Source : | N.J. Senate budget panel approves mandatory retirement savings plan (NJ.com) |
NJ州議会上院の予算委員会は、12月21日、州立退職貯蓄プラン法案(A.4275)を可決した。州議会下院は、12月3日に既に可決している。
NJ州議会は、上下両院とも民主党が多数を握っているが、州知事は共和党であり、同法案への署名の可能性について上記sourceでは示されていない。
同法案のポイントは次の通り。NJ州の経済界は、プラン提供義務は新たなコストになるとして反対の立場だ。
- 従業員25人以上で、年金プランを提供していない企業は、"Secure Choice"の提供を義務付ける。25人未満の企業は提供することも可能とする。
- "Secure Choice"を提供する企業は、従業員の拠出金の天引き事務を行う。
- 従業員は自動的にサラリーの3%を拠出する。減額または退出も可能とする。企業の拠出はない。
- 法案可決後2年以内に発効するものとする。
- 制度運営は、7人からなる委員会が行う。政府関係者、州議会両議長の指名者により構成する。
- 運用コスト、制度運営コストは、総資産の0.6%を超えてはならない。
- 資産管理は州政府が行うものの、元本保証はしない。州政府の拠出もない。
後からこの議論に参入してきたNJ州だが、一歩前に出そうな雰囲気である。
※ 参考テーマ「地方政府年金」
Source : | The Telehealth Outlook for 2016 (Epstein Becker Green) |
上記sourceは、2016年に"Telehealth"の大きなうねりが来ると予言している。"Telehealth"とは、通信技術を利用して提供される、予防まで含めた医療関連サービスのことである。
その予言を裏付ける動きとして、次のようなものが紹介されている。一方で、解決すべき課題も多数挙げられている。
- 州レベル
- 42州で200以上の関連法案が提出されている(NCSL)。
- 制度設計で州政府の裁量が利くMedicaidにおいては、ほとんどの州で何らかのtelehealthを導入している。
- 12州が医師免許の相互承認協定を結んでいる。その他の州でも導入を促進するような規則や政策方針を採っている。
- FSMBでは、複数の州で医師免許の相互承認ができるような協定作りを進めている。
- 連邦議会
いくつかの関連法案が提出されている。代表格は"TELE-MED Act of 2015"(H.R.3081、S.1778)で、Medicare提供医療機関が他州のMedicare加入者に医療サービスを提供できるようにすることを目指している。
- 看護師については、複数の州での免許相互承認協定が既に存在し、25州が加盟している。
- ナース・プラクティショナー、精神科医、救急救命士などの相互承認協定も検討されている。
- 医療保険プランを提供している大企業の間でも関心が高まっている。Telehealthを導入している企業は、2015年48%だったが、2016年には74%にまで高まる見込みである。
- ウェアラブル端末の開発、普及により、医療情報の交換、分析が飛躍的に進んでいる。
こうした環境整備が進めば、州際保険加入も進むことになるかもしれない。
- 医療情報のプライバシー、安全確保
- 医療過誤の変質
- 企業の役割、責任の所在
- 償還額のあり方
- 独占禁止法との関係
※ 参考テーマ「医療保険プラン」
Source : | In 2015, Deportations Reached Lowest Level Since 2006 (NPR) |
U.S. Immigration and Customs Enforcement’s (ICE)による国外退去者数が、3年間連続で減少している(「Topics2013年12月25日 不法移民国外退去の実績」参照)。上記sourceでは、減少している理由を2点挙げている。
ICE Enforcement and Removal Operations Report本当は、もう一つあると思う。既に頓挫してしまった『不法移民保護大統領令』の影響はやはり否定できないだろう(「Topics2015年11月17日 不法移民保護大統領令にストップ」参照)。
- 犯罪者、国民の安全に対する脅威を摘発目的の最優先にしている。
- 違法に国境を越えようと試みる外国人が減少している。
昨日、『CA州では中国からの移民が増えている』を紹介したが、国外退去者の送還先は依然としてメキシコが断然多い(「Topics2015年12月23日 CA州移民:メキシコから中国へ」参照)。 一方、中国は386人、インドは311人で、規模がまったく違っている。ちなみに日本は29人と、これまた桁違いに少ない。こんなところにも、アメリカの国益に適う移民の概念が変わってきていることが覗われる。
※ 参考テーマ「移民/外国人労働者」
Source : | China surpasses Mexico in sending immigrants to California (Sacramento Bee) |
最近、移民の話というと不法移民ばかりであったが、そこに目を奪われている間に、大きな近く変動が起きつつあるようだ。
上記sourceによれば、CA州に入ってくる移民の出身国は、2年連続で中国が1番になっており、従来のメキシコからの移民を上回るようになっている。しかも、インドからの移民も増えてきており、近いうちにメキシコを抜くのではないかと見られている。
メキシコからの移民が大幅に減少している理由として、次のような諸点が挙げられている。一方、中国からの移民が増えている背景には、高技能労働者、特に技術関係の労働者への需要が高まっていることが挙げられている。
- リーマンショックに伴う労働力需要の大幅減退
- メキシコの出生率の低下
- 米墨国境警備の強化
- 不法入国者の強制送還実績の増加
- 建設、サービス産業における求人の減退
つまり、アメリカの産業構造が変化し、ローテク産業からハイテク産業に中心が移ったため、必要となる労働力も異なってきた、ということだろう。
- アジアからの入国者の多くは、H1-Bビザを取得しており、入国後、働きながら長期滞在、永住となっていく可能性が高い。しかも、彼らの居住地はSilicon Valleyに集中している。
County
Chinese immigrants Rate per 1,000 residents San Francisco
21,900
25.7
Santa Clara
33,000
17.5
Alameda
22,900
14.3
Los Angeles
71,400
7.1
Contra Costa
5,800
5.3
San Diego
10,700
3.3
Orange
10,100
3.2
Riverside
5,900
2.6
Sacramento
2,900
2.0
Fresno
1,200
1.2
San Bernardino
2,200
1.0
Kern
200
0.2
Note: Excludes those born in United States who moved to another country and returned.
