Source : | Debate Over Gay Marriage Shifts to New Jersey (New York Times) |
NJ州上院で、同性婚の法制化を認める法案の審議が始まった。同性婚推進派にとって、タイムリミットは、新知事が就任する2010年1月19日である。先の州知事選で、同性婚推進派の現職が敗れ、反対派の新人議員が当選したからである(「Topics2009年11月6日(1) 同性婚論議2敗」参照)。
同州下院は、法案可決に充分な賛成票を確保できるとみられており、注目は州上院の結果である。少し前に紹介したNY州とよく似た状況である(「Topics2009年12月3日 NY州も同性婚敗退」参照)。
ここでも、法案可決阻止に向けて、カトリック教会が活発にロビー活動を繰り広げているそうだ。
※ 参考テーマ「同性カップル」
Source : | Reid Says Deal Resolves a Dispute on the Public Option (New York Times) |
まず、事実関係を整理しておきたい。
下院で可決された法案と上院で審議中の法案を比較すると、次のようになる(Wall Street Journal、New York Times)。これに対し、Ben Nelson上院議員は、下院案と同様の内容にするよう修正案を提案していたが、8日、Nelson修正案に関する投票が行われ、54vs45で否決された。投票の党派別内訳は次の通り。
下 院 案 上 院 案 ・公的保険プランでは中絶をカバーしない。
・税額控除を受け取った女性は中絶プランをカバーする保険プランに加入できない。・各州で最低一つは政府基準を満たし、かつ中絶をカバーする保険プランを用意する。
・各州で最低一つは政府基準を満たし、かつ中絶をカバーしない保険プランを用意する。
・中絶処置に対する診療報酬は加入者が負担した保険料のみで賄う。
・公費が中絶処置に支払われないよう分離経理する。コメントは次の通り。
民主党 共和党 反対 52 2 賛成 7 38 ※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」
- Nelson上院議員は、中絶に関する条項が今の上院案のままであれば、上院案に賛成票を投じることはできないとしている。これで、民主党側は法案可決に必要な60票を一つ欠くことになる。
- それどころか、民主党から7票も修正賛成票が入ったということは、造反の可能性は一人Nelson上院議員だけではない、ということになる。
- 共和党からの修正反対票は、いずれもMaine州選出のSnowe上院議員、Collins上院議員である。
Source : | Reid Says Deal Resolves a Dispute on the Public Option (New York Times) |
上記の中絶に関する投票結果を踏まえ、いきなりのびっくり軌道修正である。Reid院内総務を含め、上院民主党議員10人が、公的プランの導入について概ね修正案に合意したという。
修正案の詳細は明らかになっていないが、上記sourceによれば概要次の通り。簡単に言ってしまえば、Snowe上院議員が提案していた"trigger条項"である。もちろん、民主党側60人の議員全員に説明しているわけではないので、リベラル派を中心に、猛反発が予想される。
- 公的プラン創設は、一旦検討を中止する。
- 55〜64歳の国民は、Medicareへの加入を可能とする(="buy-in"提案)。
- 民間保険会社との交渉により、OPMが医療給付プランを提供する。
- アメリカ国民に一定程度の適切な医療保険プランを提供できなかった場合、政府自身が新たな保険プランを提供する。
しかし、最後の最後の投票で、Snowe上院議員の一票がどうしても必要になる状況が生じている(前項参照)以上、こうした検討もしておかざるを得なくなっているのも事実なのである。
これら二つの出来事からすると、@公的プラン、A中絶の扱いを巡り、上院での可決も難しくなっており、例え成案になったとしても、下院との調整が難しくなってきたことがわかる。
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」
Source : | Consumer-Driven Health Plan Participants Display Cost-Conscious Behavior, Utilize Wellness Programs (EBRI) |
久しぶりにCDHPの話題である。わがEBRIの分析によれば、CDHP加入者は、伝統的な医療保険プラン加入者と較べて、といった特徴があるそうだ。
- コスト感覚が強い
- 健康増進プログラムに関心が高い
- 若い層が多い
- 健康な人が多い
- 所得が高い
- 教育水準が高い
- ジェネリックの利用希望が強い
- 治療方法の選択肢を探る
- 喫煙者が極めて少ない
Source : | New York State Senate Votes Down Gay Marriage Bill (New York Times) |
同性婚の法的認可が目前と見られてきたNY州で、同性婚認可法案が州上院で否決された。それも民主党からの反対票が続出し、38 vs 24 という大差であった。州下院は圧倒的多数で可決していただけに、同法案を推進してきたPaterson州知事のダメージは大きい。
当websiteで紹介している通り、同性婚に関しては逆風が吹きつつある。「選択」の最新号(2009年12月号)に、『アメリカで保守派が力を増してきている』という記事が掲載されていたが、その通りなのかもしれない。
次はD.C.の行方が注目される。
州 同性婚の法的ステータス 州法 州最高裁判決 他州認可同性婚承認 認可法案審議中 異性婚同等権利賦与 Massachusetts A @ Vermont ○ Connecticut A @ Iowa ○ New Hampshire ○ Maine ○→× Rhode Island ○ ○ Washington, D.C. ○ ○ ○ California ○→× ○ ○ New York ○ New Jersey ○ ○ Oregon ○ Wasington ○ Nevada ○ Hawaii ○ Wisconsin ○
※ 参考テーマ「同性カップル」
Source : | POLLSTER.COM |
医療改革法案の上院審議が始まったようだが、同法案を巡るアメリカ社会の空気はどうなっているのかを見てみたい。上記sourceは、様々な世論調査を加工して一つにまとめて示しているサイトである。手法は少し乱暴かもしれないが、傾向を知るだけなら、単独の世論調査だけを見ているよりは役立つかもしれない。何せ、アメリカの世論調査は、党派色の強いものもあるから。特に、医療保険法案については、10月以降、支持率が急落していることが目立つ。議論の環境としては徐々に悪化しているのである。
- まずは、Obama大統領の人気度は ⇒ Favorable Rating ⇒ まだまだ人気度は高いものがある。
- Obamaの大統領としての仕事ぶりは ⇒ Job Approval ⇒ 賛否がほぼ拮抗している。
- 政策課題別の大統領の仕事ぶりは、まず経済政策をみると ⇒ Job Approval/Economy ⇒ 不支持が若干(4%)上回っている。
- 次に医療政策の仕事ぶりをみると ⇒ Job Approval/Health Care ⇒ 不支持が(6%)上回っている。
- 最後に医療保険法案については ⇒ Health Care Plan ⇒ 不支持が大きく(10%)上回っている。
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」