1月27日(3) 60社共同で医療保険提供 Source : 60 Companies Plan to Sponsor Health Coverage for Uninsured (New York Times)

60の大企業が、共同で医療保険を提供するという計画だ。対象は、これら企業の非常勤、アルバイト、契約社員、コンサルタント、早期退職者などで、最低2年間は提供する。企業側からの拠出はないものの、大きなプールを形成することにより、保険料は抑制され、無保険者対策の一助となるものとみられる。対象資格者は約300万人で、無保険者全体(4,500万人)の約7%に相当する。

企業側としても、こうした安い保険プランを提供することで、転職率の抑制、生産性の向上が得られるというメリットがあるし、否決はされたもののカリフォルニア州の保険の強制購入策(「Topics2004年11月5日(1) 医療費の付回し」参照)へのカウンターにもなる。こうした市場メカニズムを利用した知恵を使っていくところが、アメリカらしいところである。

1月27日(2) ゴンザレス司法長官の承認 Source : Senate Panel Approves Gonzales on a Party-Line Vote (New York Times)

26日、上院指名委員会でゴンザレス司法長官の承認について投票が行われ、上記sourceにある通り、党派に完全に分かれた投票結果(10対8)となった。

ヒスパニックであり、移民の子で、民主党の支持も得られるのではないか(「Topics2004年11月11日(2) 初のヒスパニック閣僚」参照)、との思惑から指名されたものと思われていたが、民主党は、司法長官、さらには最高裁人事に対して厳しく望む姿勢を明確にしたことになる。ゴンザレス長官に期待されていた、様々な課題も、そう簡単には進まない可能性が高くなってきた。

1月27日(1) 連邦政府のリスク情報 Source : High-Risk Series An Update (GAO)

日本企業でも、リスク情報の開示が次第に重要課題となってきているが、アメリカ連邦政府では、連邦政府が有する政策の継続性について、リスク情報を提供している。提供主体は、GAOである。

当websiteとして、関心のある政策については、次の通りである。
  1. リスクの高い政策として、次のような項目が挙げられている。括弧内は、初めてハイリスクと指摘された年である。
    • PBGC(2003年)
    • Medicare(1990年)
    • Medicaid(2003年)
  2. また、ハイリスクがなくなった政策として、教育省の学資支援策(1990年)を挙げている。
相変わらず、社会保障関係、企業年金の支払保証制度が問題視されているわけである。

このように、政策の継続リスクを示し、何が問題であるのかを指摘する機能は、健全な政策論議の基礎となる。

今回初めて知ったのだが、GAOは、従来の"General Accounting Office"から改名して、"Government Accountability Office"となっていた(GAO Name)。政府(または政策)の説明責任を負う、ということなのであろう。Accountabilityは、市場経済では重要な規律である。今日の日経でも、企業の内部統制(「開示不信 米国の挑戦 4」19面)、金融庁の裁量行使(「金融庁 裁量の誘惑」5面)の記事で、いずれもキーワードとして登場していた。

1月25日 加州医療・年金改革案 Source : Governor's Budget 2005-06 (California Department of Finance)

10日、シュワ知事が予算案を公表した。上記sourceはweb版だが、永久保存版として、PDFによる概要もある。当websiteとしての関心事項は、州職員年金(「Topics2004年12月1日(1) CalPERSトップ交代か?」参照)とMedi-Calの改革(「Topics2004年12月27日 シュワ知事のMedicaid改革提案」参照)である。


いずれも、一挙に実現できる項目ではないと思われるが、危機的な財政状況を回復させるためには、支出項目の中で大きな医療、年金について、改革案を提示せざるを得ないだろう。シュワ知事誕生の前、民主党知事−議会のもとで、拡張路線が続けられてきたわけで、当然のことながら、州議会民主党からは、大きな抵抗があるものと予想される。

また、CalPERSは、早速、こういうwebsiteを開設して、危機感を高めようとしている。