19日、医療保険改革を推進しようとする有力上院議員が集まり、作戦会議を開いたようだ。上記sourceで集まったとされる上院議員は、次の通り。ここで注目点を3つ。
備 考 民 主 党 共 和 党 Former Senate Democratic leader,
Next Secretary of Health and Human ServicesTom Daschle - Chairman of the Finance Committee Max Baucus Charles E. Grassley Chairman of the Health, Education and Labor Committee Edward Kennedy Michael B. Enzi Chairman of the Banking Committee Christopher J. Dodd Orrin G. Hatch - John D. Rockefeller IV - 医療保険改革を議論するための環境は整いつつある。
- まず、民主党の大物、Max Baucus議員とEdward Kennedy議員が入っている。Baucus議員は、既に医療保険改革の青写真を提言している(「Topics2008年11月16日 Baucus提案」参照)。Kennedy議員も、今後公表の予定。
- Max Baucus議員(D)とCharles E. Grassley議員(R)は、ともにFinance Committeeのリーダーであり、この両者が、次期HHS長官に指名されたTom Daschle元上院議員を強く支持すると表明している。
- 超党派で、重要な3つの委員会のリーダーを務める大物議員がグループを形成している。
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「大統領選(2008年)」
失業給付延長法案(HR 6867)が連邦議会で成立する見通しである。Bush大統領も署名するとのことである。同法案は、Big 3への緊急融資、Medicaidに関する連邦政府支出の拡大といった対策が盛り込まれていたものだが、結局、元の失業給付延長のみが残った。
ポイントは次の通り。
- 現行の26週に加え、7週までの延長を認める。
- 失業率が6%を超える州(失業率州別分布地図)では、上記延長に加え、さらに6週の延長を認める。
- 適用期間は、2009年8月27日まで。
CA州のSCHIPは、"Healthy Families"という機関で運営されている。現在、90万人以上の子供達が加入しており、毎月、27,000人以上が新規に加入している。
このHealthy Familiesが、$17.2Mの赤字に陥っており、現在加入している子供達への給付を確保するためには、新規加入を制限、もしくは停止しなければならないという。
新規加入停止措置は、12月18日に採決される州政府予算案に盛り込まれている。親元のCA州政府も、$11.2Bという巨額の赤字を抱えており、連邦政府に救済を求めているほどである。こうした状況では、なかなかHealthy Familiesへの拠出増は難しい。
仮に新規加入が停止されると、2009年6月までに、加入資格のある待機者は162,000人にのぼるそうだ。
望みとしては、2つある。
一つは、Obama新政権である。Obama新大統領は、医療改革提案で、SCHIPへの連邦政府支援の拡充を訴えていた(「Topics2007年5月30日(1) Obama上院議員の皆保険提案」参照)。ただし、連邦政府からの財政支援が増えても、問題が残る。連邦政府からの支出$2ごとに、CA州政府が$1を負担することになっている。つまり、SCHIPの支出が増えれば、増分の3分の1はCA州が負担しなければならず、財政支出増は変えられない。
もう一つは、因縁のタバコ税の増税である。因縁というのは、今年初めに州議会で否決された、CA州皆保険法案に、タバコ税の増税が含まれていたからである(「Topics2007年12月17日(2) 加州皆保険制度合意」参照)。ここで何とかしなければ、シュワ知事が進めてきた皆保険への道が、逆行することになりかねない。シュワ知事にとっては、正念場なのではないだろうか。
※ 参考テーマ「無保険者対策/CA州」、「SCHIP」、「大統領選(2008年)」