7月7日 HSAかHRAか 
Source :HSA or HRA: Key Differences, Benefits, And Employer Trends (HR Daily Advisor)
上記sourceは、同じ医療貯蓄勘定であるHSAとHRAについて、それぞれの特徴を理解しながら選択し、活用することを勧めている(「医療貯蓄勘定 比較表」参照)。ポイントは次の通り。
  1. 普及度は圧倒的にHSAの方が高い(「Topics2014年2月17日 HRA & HSA」参照)。

  2. 両方には共通の制度目的がある。
    1. 医療保険のコストを抑制する。
    2. 従業員個人の選択を重視する。

  3. 主な違いは次の比較表の通り。
      HSAHRA
    拠出者企業or従業員企業による任意拠出
    勘定の持ち主従業員企 業
    ポータビリティ×
    拠出額上限法 定企業の任意設定
    医療保険プラン高免責額プラン任意の免責額プラン
  4. 企業が拠出し、勘定を所有し、ポータビリティがないことから、HRAをうまく利用すれば、従業員の転職を防ぐ手段として利用できる。

  5. 制度設計上の法的制約が少ないことから、企業にとっての柔軟性が確保できる。
言ってみれば、HRAは日本の昔の退職一時金制度のようなもの、HSAは日本の今の確定拠出年金のようなもの、という性格がある。トレンドや人気に捕われず、企業の業態、成熟度、従業員の構成、人事政策などから、一番適した制度を選択、利用することが肝心だ。医療貯蓄勘定も人事政策の一つのツールと位置づけられているのである。

※ 参考テーマ「HSA」、「人事政策/労働法制

7月5日 HSAsと401(k)の統合 
Source :Tear Down the Silos Between HSAs and 401(k)s (SHRM)
上記sourceでは、退職後所得の確保手段について、次のような主張をしている。
  1. HSAsと401(k)プランを別物として考えることには、問題が多い。両者の間の壁を取っ払うべきだ。

  2. HSAsは、税制その他の優遇措置により、最も優れた貯蓄プランとなっている(「Topics2016年6月22日 401(k)よりHSA」参照)。また、401(k)のように、資産運用もできる。特に、余り病気にならない若者にとっては、高免責額プランと併用することで、保険料負担を抑制することもできる。

  3. 一方、401(k)プランの活用も不充分である。事業主は、自動加入、拠出額の自動増額の制度をもっと採用すべきだ。実際、そうした制度を導入している企業で、加入を辞退する従業員はほとんどいない。

  4. 今後は、HSAsも貯蓄プランの一つとして考えて、HSAsと401(k)プランを統合して運営することを進めるべきだ。
最近、HSAsが貯蓄プランとして注目されるようになっている。

※ 参考テーマ「HSA」、「DB/DCプラン

7月3日 TN州:Community College授業料ゼロに 
Source :The First State To Offer Free Community College To Nearly Every Adult (NPR)
上記sourceによると、Tennessee州(TN)は、Community Collegeの授業料を原則廃止とするそうだ。TN州は、現在でも、高校卒業からすぐに入学した場合には、授業料を求めていない。それを、『大卒免許を持っておらず、取得したいという人であれば、授業料はゼロにする』という原則に変更する。

全米でもCommunity Collegeの授業料を原則ゼロにするというのは初めてのことである(「Topics2016年9月3日 コミュニティカレッジの使命」参照)。

TN州のCommunity College授業料は、全米平均よりもかなり高い水準にある。
授業料負担の州財政負担に対する比率でみると、TN州はほぼ全米並みであった。州財政からしてみると、従来の約1.9倍を負担することになる。
大きな決断である。

※ 参考テーマ「教 育