Source : | State by state data show bigger 2016 exchange premium, deductible jumps (USA TODAY) |
全米のExchangeにおけるSilver Planの保険料負担、免責額は、いずれも大幅に上昇したようだ。全米平均でも相当の伸び率となっているが、これを州別に見ると、大変なところがたくさんある。 さすがにダブルでトップ5に入っている州はないが、逆に言えば、どこも医療費がアップしているために、保険料で賄うか、免責額を上げて賄うか、といった対応を迫られているということである。いずれにしても加入者負担を増やさざるを得なくなっている。
- 保険料:全米=11%増、連邦立Exchange=7.5%増
- 免責額:全米=8%増、連邦立Exchange=7.5%増
Obama=民主党政権は、来秋の大統領選、連邦議会選で、PPACAを最大の成果として訴えようとしているが、これではダメージが大きくなってしまいそうだ。
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/州レベル全般」
Source : | Pension Plan Structures before and after the Pension Protection Act of 2006 (Urban Institute) |
2006年PPAは、企業年金の世界では一大制度改革であった(「Topics2006年8月16日 Pension Protection Act of 2006 概要(2)」参照)。
その中の一つの柱が「DCプランの普及・加入促進」であった。具体的には、『自動加入制度(Automatic Enrollment)』の導入と運用規定の整備が行われたのだが、上記sourceはその政策効果を検証している。こうした結果であれば、DCプランの自動加入制度の政策効果はあまり有効ではなかった、といわざるを得ない。ただし、PPA成立直後にリーマンショックが起きてしまったことや、その後、ゼロ金利政策が長期に継続したことも影響していると思われる。本当の政策効果を確認するためには、金利正常化の過程で改めて検証する必要があるだろう。
- PPAの前後で、DCプランの提供割合、加入割合ともに大きな変化は見られない。
- 401(k)プランで自動加入制度を導入している企業ではプラン加入割合が若干上昇しているが、自動加入制度を導入していない企業では加入割合が落ちている。
※ 参考テーマ「企業年金関連法制」
Sources : |
Has the Cadillac tax hit a dead end? (Modern Healthcare) Spending Deal Delays Affordable Care Act’s 40 Percent Excise Tax on High-Cost Health Plans (Segal) |
12月15日、連邦議会は連邦政府歳出権限に関する法案について合意に達したと発表した。その中には、PPACAに関連する事項が含まれているそうだ。これによる税収減は、今後数年間で$36Bになると見られるが、もしも課税延期が繰り返されるようであれば、PPACAの必要財源に大穴があくことになる。
- Cadillac Taxの課税開始を2年遅らせる(2018年⇒2020年)。
- Cadillac Taxの所得控除(法人所得税)を認める。
- 2013年から始めている医療機器への課税を2年間凍結する。
- 保険会社に対する課税を1年遅らせる。
今週末までに下院、上院の順で投票を行い、大統領も署名する意向と言われている。とうとうObama大統領も折れたということだ。これで企業、労組の方は一安心ということになろう。
(12月21日追記)
12月18日 下院、上院可決。即日、Obama大統領署名、法案成立。(H.R.2029)
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「医療保険プラン」
Source : | Employment Projections 2014-24 (BLS) |
12月8日、BLSは今後10年間の労働市場の推計を公表した。医療費が伸びていくこと、無保険者対策が進んでいること、などがヘルスケア産業の雇用増の背景にあるのだろう。
- 労働力は年間0.5%で増加する。2024年には1億6,380万人に達する。
- 労働力の高齢化が進む一方、労働参加率は2014年62.9%から2024年には60.9%に低下する。
- 特に、若年者(16〜24歳)の労働参加率は、55.0%から49.7%に大きく低下する。他方、65歳以上の高齢者の労働参加率は、18.6%から21.7%に上昇する。
- その結果、実質GDPは、今後10年間、年平均2.2%増で伸びていく。
- 名目消費のうち、医療サービスに対する支出の割合は、2004年15.0%、2014年16.7%、2024年18.0%と拡大していく。
- 今後10年間に増加する雇用のうち、94.6%(約930万人)はサービス産業であり、その内の380万人はヘルスケア等である。
- 増加率で見ても、ヘルスケア等産業の雇用の伸び率が最も高い。その結果、ヘルスケア産業の雇用が占める割合は、12.0%から13.6%に上昇する。
- 一方、製造業の雇用は年平均0.7%減となる。
※ 参考テーマ「労働市場」
Source : | Moody's: Corporate plans could reach full funding in 2018 after interest rate increases (Pensions & Investments) |
FOMC Meetingが12月15〜16日で予定されている。ここではほぼ間違いなく、利上げが公表されると思われている。
いよいよ、金利正常化への道のりが始まることになる。これに伴い、企業のDBプランの財政は急速に健全化していくとの見込みが立てられている。
上記sourceは、非金融企業670社のDBプランを対象に、Moody'sが試算した結果を紹介している。長い期間に及ぶ金融緩和政策で、DBプランの財政状況は厳しい状況が続いていた(「Topics2015年4月15日 2014年の大企業DBプラン」参照)。ようやくDBプランにも春が巡ってきそうである。 ※ 参考テーマ「DB/DCプラン」
- 2015年末のDBプラン総計の積立比率は78%。これは2008年の76%よりもわずかに2%高いだけである。
- 仮に、2019年までに(給付債務の)割引率が5.7〜6%に、運用利率が7.75%にまで上昇すれば、2018年までに積立比率は100%に達する。
- さらに、2019年までに割引率が7.5%に上昇すれば、わずか18ヵ月で積立比率は100%に達し、2019年末には120%以上になる。