9月25日 移民との共生が課題
Source :Without immigrants, America's job growth would have stalled (NPR)
上記sourceの分析によれば、アメリカ社会の労働力人口は、直近1年間で増加しているが、アメリカ出身かどうかで分けてみると、外国出身がその大半を占めている。直近5年間では、その傾向はより顕著となる。
外国出身労働者が自国出身労働者を締め出している訳ではなく、ベビーブーマーが引退して生じた穴埋めているというのが現状のようだ(「Topics2021年12月10日(2) 労働市場退出の主役」参照)。

ただし、外国出身労働力人口の中には、合法的移民と不法移民が混在している。

上記sourceで紹介されているOhio州Daytonは、人口が1960年の半分になってしまい、移民を歓迎する方針を明確に打ち出してきた。同市は、『移民に優しい街』と銘打つとともに、2011年から"Welcome Dayton"構想により、移入者が行政サービスを受けやすくし、地域社会に入り込めるように努めてきた。

その結果、市内で移民が働いたり、起業したりすることが活発になり、移民社会は広がっていき、ある小学校では、英語以外の母国語を放す生徒が40%に達している。

ところが、「近所に移民家族が住むことで幸せになれるか」を問う調査では、3年前は70%がなれると回答していたのに、昨年の調査ではそれが57%に低下した。移民を敵視する政治家たちの姿勢が影響していると言われている。

※ 参考テーマ「移民/外国人労働者

9月24日(1) 下院:受託者関連法案可決
Source :House passes anti-ESG package of bills (Pensions & Investments)
9月18日、連邦議会下院は、Protecting Americans’ Investments from Woke Policies Act(H.R.5339)を可決した。投票結果は、ほぼ党派別であったが、共和党214人+民主党3人が賛成に回った(Roll Call 427)。

同法案は、『ERISAプランの受託者は投資収益を犠牲にするような儲からないプラン、リスクが増すようなプランに投資することはできない』というトランプ時代の労働省ルールに戻そうというものである。

バイデン政権は、受託者はESG投資を考慮できるとの判断を示していた(「Topics2022年11月30日 企業年金 ESG投資を是認」参照)が、25州政府から訴えられている(「Topics2023年2月13日(2) 25州が労働省ESG投資を訴え」参照)。

上記法案は、次の3法案を含めたオムニバス法案となっている。 下院議員選挙が近づく中、会期が限られていること、上院は民主党が多数を占めていること、などから同法案の成立は見通しが立っていない。

※ 参考テーマ「受託者責任」、「企業年金関連法制

9月24日(2) ベネフィットの官民差
Source :Employee Benefits in the United States - March 2024 (BLS)
9月24日、BLS"Employee Benefits in the United States - March 2024"の調査結果を公表した。ポイントは次の通り。
  1. 医療保険を提供されている従業員の割合は、民間企業で72%、地方自治体で89%。
  2. 単身者プランで従業員が負担する保険料の割合は、民間企業で20%、地方自治体で14%。
    家族プランで従業員が負担する保険料の割合は、民間企業で32%、地方自治体で29%。
  3. 有給傷病休暇を提供されている従業員の割合は、民間企業で79%、地方自治体で92%。
  4. 有給休暇を提供される割合は、勤続年数により徐々に高まる。
  5. ベネフィットを提供される割合は、フルタイマーの方がパートタイマーよりもかなり高くなっている。


※ 参考テーマ「ベネフィット」、「医療保険プラン」、「FMLA