Sources: Public Policy Institute; U.S. Census Bureau via Minnesota Population Center- 中国からアメリカの大学への留学生が急増している。しかも、州立大学で州外レートの高い授業料を支払って、もしくは私立大学に、である。そこにはこれまで続いてきた『一人っ子政策』が影響している。
- 『Reunification visa』は制限されているにも拘わらず、50歳以上の入国者も増えている。
CA州の移民の変化は、やがてはアメリカ全土の変化へとつながっていく。移民政策も大きな転換点を迎える日が近いのではないだろうか。
※ 参考テーマ「移民/外国人労働者」
Source : | A Statistical Profile of Employee Ownership (National Center for Employee Ownership) |
上記sourceでは、ESOPの現状を統計データを用いて説明している。要するに、『プラン数は減少してきているが、加入者数は増加傾向にある』ということである。Enron, WorldCom事件以降、年金プランへの自社株投資が疑問視される中、当websiteでは意図的にESOPへの言及を避けてきたところがある。ところが、上記のように、加入者は確実に増加しているし、政治的にも支援する流れができている(「Topics2014年6月9日 ESOP支援法案」参照)。
Filing Year Number of ESOPs Total participants Active participants* 2002 8,874 10,230,425 7,946,652 2003 7,934 10,049,154 7,570,321 2004 7,348 10,243,283 7,826,741 2005 7,198 11,998,319 9,448,271 2006 7,384 12,584,772 9,850,008 2007 7,326 13,218,808 10,173,536 2008 7,305 13,037,946 10,055,117 2009 6,690 12,996,711 10,014,524 2010 7,138 13,477,187 10,306,818 2011 6,941 13,462,955 10,288,363 2012 6,908 13,823,595 10,603,334 2013 6,795 13,927,535 10,578,114
要するに、ESOPは、退職後所得の積立プランとしてよりも、労使協調を目的とする一経営手法として認識し直されているのだと思う。
※ 参考テーマ「DB/DCプラン」
Source : | This startup bets up to $10,000 that your marriage will end badly (Washington Post) |
Swan Luvという企業が、来年2月より、新たな結婚支援ビジネスを本格始動させるという。概要は次の通り。今時の若者たちは、正規の職がない、多額の教育ローンを背負っている、などで懐具合が厳しい。そこで、こうした支援ビジネスが成り立つとの見通しが立てられている。それにしても、破綻すると返済しなければならないというのは、当事者達にとっては厳しい話である。本当に回収できるのかどうかも怪しい。
- 結婚しようとするカップルに、最高$10,000を提供する。
- 結婚後、6ヵ月、もしくは25年で結婚が破綻していた場合、相当の利子とともに返却してもらう。
- ただし、DVの場合には加害者側のみに請求する。
- 返却された資金は、新たなカップルへの資金提供の原資として利用する。
- Swan Luv社は、付随する広告収入を得ることでビジネスを成り立たせる。
ところで、本題はこのビジネスではなく、その背景にあるアメリカ社会の結婚事情である。アメリカ社会もだんだん結婚しにくい状況になっているようだ。
- 結婚を経験していない成人の割合がどんどん上昇し、過去最高となっている(Pew Research Center)。
- 過去30年間、結婚率、離婚率ともに低下してきている(Washington Post)。
- 結婚回数が多くなると、離婚する割合も高まる(Census Bureau)。例えば、初婚の場合の離婚率は約40%だが、2回目になると約2/3、3回目では約3/4となる。
- 年齢も関係している。10代で結婚した場合には離婚率が高く、20代になると徐々に低下していき、30代になると再び上昇する。32歳以降は、1歳高まるごとに離婚率は5%ずつ上昇する(University of Utah)。
- 学歴も関係する。高卒未満では半分以上が離婚する一方、大卒では30%程度にとどまる(BLS)。
- もちろん、収入も関係する。収入が高いほど結婚が長続きする(FRB)。
- 地域的には、東海岸は結婚を遅らせる傾向があり、その分、離婚率も低くなっているのではないかと見られている(Census Bureau)。
※ 参考テーマ「人口/結婚/家庭/生活」