6月30日 同性婚を巡る州レベルのせめぎあい Source : 50-state rundown on gay marriage laws (Stateline.org)

昨年11月のマサチューセッツ州最高裁の判決(「Topics2004年1月14日 Bushチームの結婚キャンペーン」参照)は、大統領選挙戦の重要な論点(「Topics2004年2月25日 同性婚に対する現実的な対応」参照)にまで発展している。

震源となったマサチューセッツ州では、州最高裁の判決を受けて、5月17日、同性婚を認める規定を法律化した。全米で初めての同性婚立法化である。

しかし、そのマサチューセッツ州でも、州憲法を改正して同性婚を禁止し、法的地位のみ提供しようとする動きが始まっている。上記sourceは、各州における同性婚に関する現行規定と、州法改正に関する動きをまとめたものである。

そのまとめによれば、各州における法改正の動きは、大きく分けて3タイプに分類できるようだ。

  1. 州憲法を改正して、同性婚を禁止する。
  2. 州法レベルで、同性婚を禁止する。
  3. 連邦憲法を改正して同性婚を禁止するよう、連邦議会に対する決議を採択する。
当然、このような動きに対する反発や、同性婚を認める法改正を求める動きも強まっている。身近な家族のあり方に関する価値観の争いであることもあり、州レベルでの議論は過熱していく可能性が高い。実際、州における同性婚に対する反発は根強い(「Topics2004年3月27日 同性婚反対者は3分の2」参照)。

ただし、注意を要するのは、結論を得るまでにかける時間である。大統領選は今年11月だが、州レベルでの改憲ということになると、2〜3年の長丁場となる。次期大統領任期中の時限爆弾ともなりかねない、息の長い重要テーマであることを銘記しておく必要がある。

6月29日 UAL債務保証申請は却下確定 Source : United Airlines fails to win loan guarantee (Financial Times)

10日前に、債務保証申請を却下され、UALは再建計画をさらに見直すとともに、債務保証額も減額して申請したが、再びATSBに却下されてしまった。これで、UALは、政府債務保証なしに、市場からの調達コストを前提に企業再建をせざるを得なくなったことになる。

やはり、ATSBの判断の根底には、コスト削減が甘すぎるという見方が根強いようだ。確かに、Southwestなど、低価格路線で採算をあげている航空会社も多数ある中で、依然として労働コストが高止まりしているという批判があるのだろう。

アメリカのChapter 11は、直接清算に突き進むことは少なく、再建スキームとしてはかなり緩やかな制度だとは思うが、コスト削減に対する政府、債権者の目は厳しい。それが、労働組合の経営参加によりなかなか大きな転換を図れなかったUALにとっては、相当な試練となっている。

このままずるずる行けば、ATSBがUALに致命傷を与えたということになりかねない。日本なら政治からの介入が全面に出てきそうだ。上記sourceによれば、アメリカでも同様の圧力があったようだが、「規律」を重視する勢力の方が強かったと言えよう。市場経済における規律の大切さを改めて確認できたような気がする。

6月22日 FASBの援軍 Source : US Senator steps up options battle (Financial Times)

ストック・オプション(SO)の会計処理をめぐる政治の動きが活発化してきた。

下院の金融サービス委員会は、SOの費用化を限定する法案を既に可決しており、2〜3週間以内に本会議で審議、採決が行われる見通しである(「Topics2004年6月18日(1) 連邦議会 vs FASB」参照)。

他方、上院では冷ややかな対応が取られると思っていたところ、上院でも同様の動きが出ているらしい。本来なら、上院では銀行委員会が担当するはずなのだが、その委員長であるSen. Richard Shelby (R-Al)が、「SOの費用化賛成」、「FASBの独立性重視」という強い主張を持っていることがわかっていたため、銀行委員会をバイパスして、来年度予算案に附属させる形で通そうとした。

これに気付いて怒ったShelby委員長は、同じ銀行委員会のranking memberであるSen. Paul Spyros Sarbanes(D-Md)と共同戦線を張り、上のような動きを阻止すると明言した。場合によっては、予算審議全体を止めてでも阻止するとの意気込みだそうだ。FASBにとっては、強力な援軍が名乗りをあげたことになる。

上院院内総務のFristは、Bush大統領と近く、大統領府の意向を強く反映した動きをとるものと思われる。FristとShelbyの意地の張り合いとなるのかどうか、興味深いところである。

ところで、OxlayとSarbanesは、企業不正防止法で共同提案者であったが、本件については対立していることになる。この辺りが、議員の主体性を重んじるアメリカ連邦議会らしいところではある。