7月20日 風が変わった? 
Source :Preliminary Analysis of the Insurance Coverage Specifications Provided by the House Tri-Committee Group (CBO)
17日、CBOが、下院3委員会案(「Topics2009年7月15日 下院3委員会案」参照)の効果推計を公表した。
2010年2019年
現行法 - 無保険者数5,000万人5,400万人
改革後 - 無保険者数5,100万人1,700万人
改革の効果-100万人3,700万人
改革後 - 無保険者割合19%6%
改革による財政赤字拡大額$11B$65B10年間で累計$239B
無保険者割合は大幅に低下するものの、増税とペナルティで負担増をかなり入れ込んだにもかかわらず、財政赤字幅は大幅に拡大する。

こうした状況から、下院民主党の中からも、抜本的な医療保険改革に疑念が生じているようだ。

17日、下院のEducation and Labor Committeeは、この3委員会法案を可決したが、民主党から反対票が3票入った。同じく、Ways and Means Committeeでも、3票の反対票が投じられた(New York Times)。

こうした民主党の内情を踏まえ、法案の採決を遅らせようという動きが強まっているようだ。

また、下院3委員会法案が公表されたのをきっかけに、議会の外でも、反対運動が公然と行われるようになってきた。特に中小企業を中心とした経済界、保険業界、製薬業界などが鋭い反対運動を展開し始めたことに加え、いったんは支持を表明したAMAでも、内部から反対論が噴出し、一枚岩ではなくなってしまっている。

こうした政治状況を、Washington Postは、次のように表現している。
"The political climate is notably different than it was in May, when Obama stood at the White House with half a dozen health-industry trade groups that had pledged to come up with $2 trillion in savings over the next decade. "
Obama大統領を取り巻く政治状況は一変した、というわけである。そして、関係者は、皆嘆くのである。『Kennedy上院議員がいたらなあ・・・。』(New York Times

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル

7月17日 CBO局長の警告
Source :CBO Chief Criticizes Democrats' Health Reform Measures (Washington Post)
16日、上院Budget Committeeで、CBODouglas Elmendorf局長(Director)財政見通しに関する議会証言を行った。その際、質問に答える形で、現在、民主党で検討されている医療保険改革法案について、所見を述べた。そのポイントは次の2点。
  1. 両院法案とも、アメリカの医療費を大きく抑制することにはならない。むしろ、財政負担は大幅に増大する。

  2. 連邦政府の医療関連支出を抑制するためには、企業提供医療保険プランのベネフィットに課税する必要がある。
まさに、Baucus上院議員はわが意を得たり、というところだが、その彼も『Obama大統領がまったく助けてくれない』と泣きを入れている。やはり、Obama大統領は、Baucus上院議員とは組むつもりはないようだ。

そうなってくると、俄然、注目が集まるのが、民主党穏健派、下院においては"Blue Dogs"と呼ばれる議員達の動向である。彼らが、主義主張として、財政赤字拡大に真剣に反対するのか、それとも、来年の中間選挙でObama人気にのるために、ここは妥協するのか、が鍵となりそうである。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル

7月16日 上院HELP委員会案可決
Source :In Histric Vote, HELP Committee Approves the Affordable Health Choices Act
16日、上院HELP委員会が、医療保険改革の委員会案を可決した。概要は以下の通り。
  1. 保険市場改革
    1. 保険加入申請者はすべて加入させなければならない。病歴を理由に加入を拒否できない。
    2. 地域毎の保険料率は、家族構成、プラン内容、喫煙の有無、年齢のみを要素として、2対1以内の範囲で既定される。
    3. 年間、生涯の保険給付上限を設けてはいけない。
    4. 既に販売している保険プランについては、適用外とする。

  2. "Exchange"の創設
    1. 各州で"Gateway"と呼ぶ保険市場を創設する。
    2. 2012年からいくつかの州で施行され、2014年までにすべての州で施行される。
    3. もしこれらが実現しない州があれば、連邦政府がかわりに"Gateway"を創設する。

  3. 連邦政府保険プランの創設
    1. "Exchange"では、連邦政府保険プランが提供される。
    2. 連邦政府保険プランは、HHS長官により設立される。
    3. 実際の運営は、契約に基づき、各地方の機関(非営利保険者を含む)により運営される。
    4. 償還レートはHHS長官が交渉する。
    5. 各レベルでexchangeに保険プランが提供されていれば、連邦政府保険プランも提供される(つまり、民間保険にぶつける)
    6. 保険料は地域の特性を反映させるため、地域ごとに異なる。

  4. 保険料・自己負担への補助
    1. FPL100%〜400%の低所得層に対して補助する。
    2. 各地域で提供されている保険料のうち、低い方から3つのレートの平均を算出する(参照保険料)。
    3. 保険料補助は、参照保険料に基づいて算出する。
    4. フルタイム従業員50人以下の企業で、保険プランを提供しており、かつ保険料の60%以上を負担している場合、税額控除を受けられる。

  5. 個人の保険加入義務
    1. すべての国民に保険加入を義務付ける。
    2. 加入しない場合には、最高年額$750のペナルティを課す。
    3. 保険加入情報は、納税申告書に記載する。

  6. "Play-or-Pay"ルール
    1. 従業員25人超の企業については、"Play-or-Pay"ルールを適用する。
    2. 適格な保険プランを提供しておらず、また、提供していたとしてもその保険料の60%以上を負担していない場合には、ペナルティを課す。
      1. フルタイム従業員一人当たり年間$750
      2. パートタイム従業員一人当たり年間$375
      3. 2013年以降は、医療費インフレに連動させる。

はっきり言って、気が抜けたような法案である。これでは、骨子段階の方がよほど迫力があった(「Topics2009年7月5日 上院HELP委員会案」参照)。Kennedy上院議員というリーダーを失った委員会は、惨めである。ただ、もしかすると、これはKennedy上院議員への労いの意味があるのかもしれないが・・・。

当然のことながら、同委員会の共和党メンバーは全員反対票を投じ、完全に民主党単独の支持となった。これに対し、Obama大統領は、賞賛のメッセージを出している。ここで気になるのが、民主党上院議員達の次のような受け止めである。
"Senators said the White House had been sending mixed signals. For months, they said, it emphasized the need for a bipartisan bill. But in the last 10 days, one Democrat said, the message has been: "Hurry up. If you have to go without Republicans, it's not the end of the world."" - New York Times
この10日間ほど、Obama大統領は、超党派プロセスよりもスピードを重視している、というのである。これは、単なるObama大統領の作戦なのか、焦りなのか。あるいは、本気で超党派プロセスを捨てるつもりなのか。そうだとしたら、Baucus上院議員の努力はどうなるのか。下院案に乗っかるつもりなのか。

いろいろと憶測を呼ぶところである。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル

7月15日 下院3委員会案
Source :America's Affordable Health Choices Act
14日、3委員会による医療保険改革法案("America's Affordable Health Choices Act" (HR 3200))が公表された。関連資料は、ここに掲載されている。

基本的には、骨子段階で示された内容(「Topics2009年6月22日 下院法案骨子」参照)に財源手当が足された、という感じである。なお、「☆」印は、Obama大統領が支持している項目である。
  1. Coverage and Choice

    1. "Health Insurance Exchange"の創設 ☆
      1. 個人、中小企業が民間保険、公的保険を比較購入できる場を提供する。
      2. 初年度は従業員10人以下の企業の参加を認める。2年度は従業員20人以下の企業。将来的には、大企業にも参加を認め、企業提供保険プランの選択肢の一つとする。
      3. 州政府が運営することも可能とする。

    2. 公的医療保険プランの創設 ☆
      1. "Exchange"に載せられる選択肢の一つとする。
      2. 他の民間保険と同等のルールに基づく。
      3. 保険市場の競争を促す。
      4. 財源は保険料のみとする。保険料には地域事情を反映させる。
      5. 当面の診療報酬は、Medicareを基本とし、将来的には新たな診療報酬体系を作成する。
      6. 医療機関が参加するかどうかは任意だが、Medicareを提供している医療機関は、不参加を選択しない限り参加することとする。

    3. 加入保証と保険市場改革 ☆
      1. 健康状態、病歴等で保険加入を拒否することを認めない。
      2. 健康状態、病歴等で保険料を高く設定することは認めない。
      3. 年間または生涯保険給付に上限を設けることは認めない。
      4. 保険料は、年齢、地域、家族人数のみにより決定される。

    4. 保険プランの標準メニュー
      1. 保険プランの標準メニューを法定する。
      2. "Exchange"に4段階(Basic, Enhanced, Premium, Premium Plus)の標準メニューを定め、これらをベースラインとする。
      3. 将来的には、企業提供保険プランの最低基準とする。

  2. Affordability

    1. 中低所得者への補助金 ☆
      2013年に施行。FPL133%(新Medicaid対象基準)(単身$14,404/Y、4人家族$29,327/Y)から、FPL400%(単身$43,420/Y、4人家族$88,200/Y)まで、所得に応じた補助金を提供する("Exchange"を利用した場合のみ)。保険料自己負担は、FPL133%で所得の1.5%、FPL400%で所得の11%を上限とする。

    2. 窓口自己負担に上限設定(年間)

    3. Medicaidの拡充 ☆
      1. FPL133%までの家庭を対象とする(2013年施行)。
      2. 拡充分に対応する財源は、連邦政府負担とする。
      3. 加入者の診察を担当した"primary care providers"に対する診療報酬を引き上げる。2010年はMedicareの80%、2011年は90%、2012年以降は100%とする。そのための財源は連邦政府負担とする。
      4. 各州で独自に運営している"Medicaid"で、FPL133%以上の所得層の加入を認めることは可能。

    4. Medicareの改善
      1. 2011年に予定されている診療報酬21%削減をやめる。
      2. Primary careを優遇する。
      3. Part D の"Donut Hole"を解消する(「Topics2009年2月6日(2) Doughnat Holeの影響」参照)。2011年に幅を$500まで縮小させ、その後、15年以内に完全に解消する。そのための財源として、ブランド品の割引率を高める。
      4. 予防医療の自己負担を廃止する。
      5. Medicare Advantageに対する拠出を制限する。
      6. 低所得者に対する補助制度を改善する。
      7. 低所得者に処方する場合、州政府購入の割引率を高める。
      8. 5年後以降、支払いの適正性、財源問題も解決する。

  3. Shared Responsibility

    1. 個人の責務 ☆
      1. 医療改革が実効あるものとなった際には、例外措置を除き、医療保険への加入義務を負う。
      2. 加入しないことを選択した場合には、一定額を上回る調整所得(申告上のadjusted gross income)の2.5%をペナルティとして徴収する。

    2. 企業の責務 ☆
      1. 自ら医療保険プランを提供するか、拠出金を負担するかの選択義務を負う("Pay-or-Play")。
      2. 拠出金は、給与の8%とする。
      3. 医療保険プランを提供していると認定されるためには、フルタイム従業員に関わる保険料のうち、個人の場合は72.5%、家族の場合は65%を企業が負担していなければならない。
      4. パートタイム従業員については、保険プランを提供してもよいし、従業員が保険購入するために、"Exchange"に拠出金を支払ってもよい。
      5. "Exchange"が創設されてから5年以内に、医療保険プランを提供する場合のプラン内容は、最低基準(新たに設定)を満たさなければならない。

    3. 小規模企業への支援 ☆
      1. 一定規模以下の小規模企業については、企業の責務を免除する。
      2. 年間給与総額$250,000以下の企業は免責。年間給与総額$250,000超の企業は2%のペナルティ、年間給与総額$400,000超の企業は8%のフルペナルティ。
      3. 免責企業の従業員でも、"Exchange"を通じて保険プランに加入できる。
      4. ただし、従業員に対して医療保険プランを提供しようとする場合には、支援するための税額控除制度を設ける。

    4. (連邦)政府の責務
      すべてのアメリカ国民が適正な医療保険プランに加入できるようにする責務を負う。

  4. Controlling Costs

    1. Medicare改革 ☆
      1. 再入院を回避するためのインセンティブを設ける。
      2. Medicare Advantage Plansにおける加入者保護の規定を設ける。
      3. Primary careを優遇することを含め、診療報酬を改善する。

    2. 支払いの適正化 ☆
      1. Medicare Advantages Plansへの過大支払いその他を是正する。
      2. MedPACの提案を実現する。

    3. ムダ、不正、乱診の排除

    4. 管理コストの抑制

  5. 医療保険改革の財源

    1. これまで述べてきた制度、支出の合理化等により、医療保険改革のための財源の半分を賄う。

    2. 残りの半分を、高所得層に対する"surcharge"(加算税)により賄う。 ☆

    3. 家族の場合の課税例
      調整総所得(adjusted gross incomes)($)加算税率(%)
      0 〜 350,0000
      350,000 〜 500,0001.0
      500,000 〜 1,000,0001.5

    4. 個人の場合は、$280,000以上に加算課税。

    5. 合理化による財源が予定通り確保できない場合には、加算税を増税する。

    6. 実際に課税される可能性のある国民は、全体の1.2%にしからならない。

  6. Preventon and Wellness (略)

  7. Workforce Investments (略)

Obama大統領としては、95点を上げたいくらいの出来栄えなのではないだろうか。あとは、これでどれだけ無保険者を減らせるか、である。下院は、夏休み前の投票に向け、今週からプロセスを開始するという(New York Times)。

一方のBaucus上院議員は、依然として超党派法案を目指して調整を続けているようだが、下院に遅れをとった感は否めない。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル

7月14日 DC-他州同性婚承認
Source :D.C. Recognizes Same-Sex Marriages From Other Jurisdictions (Seyfarth Shaw LLP)
7月7日、District of Columbia ("D.C.")は、他州が認めた同性婚を承認することを開始した。これは、5月に議会で可決した法案が発効したものである(「Topics2009年5月6日(2) DCも他州同性婚を承認へ」参照)。

上記sourceでは、同性婚承認が開始されたことにより、D.C.の企業として気をつけておかなければならないことをまとめている。以下、その概要。
  1. ERISA関係

    1. ERISA対象のベネフィット・プランは、他州同性婚を認識する必要はない。DOMAが婚姻の定義づけをしているからである。従って、それらプランの加入者に影響が及ばない限り、州レベルでの規定は認識しなくてもよい。

    2. ただし、それにも制約はある。まず、連邦政府、教会関係の職場におけるベネフィットプランは、ERISAの対象外である。さらに、保険に関する州法はERISAに優先する。従って、D.C.域内で販売されている保険を利用したベネフィット・プランであれば、他州で認められた同性婚カップルの配偶者を加入させるよう規定することは充分あり得る。

    3. 自社内プラン(Self-Funded)はERISAの対象となるため、州法の規定には左右されない。同性婚の配偶者の加入を認めるかどうかは、企業側の任意である。

    4. COBRAについて、同性婚配偶者、同性カップルの相手は、加入資格を持たない。ただし、D.C.法では、本来のCOBRAでは対象になっていない、従業員規模20人未満の企業に対し、保険加入継続を可能とするよう求めている。従って、新たなD.C.法の視点に立てば、医療保険プランを提供しているこれらの企業には、保険加入継続が求められることになろう。

  2. 税制関係

    1. DOMAにより、連邦所得税では同性婚配偶者が受け取る医療ベネフィットは課税対象所得となる。

    2. 一方、新法により、D.C.地方所得税では、同性婚配偶者が受け取る医療ベネフィットは非課税となる。

    3. 従って、企業提供医療保険プランで同性婚配偶者に加入資格を与えた場合、同性婚配偶者が受け取る医療ベネフィットは、連邦所得税では課税、地方所得税では非課税と、取り扱いが異なる。当然、源泉徴収の際にも、異なる取り扱いをしなければならない。

    4. 同性婚配偶者は、DOMAの規定により、FSA、HRA、HSAの適格支出対象にはならない(医療貯蓄勘定)。

  3. 配偶者の定義

    医療保険プランにおける規約が重要となる。配偶者について、『州法による』とか『DOMAに基づく』といった表記になっている場合が多い。新D.C.法を踏まえ、企業側の意図通りになっているかどうかを確認する必要がある。

  4. D.C.域外での影響

    新D.C.法の下では、他州で認可された同性婚者の配偶者に対し、保険プラン提供が義務付けられることになる。しかし、これは同性婚者がD.C.域内に居住している場合であり、同性婚者が他州認可同性婚を承認していないところ(例えば隣のMD州)に引っ越した場合はどうなるのか。これは厄介な問題となろう。
このように、婚姻に関する定義が州毎に異なる、連邦政府と州で異なる状況は、医療保険プランを提供する企業側にとっては、かなり面倒な状況となる。最後に挙げた例のように、職場が変わってもいないのに、同性婚者がD.C.から隣のMD州に引っ越しただけで、受け取れるベネフィットや税制上の扱いが異なってくる。特に、D.C.のように狭い地域では、こうした問題が起きる可能性は高い。

逆に、そうした面倒なことがあるからこそ、地域の広がりが重要である。その意味で、同性婚推進団体がNew Englandを聖地にしようと活動していることは、それなりの合理性を持っている(「Topics2009年5月7日 New Englandが同性婚の聖地に」参照)。

D.C.新法の発効を踏まえ、各州政府の同性婚に関する法制情報を更新しておく。
同性婚の法的ステータス
州法州最高裁判決他州認可同性婚承認認可法案審議中異性婚同等権利賦与
MassachusettsA@
Vermont
ConnecticutA@
Maine
Iowa
New Hampshire
Rhode Island
New York
Washington, D.C.
New Jersey
California○→×
Oregon
Wasington
Nevada
Hawaii
Wisconsin
※ 参考テーマ「同性カップル

7月13日 MA州がDOMAにチャレンジ
Source :Massachusetts Attorney General Martha Coakley Files Constitutional Challenge to Federal Defense of Marriage Act (Attorney General Press Release)
8日、MA州が、連邦地方裁判所に対し、DOMA連邦憲法違反であるとの訴えを起こした。

訴えの具体的な内容は、次の通り。
  1. DOMA第3条は、『結婚とは、異性である男と女の間の法的結びつきのみを意味する。』と規定している。

  2. この規定は、MA州が保有する住民の結婚に関する規定を制定する権限を、DOMAは侵害している。また、連邦議会に、同性婚者と異性婚者の間で異なる扱いにするようMA州に要求する権限はなく、DOMAは連邦議会の権限を越えている。

  3. MA州の同性婚者は、
    1. 連邦所得税の夫婦合算申告ができない
    2. 公的年金の遺族年金受け取れない
    3. 配偶者が病気でも有給休暇が保証されない
    4. 配偶者の医療費負担のためにFSAが利用できない
    5. 贈与税、遺産税の配偶者控除が利用できない
    といった不利益を被っている。

  4. 連邦政府の補助を受けているプログラムについて、同性婚者は
    1. MassHealth(Medicaid)に加入できない
    2. 退役軍人のための墓地が利用できない
DOMAは、クリントン政権時代の1996年に成立した法律である。MA州は、「既に時代は変わった」という認識に立っている。

本件は、2つの意味で注目される。
  1. 今回、連邦地方裁判所に訴えが出されたが、いずれは連邦最高裁にDOMAが違憲かどうかの判断が求められることになる。

  2. 『結婚』の定義に関する権限は、州政府にあるのか、連邦政府にあるのか、という、アメリカらしい論点が争われる。
なお、上記sourceに基づき、各州政府の同性婚に関する法制情報を更新しておく。
同性婚の法的ステータス
州法州最高裁判決他州認可同性婚承認認可法案審議中異性婚同等権利賦与
MassachusettsA@
Vermont
ConnecticutA@
Maine
Iowa
New Hampshire
New York
Washington, D.C.○     ←←   ○
New Jersey
Rhode Island
California○→×
Oregon
Wasington
Nevada
Hawaii
Wisconsin
※ 参考テーマ「同性カップル