5月18日 ME州ハイリスク保険の成功 
Source :Secret Sauce In Maine’s Successful High-Risk Pool: Enough Money (Kaiser Health News)
PPACAが本格施行される前、Maine州(ME)では、ハイリスク保険制度が導入されていた。たった2年間(2012〜2013年)の施行だったが、成功だったと評価されているそうだ。

同制度の概要は次の通り。
  1. 保険加入希望者は、加入申し込み時に質問書に記入する。

  2. 健康状態により高コストとなる可能性のある希望者(ハイリスク加入者)にはマーク付けがされる。

  3. ハイリスク加入者側にはそのことは知らされず、保険料も通常と同じ負担となる。

  4. ハイリスク加入者に関する医療費は、独立した非営利法人(Maine Guaranteed Access Reinsurance Association, MGARA)が支払う。

  5. 支払い財源は次の2つ。
    1. ハイリスク加入者の保険料
    2. 州内の全保険加入者の保険料に一人当たり$4/Mを上乗せして徴収
成功したと評価される要素は、 要するに、州民に意識させずに充分な財源を確保することができたということである。

下院が可決したAHCA(HR 1628)では、ハイリスク加入者に別建ての高い保険料を負担させるかどうかの判断を州政府に委任するとともに、州のハイリスク保険に対する連邦政府拠出金を用意している。しかし、ME州の事例を参考にすれば、初年度だけでも$15B程度は必要となるのだが、AHCAで想定されているのは、今後10年間で$15〜20B程度である。つまり、充分な財源の1割しか手当てできていないのである。

これでは、ハイリスク加入者だけでなく、州政府も心配になってしまう。

※ 参考テーマ「医療保険プラン」、「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/州レベル全般」、「無保険者対策/ME州

5月14日 Exchange保険料高騰の兆し 
Source :More price hikes likely for government insurance markets (ABC News)
2018年のExchange保険料については、保険会社が現在検討している最中である。しかし、上記sourceによると、高騰するのではないかとの兆しが見られるという。 Urban Instituteの試算によれば、保険プランを提供している保険会社が1社しかない地域の保険料は、6社以上ある地域の保険料より67%高い、とされている。トランプ政権、連邦議会の医療保険政策の行方が定まらないことを嫌って保険会社が退出し、それによって保険料が上昇している部分が間違いなくある。

中でも、 がどうなるのか、注目されている。大統領、連邦議会ともに、結論を急ぐ必要がある(「Topics2017年5月6日 AHCA下院可決」参照)。

※ 参考テーマ「医療保険プラン」、「無保険者対策/連邦レベル

5月12日 CalPERSへの拠出金倍増 
Source :California governor's latest budget proposal doubles pension contribution to CalPERS (Pensions & Investments)
5月11日、CA州知事は、7月1日から始まる新年度の予算について修正提案を行った。その中で、CA州政府のCalPERSへの拠出金を、当初予算の$5.8Bから$11.8Bに倍増することを提案している(「Topics2017年1月17日 CalPERS:州拠出金増額」参照)。

拠出金を倍増したことにより、次のような効果が得られるという。
  1. 積立比率を改善することができる。現在、CalPERSの積立比率は65%しかない。

  2. 向こう20年間で州政府職員の報酬に対する支払いを2.1%、$11B抑制できる。
州政府自ら拠出金増額を提案するということは、CalPERSのソブリンリスクが高まっているということなのだろうか。

※ 参考テーマ「地方政府年金