5月28日 加州最高裁 同性婚認める Source : California Same-Sex Marriage Ruling : Employee Benefit Plan Implications (McDermott, Will & Emery)

5月15日、CA州最高裁が同性婚を認める判決を下した。同性の間で結婚する権利を認めるというストレートな判断ではなく、異性同士のカップルに認められている権利を同性同士のカップルに認めないのは不平等である、という判断である。人種、性別、宗教による差別と同様の扱いをしたのである。同判決は、今年6月14日をもって発効する。

これで、全米ではMA州に次ぐ2番目の同性婚容認州となった。CA州には10万組の同性カップルがいると言われている。また、今回の判決では、他州から来訪した者の婚姻を排除していない(MA州は他州の同性カップルの婚姻は認めていない)。従って、今回の判決の全国レベルでのインパクトは大きい。

上記sourceによれば、同性カップルの扱いは、世界、連邦、州レベルで交錯している。 このように入り組んでくると、インターステイツで事業活動を行っている企業としては、営業拠点毎に、ベネフィットの内容、W2の扱いを変えなくてはならなくなる。こうした意味で、ERISAの精神は既に崩れてしまっているとも言える。

5月27日 皆保険と株主総会 Source : SEC Backs Health Care Balloting (New York Times)

宗教団体や労働組合が、皆保険制度を株主総会の議案に含めるよう、求めている。具体的には、『個人、家族、社会にとって、持続可能で購入な国民皆保険制度』を支持する旨を株主総会で議決せよ、と要求しているそうだ。

従来、SECは、このような議案は株主総会に相応しくないとの立場を取ってきたが、最近になって立場を変え、上場企業に対して排除するのは好ましくないとの勧告をしているそうだ。

他方、労働省(DOL)は、『年金基金が株主議決権を通じて立法、規制、社会政策を推進しようとすることは、受託者責任に違反する可能性がある』との見解を示している。労働組合などは、そうした政策の推進により企業経営が改善されるのだから問題ない、と反発している。

また、当の企業側の対応は分かれている。上記のような要求に応じているところもあれば、議案という形ではなく直接対話という形をとって要望を取り入れているところもある。当然、そんな要求は受容できない、と反発しているところもある。

こういう記事を読むと、アメリカ社会では、企業はまさに『公器(Public Company)』として認識されているのだな、と実感する。

5月26日 米英労組の合併 Source : Unite and US union in historic tie-up (Financial Times)

アメリカのUnited Steelworkers (USW)とイギリスのUniteという労組が連携するとのことである。完全な統合ではなく、両者の代表からなる新委員会を設けて、その傘下に二つの労組がぶら下がる、という形らしい。企業で言えば、持ち株会社設立による合併である。

United Steelworkersの組合員は85万人、Uniteは180万人と、合わせれば265万人に達する巨大組合である。記事によれば、Uniteもこれまで合併を繰り返してきて成立している労組であり、合併は慣れたものであろう。

大西洋を挟んでいても、アメリカとイギリスは社会システムが似ているのだろう。日本の労組の場合、アメリカの労組と合併するなどということは創造だにできない。こうした面でも世界標準から外れているのかもしれない。

5月21日 Kennedy上院議員入院 Source : Senator Kennedy Has a Malignant Brain Tumor (New York Times)

上記sourceによると、Kennedy上院議員が入院した。病名は脳腫瘍とのこと。一日も早い回復を祈るとともに、今後の社会保障政策への影響が気になるところである(「Topics2008年1月28日(1) KennedyがObama支持」参照)。