYPE

※ 参考テーマ「人口/結婚/家庭/生活」、「無保険者対策/連邦レベル

9月13日 民主党に一体感? 
Sources : Obama's Speech Is Seen as Unifying Democrats (New York Times)
Obama's healthcare speech helps unify Democrats (Los Angeles Times)
Details Still Lacking On Obama Proposal (Washington Post)
Obama大統領のスピーチ(「Topics2009年9月10日 Game-time's over」参照)から一夜明け、連邦議会からは様々な反応が出ているようだ。総体からいえば、 ということらしい。

民主党内の各グループは、大統領の発言の中で自分達の主張が取り上げられていることに満足している訳だが、昨日も示した通り、内容の抽象度が高いため、本当の評価はできていない、というのが実情であろう。八方美人的スピーチは一定の効果をもたらしたようだ。

では、議員達が具体的にどのような発言をしているのか。 実に様々な反応だが、下院民主党-保守派の感覚が一番妥当に思える。「大統領のスピーチはよかったけど、具体論はこれからだよね」と。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル

9月11日 Baucus法案たたき台 
Source :Framework for Comprehenseive Health Reform (Sen. Baucus)
Baucus上院議員の試案は、上記sourceの通りである。項目がきれいに列記してあるので、理解しやすい。その中で気付いた特徴点は次の通り。 さて、これで一応関係者の主なスタンスが出揃った形になる。主要項目について比較表を作ってみたが、これを眺めていると、「公的プラン」や「Pay-or-Play」のように、3者の意見が異なるように見えるところもある。が、言葉の違いほど中身が違う方向を向いているようにも思えない。要するに、まだまだ抽象度が高いのである。

このままの状態では、Baucus上院議員が言うように1〜2週間以内に上院財政委員会が可決し、5つの関係委員会案が出揃ったとしても、上院、下院がそれぞれ成案を作成し、議論し、採決するまでには、まだまだ相当の時間がかかりそうである。そして、最後はWhite Houseと両院協議会で決断、ということにならざるを得ないだろう。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル