5月4日、連邦議会下院でAHCA（HR 1628）に関する投票が行われ、217 vs 213の僅差で可決された。

可決の見込みがつかずに法案を取り下げてから約1ヵ月半の調整は、次の通り（「Topics2017年3月25日(2)　AHCAを断念」参照）。

• 保守強硬派（主にFreecom Caucusのメンバー）対策
  
  既往症を持つ保険加入者に対して保険会社が最大30％の付加保険料をかけることを認めるかどうかの判断を、州政府に委ねる。
  
  
• 穏健中道派（主にTuesday Groupのメンバー）対策
  
  既存の保険市場では保険を購入できない既往症を持つ者をカバーするための州ハイリスク・プールに対する拠出を、$8B追加する。

これでようやく可決に漕ぎつけたわけだが、与党共和党からの反対は20票にも及んだ。最終的な法案内容の概要は、Washington Post作成の比較表が判りやすい。

今回の投票も、CBOの推計を待つことなく行われた。

法案を受け取った上院共和党は、CBOの推計を待つとともに、個別項目について慎重に検討を重ねる考えである。上院共和党ナンバー2のSen. John Cornyn（R-Tex.）は、下院可決法案の検討開始時期を明らかにすることを避けたそうだ（Washington Post）。ここからが政策論議の本番である。

※　参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」