8月6日、労働省は新規失業保険申請数を公表した。今週は118.6万人と、24.9万人の減少となった。20週間で累計5,532万人となる（新規失業保険申請件数data）。雇用保険被保険者の中の失業者数も1,611万人と、84.4万人の減少となった。

また、COVID-19対策で導入された追加失業給付（「Topics2020年3月30日　2兆ドル対策（COVID-19）」参照）の新規申請数は、
5/30： 79.9万人
6/ 6： 70.0万人
6/13： 77.4万人
6/20： 88.1万人
6/27： 99.7万人
7/ 4：104.6万人
7/11： 95.5万人
7/18： 96.0万人
7/25： 90.9万人
8/ 1： 65.6万人
と、減少が続いている。

一方、COVID-19感染はピークアウトしたように見える。

Johns Hopkins University Health

そして、手が付けられない状況に陥ってしまった州は32州と、先週からさらに2州増えている（「Topics2020年7月31日　新規失業増加続く」参照）。

COVID Exit Strategy

他方、ここまで失業者の生活を支えてきた連邦政府による追加失業給付（$600/W）は、7月末に打ち切られた。現在、連邦議会、大統領府の間で協議が続けられているが、継続されるにしても規模縮小は免れない情勢だ。これからアメリカ経済の悪化が本格化するのかもしれない。

※　参考テーマ「労働市場」、「解雇事情/失業対策」

MO州州民投票は、Medicaid拡充案が僅差（52 vs 48）で可決された（「Topics2020年8月1日　MO州：Medicaid拡充州民投票」参照）。しかも、州憲法を改正して、事実上、就労義務規定を含めることを禁じることにもなった。

今後は、次のようなスケジュールで施行に移される。

• 2021年3月1日までに：連邦政府に対する拡充施行の通達
  
  
• 2021年7月1日までに：拡充施行

これで、Medicaid拡充を決めていないのは、わずかに12州だけということになった。

Kaiser Family Foundation

※　参考テーマ「無保険者対策/MO州」、「無保険者対策/州レベル全般」

大統領選を占うといっても、なかなか当てにならないのだが、一応の現状を確認しておく。

まずは、支持率の動き（Five Thirty Eight）である。8月2日時点で、バイデン氏の8.1％ポイントのリードとなっている。じわじわと差が広がっているという感じだ。

一方、上記sourceでは、選挙人投票の予測を紹介している。そこでは、今の時点で、バイデン氏が既に過半数を押さえそうな勢いとなっている。勢力地図をよく見ると、接戦州が5つしかない。

PA州、FA州など、選挙人が多い州で、接戦からバイデン氏有利に変化している。

※　参考テーマ「大統領選（2020年）」

Missouri州（MO）は、8月4日に州民投票を実施し、Medicaid拡充の是非を問う。なんでこんな時期に、と思ったら、Medicaid拡充に反対する州知事が、11月の大統領選時から8月の予備選時に動かしてしまったそうだ。夏休み時期の予備選なら投票所にやってくる州民は少なく、可決されない可能性が高まるという訳だ。

もしも可決されれば、2021年から施行される。

推計では、23万人が拡充のおかげでMedicaidに加入できるようになるとされている。加えて、COVID-19に伴う失業増加の影響がある。今年2月から5月の間にMedicaid加入者は、全米で5％増えている。中でも、MO州は8.8％増と全米トップの増え方だ。これはMedicaid拡充が行われる前の制度下だから、Medicaid拡充が実現すれば、さらに加入者は増える。

長い間の拡充への動きが報われるのかどうか、来週火曜日に決まる（「Topics2013年8月17日(1)　Medicaid拡充の努力」参照）。

※　参考テーマ「無保険者対策/MO州」